3月に読んだ本、簡単なまとめ。

1、モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 内田洋子

最後のー頁を読み終え、本を読めることがどれだけ幸せなことか、本が自由に読める時代に生きているということがどれだけ恵まれたことか、その尊さを強く噛み締めた。いまは誰でも自由に本が読めて、さまざまな主張を本にして出版することが許されている。けど、それはあたりまえのことではなくて、手に取りやすいかたちと自由な内容の本が生まれたのは、たった500年ほど前のこと。それまで本は大きく、分厚く、重く、華麗な装飾が施され、一部の知識人、富裕層に独占されていた。どこにでも気楽に運べる本になったのは、さほど遠くない過去なのだ。本が読めるって、恵まれていることだ。それは、あたりまえのようで、あたりまえではない。



2、段ボールはたからもの 島津冬樹

新聞の書評欄で見つけ、その瞬間に「これは読まねば」と直感的に思い、手に取った一冊。まさにいま読むべき本だった。とにかく著者の段ボール愛がすごすぎる。好きなものが人を動かす力はすさまじい。普段、段ボールについて考えることはないのだけど(たぶんほとんどの人がそう)、この本を読むと、世界各国の段ボール事情が知れてなかなか面白い。本文に「みんながいらないと思っているものを、みんながほしいものにすることが出来たら、素敵だなと思います」という著者の言葉があるのだが、だいたいの場合、梱包という役目が終わればゴミになってしまう段ボールを、財布につくり変え、新たな価値を持たす、その取り組みはほんとに素晴らしいと思う。段ボールも見方を変えれば、価値のあるものに変わるのだ。



3、表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 若林正恭

エッセイは、その人の視点が知れるから面白い。同じ場所に行っても、感じることや着目する対象は人それぞれだ。著者は、日本とはまるで違うキューバの常識や風景、人間に触れることで、自分という存在に向き合わざるを得なくなる。社会主義国であるキューバのすべては、自分は何者かということを問いかける。観光しながら、資本主義や競争について考えたり、家族とはなにかを考えたり。ときには理不尽なことに怒ったり、体格のいいキューバの人にビビったり。なんとも人間味あふれる旅行記なのだが、この本の肝はやはり後半の展開にある。キューバに旅行することを選んだ、その理由を知ったとき、一緒に追体験してきたキューバの景色はまったく変わることになる。ぜひ、読んで体験してもらいたい。ちなみにぼくはオードリーのオールナイトニッポンを毎週かかさず聴いているのだが、そちらのほうも面白いのでぜひ。





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