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東京オリンピックとテロに関する考察

約12ヶ月後に迫った東京オリンピック
新国立競技場問題、築地市場移転問題、ボランティア不足など様々なことがあったが、ついに先日チケットの抽選が行われ、オリンピックの開催に真実味がまして来た今日この頃。ふとある思いに至ったので内容をまとめてみることにした。

国際的な大イベントを長期間に行うにあたり、最も警戒しなければ行けないのがテロ問題だ。先日行われたG20大阪サミットは記憶に新しいが、当然こちらでも空前の厳戒体制が取られ、主要駅のゴミ箱、ロッカーの使用禁止はもちろん。大規模な交通制限。臨時休校などが実施された。(福岡地下鉄ではサミットの三日前である25日からゴミ箱・ロッカーが封鎖された)

各国の指導者が会するイベントであればこそとは思うが、当然オリンピックでも各国の重要人物が集うのは間違いなく同様のテロ警戒が必要と考えられる。(‘18平昌五輪では各国の首脳級要人が20名以上も出席している)

当然様々な方面でテロ対策・警戒が考えられて居るだろうが、今回はある一つの業種に注目して考えて見たいと思う。その業種とはオンラインフードデリバリー『Uber Eats (ウーバーイーツ)』である。当サービスはアメリカで当初、自動車配車ウェブサイト(及びアプリ)『Uber』として展開し、その後ノウハウを活かしフードデリバリーサービスとして拡大し、2016年に日本に上陸したサービスである。

一番の特徴は、このサービスはユーザー同士を結びつけるものであり、利用する方もされる方もユーザー、それをマッチングされるサービスとしてウーバーというシステムが提供されているという部分である。
ウーバーイーツの場合、ウーバーにお店を登録すると、デリバリーを利用したい客はサイトから登録店舗を検索できるようになる。そして注文が入ると配達員(ドライバー)として登録された人達に連絡が行き、お店から商品を受け取り、お客さんに商品が届くという流れになっている。
この際、ウーバーに対しては店、客、配達員それぞれが利用者という形になる

ここで懸念されることが一つある。それはウーバーに登録されている店の安全性に関してだ。ここでウーバーを調べたことがある人は「おや?」と思ったに違いない。普通であれば警戒されるべきは個人事業主として登録している配達員(ドライバー)の方がより責任という面で希薄になりがちなイメージがあるからだ。しかし、テロ警戒という意味であれば店舗の方こそ十分注意する必要がある。これからその理由を説明して行こう。

テロで警戒すべき危険と言えば、思い浮かぶのは爆薬と毒物だろう。
爆破テロと言えば以前には聞かない日は無いほど世間を賑わせたのも遠い記憶ではない、また毒物と言えば毒ガステロとして世界的にも悪名高い地下鉄サリン事件の例もある。当然テロ対策としては、これらの危険物を持ち込ませない、配置させないという対処が初手として講じられることが多い。そのため、最初に紹介したG20でもゴミ箱やロッカーを封鎖し、危険物を放置させない工夫をしている。

もし、同時多発的で大規模なテロリストを起こそうと考えた場合、一番に躓くのはどうやって危険物を目的の場所に運び、計画実行の瞬間までバレずにその場に留め置くかということになるだろう。仮に100人の協力者がいれば犠牲を払い100箇所で同時に事を起こすことが可能かもしれない。しかし、かの9.11同時多発テロでさえ実行犯の人数は19人。信頼できる(または自分を犠牲にできる)人材を集めるというのがどれだけ大変だったかが伺えることだろう。

また、当日は様々な施設や公共交通機関で警備や検査が行われることが想定される。想定する場所に人を配置できたとしても危険物を持ち待機することすら難しいかもしれない。そういったリスクや実行に移すコストが壁となり、実際にはこういった行いは非常に困難になることが想像に難くない。

