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1話30分で見れる!飽き性な私でもシーズン完走できた海外ドラマ5作品

私は飽き性だ。

この飽き性な性格を特に身にしみて感じるのが、連続ドラマを1シーズン完走するのが超苦手なこと。思い出す限り、最初から最後まで見れたドラマって3本くらいしかなかった気がする。順調に見続けて「お、これは完走できるぞ!」と思ったのに、何故かどうでもよくなって最終話を見なかったこともある(あれはひどい)。

海外ドラマは特に長いし、シーズンが3つも4つも増えるのは正直クレイジーにさえ感じる。だから諦めていた。でもやっぱり海外ドラマを完走してみたい!という気持ちはある。なんというか、憧れで。

そんな無精な私が、最近とてもいいものを見つけた。それが、1話30分で終わる海外ドラマだ。

一般的な連続ドラマは、1話50分くらいのものが多いが、飽き性な私はそんなに見てられない。しかもそれを10回近く繰り返すなんて?無理。

ところが1話30分のドラマを見て、驚いた。あら早いこと早いこと。「えっ、いいところだったのに終わり?じゃあもう1話」の流れで気づいたら最終話。全部見ても3〜4時間くらいで終わる。映画1本くらいだよね。いつの間にか1シーズン完走。やった!

ということで、飽き性な私でも1シーズン楽しく完走できた海外ドラマを紹介します。

【紹介する5作品】
1. 性欲旺盛・皮肉屋女子が話しかけてくる新感覚コメディー『Fleabag』
2. 黒人女性のリアルにスポットライトを当てた恋愛コメディー『Insecure』
3. 殺し屋が役者に転職希望?ブラックコメディー『Barry』
4. 「私は強迫性障害」止まらない性的妄想と格闘する女性の物語『Pure』
5. 感動で涙腺崩壊。NY舞台に様々な愛を描くオムニバス『Modern Love』
【注意】
・以下作品は全てAmazon Primeで観賞したので、Netflixでは見れないのが多いかも...ご容赦ください。
・1話30分きっかりで終わらないものもあるので、紹介しているシーズンの1話あたり最短〜最長の放送時間を記載しました。40分以上になるものはないので今回はざっくり「1話30分」と見なしてます。大雑把でごめんな!

1. Fleabag(フリーバッグ)

1話あたり:23〜26分
1シーズン:全6話

いやあ、これは1番面白かったので最初に持ってきました。イギリスはBBC発作品。(英国外の配信はAmazon Primeが放映権を握ってるらしく、今のところAmazon Primeでしか見れないかも。)

【どんなドラマ?】
性欲強めで皮肉屋の、ロンドンに暮らす女性が主人公。タイトルの『Fleabag』(=「汚らわしい、不潔な人」の意味)とは主人公のことを指しているらしいが、実は彼女の名前は劇中に一度も出てこない。

彼女がやることなすこと、とにかくびっくりするくらい自由奔放。常に体を求められていないと満たされず、頭の中は次に寝る男のことで一杯だし、余計な一言で姉をイラつかせては家族と衝突しまくり。まさにトラブルを巻き起こす天才!最初は見ているこちらも若干イライラするくらい(笑)

ただ、徐々に彼女の“闇”とも呼べる深い秘密や、羨ましいほどに純粋な人間性があらわになってくる。話を進めるうちに、気付けば彼女の虜(とりこ)に。

【ここがイイ!】
何よりこのドラマが面白いのは、主人公がちょくちょく視聴者に向かって話しかけてくることだ。ちょっと何言ってるのかわからないかもしれないが、本当にこちらに話しかけてくる。見えない“特別な友達”みたいに。だから彼女のことが好きになってしまうのかも。

『Fleabag』はシーズン全6話と飽き性にもやさしい短め構成でズンズン見れる。シーズン2もAmazon Primeで見ることができる。シーズン2はシーズン1に比べ、主人公の成長が感じられ、周りを取り巻く人々にも変化が。しかも、驚きの手法で視聴者をさらに巻き込んでくる。

本作品は主演のフィービー・ウォーラー=ブリッジが原案で、製作総指揮や脚本も務める。いやーこんな人、他にいないよ。見ればわかる。彼女は天才だ!

