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半年間受講のマンガ専科講評会を振り返って

先週3月18日(土)に、コルクラボマンガ専科の最終授業=全体講評会がありました!

1月から4pずつ、8週間かけてtwitterに連載したネームマンガのZoom講評会です。

マンガ専科7期受講生、33作品が提出され、3人の講師の方が持ち時間約2分、ひとつの作品に計6分ずつコメントを述べる。昼の12時~17時まで、何度か休憩をはさんで5時間、長丁場の講評会でした!

■提出作品『ショパン家の子どもたち』

課題提出はコミチ。

講評会の直前に、講師のゴトー先生とズーニー先生がコメントをつけてくれました。だいたいの方向性がつかめて、講評会に参加することができて、とてもありがたかったです。

講評会の方針について

できることはやりきったので、何を言われても受け入れようと思ってましたが、講師の先生方の方針は、受講生の良いところを見つけるというものでした。

他の人と違う、自分の良いところというのは、武器になる。

でも、自分では気づかない。

だから他の人と意見の交換をしよう、他の人の作品に感想を書こう。何を書くかで自分を知ることにもなる。これが半年間ずっと言われたことでした。

『この作品の中で、ここが好きな場面、これが好きなセリフです!』
感想は、これだけでいい。


講評会を受けて、自分の感想

最初に、セリフとリズムがいいと評価されたのは意外でした。絵はぜんぜん言われなかった(問題視されなかった)のがまた意外。

そのままゴトー先生が、エミリアの詩を読み上げてくれた。まるで暗記してるようにスラスラと。とてもうれしかったです。はっと目が覚めるような気持に。

それから、自分で考えたセリフ、
『ショパンの妹じゃなくて~詩人のエミリア、そう呼ばれたい』この箇所を全部読み上げてくれました。

声に出して読んでもらっただけなのに、なぜこんなにうれしいのか!

有名人ショパンの妹エミリア。
忘れられるのが怖い、という詩を書いたエミリア。
文才を期待されながら、14歳で病没したエミリア。
彼女の死は、明るかったショパンの少年時代に投げかけた最初の悲しみと言われる。
『忘れられた妹』エミリア・ショパン。

ショパンを調べているうちにこの女の子を知り、この詩がとても気に入った。わたしはあなたの詩が好きだよ、覚えてるよ、忘れないよ!と200年前の彼女に言いたかった。それで、お話の題材に選んだ。みんなにも知ってもらいたいと思ったんだ。

(…という初動、自分で忘れてた…!!!( ;∀;)

ズーニー先生や他の受講生のコメントも、とても嬉しいものだった。

『死の影が時々見え隠れしながらも、一番幸せだった時期の彼女にクローズアップ』
『走馬灯のような』
『アントニが恋をするのも当然』『アントニ推し』
『とても魅力的な彼女』


ちゃんと伝わってた!!( ;∀;)

物語の最後の締めにわざわざ、『なんと!悲しいことにこの子は若くして死んだんです!』というエピソードを入れなくても、最初に入れた『早世した妹を語りたい』の短い一文でぜんぜん大丈夫だった。

(じわーーーーん)(;O;)

読む人を、もっと信頼したい。


もうひとつのコメントは、編集者の佐渡島さん。
『作家性が強い、濃いファンつく』とおっしゃってくれたこと。

これは嬉しい反面、わかってる感があるというか…。そのまま根本的な自分の悩み…コンプレックスにも結びつく。
『作家性が強い
=汎用性がない(新人の仕事始めとして、汎用性の高い小さめの仕事がとりづらい)、
=特異である(簡単には受け入れられないだろう)』
…とも言える。

わたしは学生時代から『他の人と違う』コンプレックスがある。『みんなと同じようになれるよう、自分流を押さえてきちんとしなきゃ』という気持ちが思ってたより根深い。これがやっかい。

みんなの真似しても、当然うまくいかない。
みんなと同じようにできない悩み。

例えば今回なら、
■受講中最初はみんなのようにデジ絵練習してたのに、いちばん描きやすい・早い方法として水彩アナログで描いてしまう。
■雑誌に掲載したいならモノクロ二階調にしなければいけないのに、鉛筆・水彩で描いてしまう。
■絵柄的にも漫画としては少ない絵柄、絵本風。
■エッセイ、マンガ的題材、共感ではなく、歴史・学習もの

などなど。

みんなみたいにできない!ごめんなさい!って思わなくていいのに。友だちがこの類の悩みを持っていたら「違ってていいんだよ」と言えるのに。

自分は悩む。


だけどもう開き直れ!

「これしかできません!」と言いたい。
もっとはっきり「この技法もオリジナルです、最高でしょう?」と言えるようになりたい!!

