見出し画像

-草木染め②- 柿渋づくりと柿渋染め。

秋の長雨が終わり、朝夕はすっかり涼しくなってきました。庭では鈴虫やコオロギが鳴き始め、身近な野山にも秋の草花が目立ちはじめました。

画像1

今日は天気がいいので、柿渋染め。…といっても、ここで書くほど難しいこともなく、ただ柿渋の液に染めたい布を柿渋にどぶ漬するだけです(笑

それでは基本の手ぬぐいを染めてみましょう。今年の秋冬に使う手ぬぐい。

手ぬぐい 2019 Autumn Collection

画像2

丁寧なやり方はいくつかありますが、他の草木染めと違って柿渋染めは媒染なども必要ないのでとてもお手軽です。注意点は①柿渋を入れる容器はポリを使う(金属に反応します)。②お肌が弱い方は手袋などしましょう。③布のしわや汚れ、糊などは色むらの原因になるので落としておきましょう(新品の布は一度洗濯してアイロンしておく)。④最初に染める際は水で布を濡らしておくと色むらになりずらいです。…こんな所かな?

画像3

手ぬぐいなど、どうせ汚れるものは多少の色むらなんて気にせずそのままドボン。草木染めなんて色むらが出来るくらいの方が楽しいもんです(笑

画像4

1回目。布を漬けて、軽く絞ったら干しましょう。この時、パンパンしてシワは伸ばしておきましょう。後は好みの色になるまでこれを繰り返すだけ。

画像5

これが2回目。昼寝した後で頭がぼーっとしてたので、この時点でもう適当ですね(笑 気にせず続けましょう。

画像6

3回目。落ち着いた色になってきたので、この位でいいかな。柿渋は日に当たることで色が変化するので、少し薄めかな?くらいでいいと思います。最後に水洗いして干せば完成です。

…以上が適当な(否、お手軽な)柿渋染めの方法。難しくは無いので、皆さんも試してみて下さい。

で、柿渋は買うと高いので、柿渋の作り方。

ーーーーー

夏、8月の盆頃のお話になっちゃうんですけどね(地域によってはまだ大丈夫なのかな?)。柿渋は柿の渋み成分が豊富な夏の間に仕込んでおきます。基本的な作り方は、青い渋柿を潰して、水に漬けて、絞って、置いとく。です。では作り方。

画像7

柿渋の材料は渋柿ですが、もしお近くにこんな小さい柿があればこれを使って下さい。「豆柿」や「山柿」などと呼ばれるピンポン玉くらいの小さい柿。この辺では「がらぴゅー柿」と呼び、昔から柿渋づくりに利用されてきました。

画像8

がらぴゅーをたくさん集めてきたら、木槌などで潰します。

画像9

これも上記の柿渋染めと同じで、金属に反応して色が変わってしまうので、金の金槌ではなく、木槌やゴムハンマーを使って下さい。ちなみにうちは丸太で潰します。

画像10

柿を潰したら、プラスチックの漬物樽などに入れて、柿が浸かる程度の水を入れます。この時に、水道水はカルキを含むので、カルキ抜きした水を使うか、なるべく山水などの自然の湧き水を使いましょう。

画像11

虫が来ないように蓋をして、1日に一度かき混ぜます。上の写真で3日目位かな?だんたんと水が白く濁って、柿が黒く変色してきます。これを10日から2週間ほど続けましょう。だんたんと柿渋らしいツーンとした匂いがしてきます。

画像12

柿渋らしい匂いがしてきたらザルで漉して、液体の部分だけ別に1年以上保管します。これが柿渋。ちなみに、ザルで漉した柿は同じ方法で二番絞りもとれます。うちの場合、二番絞りは面倒臭いのでザルで越さずに柿は樽に入れっぱなし。あ、最後に大事な事を書き忘れましたが、柿渋づくりは臭いので外でやりましょう(笑

1年以上保存(出来れば3年位)したら、最初の写真のような柿渋になります。樽一杯くらいは簡単に作れるので皆さんも是非。うちは家具に塗ったり、染物したり、何でも使える万能塗料として活用してます。昔は川漁具の網に塗って、水を弾いて網が長持ちするように…なんて用途もありましたね。

でわでわ、また何かつくったらこちらに投稿します。

秋といえば、川ガニ(モクズガニ /山太郎)の季節です。

画像14
画像13