比古

2014年10月セミリタイア、パタヤでバッカスの盃を飲干す日々に沈む。19年10月完全…

比古

2014年10月セミリタイア、パタヤでバッカスの盃を飲干す日々に沈む。19年10月完全リタイア。ジョムティエンからラヨーン、バンコクと転居を重ねる。 道元、ドストエフスキー、金子光晴、チェーホフ、三島由紀夫が人生の道標であり逍遥の慰み。

最近の記事

コンドミニアム理事会の議長を解任。その時、目の当たりにしたタイ人のプライドの高さ、怒りの沸点の低さ。 

2ヶ月程前、理事会の議長の解任決議を行なった。 彼は小太りでボンボンのような容貌をしており、年齢は40歳前後。理事会発足の席、彼は自ら手を挙げて議長に就いた。著名大学を出て一流会社で働いているとのことだが、私は議長就任当時から彼のアホさ加減に呆然とすることが度々あった。 例えば2023年5月での理事会。 筋トレのマシンを新たに購入するにあたり、現状のマシン配置を変更する必要がある。私はそのレイアウト図面を描いてプランを詳しく説明した。 最後まで黙って聞いていた彼は、 「マシ

    • タイ料理で至福の日々。ソンクランの頃。

      ソンクランは嫌いだ。よって、この期間は一切外出はしない。我が家の中はソンクランの狂騒とは隔絶された平穏な日々が続く。 この二週間程で供された料理を紹介しよう。 名称はタイでの通称と私が勝手につけたものが混在している。 豚と野菜のガチャイ炒め ガチャイは麻薬成分を含んでいるのではないか、と疑うほど食べる度に陶然とした気分にしてくれる。スパイスの帝王。 肉団子と冬瓜のスープ 肉団子はもちろん手作り。大きな干しエビから出る出汁と豚ガラからとったスープがよく合う。 焼きそば 街中

      • シュタルケルのバッハ「無伴奏チェロ組曲」。理想の演奏に出逢う。

        クラシック音楽に於いては、同じ曲でも演奏者や指揮者により全く別物の楽曲となる。 好きな曲ではあるが、では誰の演奏が好きか、と訊かれると答えに窮する曲があり、その曲を聴くたびに隔靴掻痒の思いに囚われる。 例えば、バッハの「無伴奏チェロ組曲」。 名曲であることは論を俟たない。カザルスがこの曲を再発見したのち、多くの演奏家により録音されており、日本人にも人気の高い名曲だ。 しかし私は40年以上前にカザルスの演奏をレコードで聴いて以降、今までにどの演奏を聴いても「何かが違う」との思

        • タイのコンドミニアムで理事に就任して思うこと 

          先日、コンドミニアムの理事会に出席してきた。 理事会には2種類あり、一つは理事のみでおこなわれる理事会、そしてもう一つはこれに管理委託会社やデベロッパーが加わるもの。 それぞれ原則として隔月に開かれるので、理事は毎月理事会に出席することになる。 前者では新しいアイデアの提案やコンドミニアム内で起こる問題点の洗い出しが主に議案となり、後者では出費を伴う案件に関する採決や前者で練られた案件の進行確認、管理会社への引き継ぎ等が行われる。 私が暮らすコンドミニアムは現在多くの問題

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          マムアン・レート。サイのツノを持つマンゴーに淫する。

          マムアン。日本での呼称はマンゴー。 日本では高級果物であるが、タイでは安価で手に入るため、旅行者、在住者問わず人気の高い果物だ。 しかし、特に観光地で旅行者向けの店舗で販売されている品種はほぼ全てと言っても過言ではない程、マムアン・ナムドクマイで占められている。 屋台や大衆店舗では、これにより安価な品種であるマムアン・ゲオカミンが加わる。 2024年3月現在のキロ当たりの価格は、 ナムドクマイ 50バーツ ゲオカミン 30バーツ 程度か。 ナムドクマイは滑らかな肉質が特

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          タイ料理に落ちる。日々の生活の重要なアクセント。