しかし、あるものを利用すればそれらのことが一気に解決する可能性がある。
それが『ウーバーイーツ』だ。

テロリストの目線から『ウーバーイーツ』を考えてみよう。
ウーバーイーツは関東をはじめ、大阪、京都、名古屋、福岡などの主要都市で広く展開してるサービスである。また、日本でのサービス開始は2016年と今ではすっかり定着したサービスであり、都内では配達員を見ない日は無いというほどの盛況ぶりである。
また、配達員は基本的に自転車やバイクといった交通手段を用いており、公共交通機関を使用する必要もなく、ユーザーの指定によっては家や施設だけではなく『○○公園まで』といった配達まで可能となっている。

これらは、『各主要都市』『同時多発的』『ある種の荷物を持った人間』『好きな場所に配置できる』ということである。
ここまで言えばもう分かると思うが、仮に数人の同士を得たテロリストが各主要都市で店舗を持つとする。(またはウーバー登録している店舗を何らかの方法で占拠する)
実行当日は自分で店に注文を行い、配達員を呼び荷物をピックアップしてもらう。荷物はあらかじめ注文時に指定された場所へと運ばれる事となる。運ばれる荷物は見慣れたリュックに積み込まれ、危険物が入ってることなんて誰も気が付かないまま運ばれていく。そう配達員にさえも。(ウーバーイーツでは配達員は基本的に商品の中身がどうなっているかは確認をしないことになっている。そのため配達後に商品が不足しているや、店側の梱包方法が悪く料理がこぼれてしまっていた。等の問題も度々発生している。)

こうしてテロリストたちはたった数人で主要都市の目的の場所に爆弾や毒物を配ることができる。それは日々見慣れた『料理のデリバリー』の形となって誰の目を避けることもなく、ごくごく自然に行われ犯人達自身には1人の犠牲も出さないまま、テロのインフラとして利用された配達員達と共に全てを葬ることができるのだ。

この手法の恐ろしいところは過去に実際に有った『小包爆弾事件』をより簡易的かつ自由度高く行えるところにある。
まず、ウーバーの場合、宅配物と違いより自由な配送先が設定できる。
これにより受け取り相手がいなくても任意の場所に荷物を送ることができ、また時間に関してもギリギリまで荷物を手元に置くことができるので事前の発覚を防ぐことができ、指定の場所に僅かな時間で配ることができるのだ。また、フードデリバリーの体裁を取っているので、不特定多数の無関係の場所に荷物を送ることも不自然ではなく、配達を開始した時点での発覚も容易ではない。

オリンピックまで、あと12ヶ月。

テロ対策として考えられる可能性は色々あります。今回は一つのサービスについて考えて見ましたが、実際に何かしようとする人達はきっともっと色々な事を考えていると思います。官民一体となったテロ対策・警戒がされることを心より願います。

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この考察に至った経緯は、Youtubeで公開されているウーバー配達員の動画が元となっている部分があります。

動画内では『店内営業していない配達のみの店舗が存在する』『配達員は実際には何を配ってるか分からない』『目的地付近に到着しても受け渡し場所がわからず時間が掛かることがある』といった内容の説明がされている部分を参考にしました。こういった現状が現時点でも存在し、それを悪用する人間が現れた場合、考察した内容が実際に出来うるかも知れないという発想を持って拙作となりました。

実際に海外では配車サービスである「ウーバー」を悪用した事件も起きているとのことです。ウーバーの配車に見せかけて利用者を乗せて高額請求をしたり、もっと直接的に危害を加えるケースもあるとか。便利な世の中になると同時にそこには様々な危険が妊んでいるということを感じます。こうしたことに対策する人達には新しいものを頭から拒絶するのではなく受け入れて内容を理解し、十分検討を行って頂ければと願います。
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※注意※
この考察は実際の犯罪計画や予告ではありません。
また、犯罪を助長する目的では無く。来る国際イベントの警備体制に対する啓蒙であり、特定の業種や組織を貶める目的のものではありません。
考察内で触れた手法等を実際に行った場合は刑罰に処される可能性がありますので決して真似しないでください。

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