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日常に楽しみを

もう8月が終わる。

なんだか高速で過ぎ去った気がする夏。6日後はもう9月なんて信じられない。光陰矢の如しってこういうときに使うのだろうか。

岸政彦/柴崎友香『大阪』を読み終えた。

個人的な話ってほんとうに面白い。一般化されない個人の視点にどうしても惹かれる。街並みや時代、家族関係や友人関係はまったく存じ上げないけど、1人の人間が生きてきた歴史ってほんとドラマチックだなと思う。

柴崎さんが大阪から東京に引っ越してきて、東京の木の大きさに驚いたという記述がある。ぼくは東京に住んでいるけど、木が大きいなと思ったことは一度もなくて、そういう他者の視点を通して自分が見てきたものをもう一度捉え直すのは楽しい。たしかに東京の木って太いかもしれない。

実際に巨木(幹回り3メートル以上)の本数は47都道府県のなかで東京が1番らしい。

いろんな価値観が自分揺さぶってくれるのが、本を読む醍醐味だ。

あと、最近読んだのはパリッコ『ノスタルジーはスーパーマーケットの2階にある』。

この本はあとがきにも書いてあるが、パリッコさんが「たとえ思いついてもバカらしくて実際には誰もやらないようなことをあえてやってみる行為」をまとめたものだ。

ごはんのおかずになる駄菓子を探してみたり、ホットサンドメーカでいろんなものを焼き固めてみたり、スーパーのオリジナルトートバッグを集めてみたりと、さまざまなことを検証していくのはなんだか楽しそう。

どれも身近ですぐできそうなものばかりで、読んでいると肩の力が抜けていくというか、楽しい気分になった。切り口次第で日常にもまだ楽しみは転がっていることを気付かせてくれる。まさに、日常を楽しむプロだなと。

つらいこともあるけど、楽しむことを忘れず、気楽に生きて行こうと語りかけてくれるような一冊。脱力することもときには大事なのだ。

これはまだ読んでいる最中だが、松村圭一郎+コクヨ野外学習センター・編『働くことの人類学』は面白い。

世界各地の民族の働くこと・仕事に対する価値観を通して、「働く」とはなにかを問い直す一冊で、今後の自分の指針を決めてくれてそうな予感がしています。

本ではないけど、アニメ「オッドタクシー」は傑作です。見てない方がいたらぜひ。Amazonプライムにあります。

今日の東京は久しぶりの猛暑日。

さきほど、本屋で『BRUTUS やさしい気持ち』を買ったので、これを読んでやさしさについて学びます。ああ、夏が終わる。

BRUTUS 本






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