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シェアハウスの掃除ってみんなどうしてるの?〜15年目の変化について〜


シェアハウスの代表的な掃除制度

シェアハウス運営をしていると、よく聞かれる質問のひとつに、
「シェアハウスの掃除について」があります。

これは、シェアハウスの管理形態によっても状況は異なってくると思います。

大きく分類すると以下の4つが一般的です。

  1. オーナーがやる(オーナーが同居している場合など)

  2. シェアメイト間で「掃除当番表」を回し、当番制でやる

  3. ハウスマネージャーがやる

  4. 業務清掃が定期的に入っている

シェアハウスの掃除って、やる人やらない人、得意な人苦手な人、そもそも好きな人、全く協力しようとしない人、本当にさまざまです。

そして皆さんも容易に想像がつくのではないかと思いますが、一番シェアハウス内での揉め事のタネになりやすい部分でもあります。

では、上の4つの中で、どれが一番良い管理方法なのでしょうか。

結論からいうと、人数規模や、管理形態によって一番合う方法を決めるのがいいでしょう。

では一つ一つ見ていきましょう。

オーナーがやる(オーナーが同居している場合など)

オーナーとは、皆んなから家賃をもらってシェアメイトたちの生活の満足度を最大化するのが仕事です。そのため、面倒なことは率先してやることが多いです。
その代表例が掃除やゴミ出しです。
所有にしろ賃貸にしろ、自分の責任で清潔に維持管理する必要があり、シェアメイトたちに面倒をかけて退去されるより、いくら自分も面倒といえど、仕事としてやることになります。
そして結果的にこれが一番、トラブルになりにくい管理方法です。
わたしが1棟目のシェアハウスを運営している時はこれでした。(※わたしはそもそも掃除は得意ではありません。)
しかしこれも、規模が大きくなるほど一人では出来なくなります。

みんなで掃除当番表を回す「当番制」

これは10人以下の小規模シェアハウスでは多い形態ではないかと思います。
そして、わたしの運営するシェアライフ富山のシェアハウスでも、長年この形態をとっています。
「掃除当番表を回す」とはどのようなことでしょうか。
簡単にいうと、小学校のそうじ当番表のように、キッチン、リビング、風呂、トイレ、ゴミ出し、といった場所別ルーレットと、担当者名を書いた名前ルーレットを重ねあわせ、週に1回ローテーションを回すと言うものです。
これを大の大人たちがやっているのです笑
しかしこれが実はバカに出来ないほど、「コミュニケーションツール」にもなっているんですよね。
例えばゴミ出しがどうしても出来ないAさんがその週だけBさんに「来週出張だから、ゴミ出し代わってくれない??お土産に〇〇のシュークリーム買ってくるからさ〜」のように、掃除当番表きっかけに会話が生まれたりするのです。
わたしが運営しているコミュニティー型シェアハウスでは、トラブルの根底にある原因のほとんどは”コミュニケーション不足”です。
どのようにハウス内でシェアメイト同士のコミュニケーションを促進するか、は運営者として最大の課題といえます。

ハウスマネージャーがやる

これも、オーナーがやるのと同じ効果があります。
報酬を支払って任命したシェアメイトの一人が掃除をすることで、他のシェアメイトの負担は少なくなり、マネージャーも仕事としてやるので不満はありません。
しかし、オーナーがやるのと少しだけ異なる点があります。
オーナーにとって最大の目的は、シェアメイトたちの暮らしの満足度最大化であり、入居者全員の心理を常に考えています。
一方、雇われて仕事としてやっているハウスマネージャーはそうはいきません。
報酬が業務負担と見合っているか、自分が綺麗にした部屋を何も考えずに汚して回るシェアメイトがいたら、どこまで我慢できるか。
また整理整頓や片付けをオーナーの意思に反してシェアメイトたちに過剰に押し付けてしまわないか、などもオーナーとしては注意が必要です。

定期的な業務清掃を入れる

これは人数規模の大きなシェアハウスに最適です。
人数規模が大きくなればなるほど、掃除当番表ではどうにもならなくなります。
逆に小規模シェアハウスでは、清掃を外注すると収支的に合わないことも多いです。
しかし、実際はこれが一番シェアメイトたちにとっては満足度が高いと言えるでしょう。
あくまで外部の清掃員なので、決められたタイミングで、汚れた室内を綺麗にして帰るだけです。
普段のシェアメイトたちの生活が目について腹を立てることもありません。

このように、わたしの運営するシェアハウスでも、長い間シェアメイトたちで掃除当番を回していましたが、近年では各ハウスに定期業務清掃を入れています。
合間の期間ではみんなで協力して使用した箇所をきれいに保ってもらうようお願いしていますが、週に1度はちゃんと綺麗に戻ります。

以上がそれぞれの掃除体制における違いでした。

近年の変化について

ちなみに、一昔前は、掃除当番表でみんな仲良く(苦手な人もそこまで怒られることなく)暮らしていたシェアハウスが、なぜ近年ではこうも掃除が原因のトラブルが増えたのでしょうか。

わたしの想像ですが、それだけ世の中でシェアハウスというライフスタイルが浸透したのかなと思います。
昔はシェアハウスに住むような物好きは、ちょっとやそっとのことは笑って済ませ、楽しければ細かいことは気にならないコミュニケーション能力の高い人たちの生活でした。
しかし一般に広まるにつれ、シェアハウスに興味を持つ人の幅も広がり、反面、我慢ができる(気にしない)人たちの割合が減りました。

シェアハウスというライフスタイルが広まること自体はいいことなので、シェアメイトたちの暮らしの質向上のため、管理運営の仕方も時代に応じた変化が求められるのだと思っています。

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