快適な時間を求めて

家の中で過ごすことが増えた。

ご時世もあるし、この連日の暑さのせいもある。もともと外へ出歩くタイプではないが、それでも気軽に出かけることが少なくなった気がする。

最近、本を読むペースがまた戻って来た。一時期、まったく読む気がしなくて、ひたすら買うことだけしていたのだが、これで買った本も報われる。

数えたら、順番待ちの本が8冊ほどある。ようやく日の目を見そうだ。

7月に読んだなかだと、キム・ハナ/ファン・ソヌ『女ふたり、暮らしています』、辻山良雄『小さな声、光る棚』、野呂邦暢『愛についてのデッサン』が面白かった。

『女ふたり、暮らしています』は、タイトル通り女性2人の共同生活が描かれたエッセイだ。

従来の家族のかたちに縛られることなく、あらたな家族のかたちが提示されていて、とても興味深かった。

お互いの違いに戸惑いながら、ときにはケンカして、ときには話し合って、ひとつひとつ折り合いをつけながら、暮らしを共にしていく。

ひとりの気楽さもいいけれど、信頼できる人と共同生活を営むのもまた違った喜びがあるんだろうな。そして、なにより楽しそうである。

『愛についてのデッサン』は、感想としてあっているのかわからないけど、落ち着くなぁという印象を持った。

表題作は、古本屋店主の話なのだが、そこにミステリー的な要素も含まれてて、ぐいぐい読めた。どことなく漂う哀愁と人間へのあたたかいまなざしが感じられる文章がいい。

『小さな声、光る棚』は、荻窪にある「Title」という本屋の店主によるエッセイ。ウェブで連載されていたものは毎回見ていたのだが、本になると聞きつけ、荻窪まで行って、購入。

「Title」さん、ほんとうにいい本屋でした。駅からは離れていますが、本好きなら行く価値は十分にあります。ちいさな本屋ですが、店主のこだわりが随所に感じられますし、置かれている本の選書もさることながら、ずっといたいなと思える空間でした。

エッセイでは、仕事に対する誠実さや日々を積み重ねていく大事さを知ることができて、よりファンになりました。

さきほど読んでない本の順番待ちが8冊あるといったが、よく考えたら昨日、図書館で岸政彦/柴崎友香『大阪』と鈴木純『種から種へ 命つながるお野菜の一生』を借りたので、順番待ちは10冊になった。

『種から種へ 命つながるお野菜の一生』、これは面白いです。

いろんな野菜を種から育てて、その生育過程を写真付きで紹介する本で、ニラの花ってこんなかわいい形なんだとか、落花生ってこういう仕組みで実をつけるんだなど、いろんな発見がある。

普段口にしている野菜がどんな風になっているか、考えたことがなかったので楽しい。文章もカジュアルな感じで難しくないし、夏休みの自由研究を思い出して、ワクワクした。

もう8月である。

この夏は、家での生活を快適にすることに心血を注ぎます。


最後まで、読んでくださってありがとうございます!