そのためには、やっぱり人にいっぱい見せて、認知されていくしかないのかも。

見せて、否定されたら、反発すればいいのだ。
そのうえで納得してたら、変わればいい。

見せないで勝手に否定を想像しちゃうから、ごめんなさいな気分になっちゃう。そんで自縛。想像力はそういう風に使うんじゃなくて、創造広がる方に使うべき。
超面白いことひらめいちゃったの~~☆ってね。

資料調べるのも考えすぎるのも悪いことじゃない。学生時代から調べたい、勉強・研究・深掘りしたいという気持ちを、常に悪いことと非難されてるように感じてしまう。

ただ、資料そのまま羅列するのはつまらないとわかってるんだから、資料の面白いことを抽出して、創造やエンタメに転換したい。

否定意識やこうなっちゃったじゃなくて、こうしたい。展望持って創作できるようになりたい。実行を伴え!

コルクラボの受講と講評会を終えて、そう思いました。


題材について

題材は地味かなと思ったけど、評価されたのも意外。
佐渡島さんの話で、ショパン繋がりで平野啓一郎さんの小説「葬送」が出た。この小説、くっそ長いけど一気読みしてた。事実と創作と、現場を見てるようなシーンの解像度。

ショパンの伝記は何冊も読んだから、ショパンのエピソードは知ってたものが多かった。けど画家のドラクロワは、どんな人物かは知らなかった。その知らない人であるドラクロワのパートこそが、新しい知る喜びで、考えさせられる、面白かったと思う。

『有名人の影に隠れた、一般的には知られていないけど、資料の中から作者が見つけた興味深い人物像』

この辺が、自分が書きたいテーマなんだと思う。

なんで今回、素直にショパンを主人公にしないんだろう?有名人を主人公にすれば、もっとわかりやすいし、一般受けするような気がする。ひねくれてるなアタシって思ってた。

でも、有名人の派生で知った情報の、初めて知った『妹』や『友人』を描きたかった。知ることで、有名人そのものの理解も豊かになれる気がする。有名人を(有名人じゃなくても)支え存在している周囲の人。重要な気がする。

『知らなかったことを知る』楽しみがある。

自分はそうだけど、他の大多数の人は違うだろうと思ってた。

『受け入れられないだろう』
『興味を持たれないだろう』

でも、そうでもなかった。こういう、他の人の感想を先走って決めつけて、勝手に諦めるのは止めよう。

コルクラボ受講をきっかけに、今までよりずっとたくさんの人に読んでもらった。感想書くのが宿題だってこともあり、いろいろな、意外な感想をいただけた。自分でも少し書いた。
とても面白かった。違いを意思表示すること。
これからもきっと、面白いことがある気がする。
だから、そのために、何かしたい。

今後のこと

やりたいことやらなければいけないことがたくさんあるが、直近は有志卒展。

コルクラボマンガ専科7期生による卒業展示会「挑戦」

2023年3月25日(土)~4月3日(月)10:00-18:00
(初日15:00~、最終日16:00まで。日曜は事前予約制)
GARDE Gallery (東京都港区南青山5-2-1 ALLIANCEビル4F)

出品の自費本は印刷屋さんに発注したので、これから展示作品を作るぜ!

展示コンセプト

★マンガ作品にする。
※もともとが油彩絵描きなので、絵画作品的見せ方ではなく、絵と物語が分かる見せ方をする。
また、油彩画時代のような技術誇示傾向に気を付けて、スゴイより共感する見せ方を。

[1]水彩マンガ・デジタル編集メイキングパネルを作る

・制作裏話として、アナログ+デジタルの組み合わせが、面白いんじゃないかと。アナログ絵を組み合わせて一枚絵を作る応用編。
・最新技術ではないが、意外性があるので、役に立つ人もいるかも…。その人たちのために作る。

[2]肖像画とキャラデザパネル

・これは、ポジションが自分の中で難しいんだけど、まず10代のころからずっと肖像画がスキなのだと言いたい。ただただ言いたい。絵画好きの中でも超地味志向だよね。

・それでも自分が肖像画が好きな理由を考えると、新聞の1記事・人物紹介のような感覚かも。その人を調べ、知り、顔を描く、というのが好きなんだと思う。
でもこの新聞記事な絵は、一般的にはあまり面白くないんじゃなかろうか。うむ。じゃあ面白さをアピールするためにはどうすればいいのだろう??
将来的に、いろんな人の肖像画イラストやエピ満載マンガ描きたいです、と繋げたいために、作る。

この2つのパネルを作る。今週はこれをやるぜ。

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