2. Insecure(インセキュア)

1話あたり:26〜32分
1シーズン:全8話

「ゲーム・オブ・スローンズ」ファンはおなじみ?の米国HBO発の作品。うーん、これはキャラクターの設定がいい!女性は特に共感できるところが多いかも。

【どんなドラマ?】
『Insecure』では今を生きる黒人女性のリアルにスポットを当てながら、主人公・イッサの思うようにいかない恋愛のあれこれをコミカルに描く。

主人公・イッサは彼氏と同棲中。その彼は、何年も起業を夢見ながら実現せず、かといって職もなく。イッサは先の見えない同棲生活にイライラ。そんな時にアーティストとして活動する元カレに心がなびき、親友のモリーを引き連れて彼のいるクラブイベントへ... 彼女たちの恋愛がジェットコースターのように浮き沈みを始める。

恋愛要素だけではない。アメリカの日常生活を黒人視点で描き出す本作は、社会派なテーマに切り込みながらも、コメディータッチで重くなりすぎない。あからさまな差別表現からではなく、生活の中で浴びせられるふとした言動に対する主人公の表情や心の声が、白人社会で黒人が感じている「生きづらさ」や「居心地悪い瞬間」みたいなものを教えてくれる。

【ここがイイ!】
恋愛事情もおもしろいんだけど、私がグッときたのは主人公・イッサと親友・モリーの「女の友情」だ。

この女モリー、脇役なはずなのに主役張りに存在感が強い。(もはや準主役?)彼女はキャリアウーマンで、白人多勢な職場も上手くこなしてバリバリ活躍。でも恋愛の方はいまいち。先ほど紹介した『Fleabag』のように、モリーも「常に男がいなきゃダメ!」なタイプ。新しい男を見つけては別れ、見つけては別れ... そんな彼女を一番近くで見ているのがイッサ。時にはケンカしたり、でも辛い時は泣きついたり。「女の友情」って個人的にすごく好きなテーマなんだよね。(『Insecure』見てたらデスチャのミュージックビデオ思い出した)

音楽といえば、『Insecure』のサウンドトラックはものすごくいい。どの挿入曲も洗練されていてカッコいい!スマホでShazamのアプリを常に起動してドラマを見たいくらいだ。黒人社会に焦点を当てているからか、HipHop, R&Bなどの楽曲がふんだんに使われている(ちなみにイッサも劇中でラップを歌う)。どうやら音楽にはこだわっているみたいで、中にはドラマ用に書き下ろされた曲もあるとか。音楽に関する小ネタもちょくちょく挟まれていて嬉しい。ブラックカルチャーやその周辺音楽が好きな人にはおすすめのドラマだ。

第1話で流れる "No Small Talk" by Kari Fauxは超イケイケでお気に入り↓

3. Barry(バリー)

1話あたり:26〜33分
1シーズン:全8話

映画『IT/イット THE END』(2019)に出演していたビル・ヘイダーがなかなかいいなと思い、彼の出演作を調べていて辿り着いたドラマ。こちらも『Insecure』と同じHBO作品。

【こんなドラマ】
主人公・バリーは敏腕の殺し屋。でも目的のない今の生活にウンザリしていて、自分らしく新たな人生を歩みたいと考えている。しかし、殺しの依頼は次々に入り、なかなか殺し屋から足を洗えずにいる。

そんな中、新しく入った依頼で標的を尾行しているうちに、標的が通う演劇のクラスに迷い込んでしまったバリー。受講生と間違えられ、なぜ演劇クラスに通うハメに。そして、なんと殺し屋のバリーは演劇の世界に目覚めてしまう!「自分が本当になりたいのは、役者かもしれない」と考え、仕事の合間に演劇クラスに通い始めたバリー。しかし、現実はそう甘くない。裏社会は彼を見放してくれず、演劇クラスの仲間を巻き込みながら雪だるま式に問題が大きくなっていく。

【ここがイイ!】
ブラックジョークや皮肉が効いててなかなかシブいドラマ。殺ししかなかったバリーが演劇クラスで心を取り戻していくも、裏社会から離れようとすればするほど、状況はどんどん悪化する。コメディーなのに腹の底からは笑えない、面白いのに切ない、そんな絶妙な塩梅。このシブがきを食わされたような面白さといったら!