          もちろん日本料理は美味しい。大好きだ。 しかし、日本料理とタイ料理を較べてどちらが好きか、という問いは意味がない。 使う素材が余りに違いすぎるからだ。 日本料理は自然の素材を活かし、素材の旨みを味わう事を本旨とする。 一方、タイ料理においては香辛料は欠かせぬものであり、複数の香辛料と素材が醸し出す味わいが人の味覚を蠱惑し脳を揺さぶる。 顕著な例として大麻がある。大麻解禁により現在様々な社会問題を起こしているタイであるが、はるか昔から一般的な素材として大麻がタイ料理に使われて

          タイ料理に落ちる。日々の生活の重要なアクセント。

          チェーホフの「三年」を読む。不条理と諦観。

          チェーホフはドストエフスキーと並ぶロシア文学の偉才だ。日本では白樺派の影響からか、トルストイの方が人気が高いようだが、トルストイは私にはつまらない作家だ。 チェーホフは学生時代から今に至るまで親しんできたつもりだったが、最近になり長編小説「三年」を初めて読んだ。 全くうっかりしていた。彼の主だった作品は戯曲、小説共に頭の中に入っているつもりでいたが、チェーホフがこんなにも力を入れて書き上げた作品の存在を最近まで知らなかったとは。 岩波文庫、新潮文庫ともに収録されていないの

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          釈迦の四住期に「退廃期」を加えて五住期となす。パタヤでの放逸の5年間を終えて、バンコクで林住期を暮らす今。

          日本に里帰りしていた友人がタイに戻ってきた。 電話で四方山話をしている折に、私の現在の暮らしぶりの話になった。 朝5時半の起床から夜12時の就寝まで、私の生活は読書と音楽、ジムでの筋トレ、水泳を中心に回っている。 母が一緒に暮らすようになってからは、週に少なくとも1回は外出するようにはしているが、ショッピングセンターをぶらついたり、レストランで外食をしてささやかな贅沢をするだけで帰ってくる程度だ。 まあ、我ながら変化に乏しい単調な生活だとは思う。 友人曰く「僕やったら我慢出

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          母のホームシックとセキセイインコ。

          ある朝、「話があるんや」と母が神妙な面持ちで話し始めた。 「何も言わずに私を日本に帰して。我儘言うけどもお願いや。もう耐えられへんねん、、、。」 驚いた。母がこちらに来て、ちょうど1ヶ月。私達は大きな問題もなく、母を迎えることが出来たと喜んでいたからだ。 突然の母の申し出を詳しく問い質していくと、細かい部分で不平・不満が蓄積していたのだと判明した。 一日おきにジムやプールに行く時以外、部屋で何もすることがない。 料理をしたくて食材を買いにスーパーに行っても、日本と勝手が違

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          ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』覚え書き

          リタイアメント後の生活は毎日が日曜日、一日24時間、365日何をやるのも自由。 この自由な時間を持て余す人も多いと聞くが、私はそのような感覚を抱いた事はない。 5時半の起床から11時半の就寝に至るまで、日々の生活は読書が中心に回っており、多くの時間が読書に費やされているが、それでも時間は足りない。 例えばドストエフスキーの著作だけとってみても、その浩瀚な量の作品群を何度となく熟読玩味するのには多大な時間を要する。 私が早期リタイアした理由の一つが、読書の時間を優先したいことに

          ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』覚え書き

          チャオプラヤ河を望む鉄板バター焼きとチムチュム食べ放題の店「ピンヤンヌーイ・パクナム」はわいわいと大勢で食べて良し、ひっそりと夕景を楽しむも良し。

          相方の大学の試験が終わったので、外で食事をすることにした。 目指したのはピンヤンヌーイ・パクナム。コンドから車で15分ほどの距離に位置する、パクナム市場に隣接した鉄板焼きビュッフェスタイルの食堂だ。ただ、よくあるタイ式のムーガタではなく、その名の通り(ピン、ヤンは焼く、ヌーイはバターの意。)鉄板バター焼きで頂く。 3人以上だと炭火コンロを2台供されるので、1台は鉄板バター焼き、もう1台でチムチュム(タイ風寄せ鍋)を同時に楽しむことが出来る。 料金は食べ放題で一人199バーツと