脇を固めるキャラクターも、一癖も二癖もあり賑やかだ。殺しの依頼主の手下でちょいウザめな坊主・ノホ・ハンク、演劇クラスの自我強めな生徒・サリー、大物に見えて実は大根役者(?)な演劇のクジノー先生。彼らが仏頂面のバリーの心をどんどん刺激していくのもナイス。

最終話、最後のセリフは見ものだ。

4. Pure(ピュア)

1話あたり:32〜36分
1シーズン:全6話

イギリスのドラマ。BBCのチャンネル4で2019年に放送。チャンネル4は若者やマイノリティなどを視聴対象にしているらしく、確かにこの作品はぴったりだなと納得。

【どんなドラマ?】
スコットランドの小さな町に住む24歳のマーニーは、14歳の頃から悩みがある。自分では望んでいない性的な妄想が常に頭の中で暴走し、混乱させられているのだ。「自分は異常なのか?」と悩みは限界に達し、ついに故郷を飛び出して自由の街・ロンドンへ降り立つ。妄想の原因を突き止めるため、様々な経験を求め大胆に飛び込んでいく。

「自分は同性愛者なのだろうか?」と女性との経験を試みたり、「もしかしてセックス依存症かも?」と依存症の自助コミュニティに参加してみたり... でもどれも妄想の原因にはしっくり来ない。そんな中、自助コミュニティで出会った青年・チャーリーに思いもよらない言葉をかけられる。「もしかして君は、強迫性障害(OCD)なんじゃないか?」

【ここがイイ!】
妄想の原因がOCDとわかった瞬間から、マーニーはだんだん強くなっていく。でも、自分の中からOCDを完全に排除することはできなくて、病気と付き合っていかなければならない現実に負けそうになるマーニー。混乱して、ヘマして、傍若無人になる彼女を、ロンドンで出会った新しい仲間はなんだかんだ言ってちゃんと見守ってくれる。この優しさがとても温かい。新天地で不安な時にそばにいてくれる人ほど有難いものってないよ。

マーニーの周囲はそれぞれ違うタイプの人々で構成される。職場の人、居候先の友達、共に悩みを抱える仲間、故郷から心配して駆けつけた親友。マーニーが彼らに対して、それぞれの表情、それぞれの関わり方を見せるのがなんかリアルだなあと思った。私も時々、環境によって見せる表情や態度が違うのを自覚して「本当の自分ってどれだろう?」と考えることがある。でも、マーニーを見て思うのは、「どれも本当の自分だ」ってこと。

複雑な悩みを抱える者同士のチャーリーと特別な関係になっていくのは、特にグッとくる。(この手の友情モノに弱いんだよね...)

5. Modern Love(モダン・ラブ ~今日もNYの街角で~)

1話あたり:29〜35分
1シーズン:全8話

Amazon Original コンテンツです(Netflix派の人ごめん...)。星4.5付いててめちゃくちゃ評価高いじゃん!と気になって視聴したら、全然星5億だったドラマ。アン・ハサウェイや『スラムドッグ・ミリオネア』のデーヴ・パテールなど大物も出演。

【どんなドラマ?】
“思いも寄らない人物との友情。失恋のやり直し。転換期を迎えた結婚生活。デートとは言えないかもしれないデート。型にはまらない形の家族。”

ニューヨーク・タイムズ紙の人気コラム「Modern Love」に実際に投稿されたエッセーに基づき、友情、失恋、家族など、様々な愛のかたちをオムニバス形式で温かく描き出す。

【ここがイイ!】
これは半端じゃないくらい感動で泣ける。一人で見ることをおすすめするくらい泣ける。普通の恋愛ドラマかね〜と若干ナメてたら、マジで嗚咽が止まらなくてテーブルがティッシュの山になった私が言うので本当だ。

一つ一つのストーリーがとにかくユニークなのに、イヤな作りもの感がない。一般人の実際の体験談に基づいているからこそ、ここまで心に刺さるんだろう。ストーリーには酸いも甘いもあるけれど、こんな出来事が起こる人生はある意味羨ましくなるくらいだ。

私のお気に入りは、1話目の「ドアマンと私の間に生まれた友情の話」、それから2話目の「デートアプリの開発者とそれを取材する新聞記者、それぞれの恋の話」で、この2つはすごく泣いた... 3話目のアン・ハサウェイ出演作は双極性障害(躁うつ病)について扱っている。こういった話題をドラマから学べるのもいいね。

『Modern Love』は全8話すべてオムニバス形式で進行し、飽き性には嬉しい1話完結型。どこから視聴してもOKなストーリー構成がありがたい。でも、最終話だけは最後に見て欲しい!バラバラだったはずの1話1話が爽やかに繋がる仕掛けがあり、最高に気持ちいい。

以上、1話30分で見れるおすすめ海外ドラマ5作品を紹介した。『Insecure』や『Barry』は本国でシーズン続投しているようで、飽き性の私も珍しく見たくてウズウズしている。早くAmazon Primeにも来ないかな...

この他にも1話30分程で見れるいい感じのドラマを探してるんだけど、結構探すのが難しい。なので「こんなのあるよ!」って方はぜひ教えてください。

完走できた方はぜひ、感想教えてください。なんてね....

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