          チャオプラヤ河を望む鉄板バター焼きとチムチュム食べ放題の店「ピンヤンヌーイ・パクナム」はわいわいと大勢で食べて良し、ひっそりと夕景を楽しむも良し。

          海岸沿いの食堂バーン・チットロム。炭火焼きはお勧めしないが料理の味は中々のもの。

          7月8日、イミグレーションで無事に母のリタイアメントビザ(3ヶ月)を取得することが出来た。 受付で前回の領収書を提示すると電子式の番号札を渡される。20分ほどで札が鳴るとほぼ同時に、事務所の奥から母のパスポートを手にした職員が現れた。ビザの内容に間違いがない事を確認する。 銀行口座開設からここまで、小さな問題は色々あったがようやく取得出来た事を喜びたい。 帰り道は海好きな母の為に、少しだけ遠回りをして海岸に向かう。 イミグレーションから20分ほどでバンプーリゾートという名の

          海岸沿いの食堂バーン・チットロム。炭火焼きはお勧めしないが料理の味は中々のもの。

          87歳、母のリタイアメントビザの申請。

          メガ・バンナーから車で約30分、サムット・プラカーンのイミグレーションに着いたのは2時を少し過ぎていた。 イミグレーションの閉局は4時半なので、申請が受理されるギリギリのタイミングだろうか。 私が事前に準備した書類は下記の通り。 ■申請書関連 ・TM.87 ・写真2枚 4×6cm ・申請料 2,000バーツ ■パスポート関連 ・パスポート 母はノービザで入国しており、イミグレーションを訪れたのは滞在15日目、つまりリタイアメントビザ申請の最終期限。 ・パスポートのコピー

          87歳、母のリタイアメントビザの申請。

          リタイアメントビザ取得のためにクルンシー銀行で残高証明書と送金証明書を取得。しかし今日も伏兵が待ち構えていた。

          クルンシー銀行で口座を開設した午後、自宅に戻り楽天銀行からクルンシー銀行宛に送金した。楽天銀行は送金限度額が一日100万円なので二日に分けて送金する。 着金するのは翌々営業日、2回目の着金は母のタイ滞在14日目。15日目までにリタイアメントビザの申請をしなければならないのでギリギリのタイミングとなった。 滞在15日目の朝、残高証明書と海外からの送金証明書を取得する為にクルンシー銀行に向かう。11時、バンナー支店開店と同時に到着。 しかし、今日も簡単に帰らせてはくれなかったク

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          87歳、母のタイ生活が始まる。

          6月初旬にスワンナプーム空港に降り立ち、母のタイ長期滞在が始まってから2週間が過ぎた。 これまでのところは大きな問題もなく、毎日を安穏に過ごしている。 相方は私が最初に母との暮らしを打診した際に表明した 「お母さんは私がお世話をするから!」 との言を違えることなく、毎日献身的に母に尽くしてくれている。 母には同じコンドミニアムの1ベッドルーム35平米の部屋を用意した。 3階以上の部屋で暮らしたことのない母にとっては、人生で初めてとなる「高層マンション」での生活である。 

          87歳、母のタイ生活が始まる。

          タイ人は「真剣」が苦手?

          息子と暮らし始めて1ヶ月、相方との会話でしばしば相方が発する単語に「serious」がある。勿論英単語であるがタイ語に転用され「シーリアット」と発音されて日常会話で使用されている。 私はこの言葉に永らく違和感を感じていた。 相方は常にこの「シーリアット」という単語を否定的な意味で使う。 私が息子に対して、勉強の仕方、これからの人生をどう考えるべきか、日々どう生きるべきなのか、、、等々を折に触れて話をする。 そんな時にしばしば相方から私に発せられる表現が、 ヤーキットシーリアッ

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