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妻と妊娠を強く意識した子作りをした話

不妊治療が必要な新婚夫婦が妊娠を強く意識した子作りを行った結果、妻が妊娠に至った話です。

本文の前に、将来こどもがほしい人たちへメッセージ

  • 精液検査をしてください(男性)

  • 婦人科に行ってください(女性)

  • 風疹の抗体検査を受けてください(女性)

    • ワクチン接種が必要な場合、2ヶ月間の避妊が必要です。新婚夫婦に2ヶ月間の避妊はしんどいです

将来子供がほしい人は結婚の予定がなくても早めにブライダルチェック(とても便利な言葉)をしてください。自分の妊孕力(妊娠する・させる能力)を知ることは残酷な結果を知ることになるかもしれませんが、将来のトラブルを事前に回避できる可能性を大いに秘めています。とにかく早めの対応が大事です。

しかし、心配しすぎないでください。僕も精液の質が WHO の基準値以下でしたが、妻を妊娠させることができました。

はじめに

妻に多嚢胞性卵巣症候群、僕に基準値以下の精子濃度という、互いの身体に不妊の要素がある新婚夫婦です。入籍直前に妊活を始め、約 11 ヶ月間、計 73 回の膣内射精を経て妻が妊娠しました。

本記事では、はじめに我々の不妊治療と妊娠に至った経緯を簡単に紹介します。次に入籍から妊娠までを時系列で振り返ります。最後に、参考までに我々の価値観を書いています。


プロフィール

  • 妻 1995 年生まれ 理系 会社員

    • 多嚢胞性卵巣症候群

  • 夫 1994 年生まれ 理系 会社員

    • 精索静脈瘤(手術に効果なし)

    • 精液(妊娠後)

      • 液量 3.8 mL

      • 濃度 300万 / mL

      • 運動率 35 %

  • 付き合い始め 2015 年

  • 不妊治療開始 2022 年 8 月

  • 入籍 2022 年 9 月

  • 妊娠 2023 年 6 月

不妊治療の概要

妻には入籍前から多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が判明していました。具体的には生理周期が不規則で、特に間隔が長いです。基礎体温などから推測するに、排卵も2回に1回起きるか起きないかというような感じでした。PCOS には有効な治療法がないようです。温経湯(ウンケイトウ)などの漢方療法を試しましたが効果はありませんでした。入籍に先立って、風疹ワクチン接種と基礎体温をつけはじめました。また、不妊治療を始めるにあたって多嚢胞性卵巣症候群以外の不妊要素がないかスクリーニング検査を行いました。

僕(夫)の方は精液の質が WHO の基準を下回っていますが、人工授精であれば十分受精が期待できるという状況です。精子数の少なさは原因不明です。おそらく先天的なものと思われます。検査で精索静脈瘤と診断され、手術で治療しましたが効果はありませんでした。また、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)やビタミン剤の薬物療法も効果はありませんでした。

以上をふまえ、我々は人工授精から不妊治療を開始しました。僕の理解での不妊治療のステップはざっくりと以下の3ステップあります。

  1. タイミング法(妻の排卵前を見極めてセックス)

  2. 人工授精(膣に濃縮精液をシリンジで注入)

  3. 体外受精(卵を体外に取り出し、受精させてから子宮に移植)

人工授精をするにあたって、妻はいくつか検査を行いました。その最中で妻は妊娠に至りました。

受精したタイミングは、妻がクロミッド錠と呼ばれる排卵誘発剤を飲んだ後でした。その周期の前半で妻が体調を崩していたので検査は中断していましたが、排卵はされていました。その間、タイミングは特に意識せず通常のセックスを行っていましたが、偶然、そのうちの一回が排卵のタイミングに合っていて妊娠しました。

不妊治療関係なく、僕は妊娠を強く意識した新婚生活を送っていましたので、妻には入籍後に合計73回(平均4日に1回)膣内射精していました。このことが功を奏したと思っています。健康なカップルであれば排卵前の1回の行為で30%が妊娠するそうです。我々は回数で勝ったと思っています。

皆様に希望を与えることができたと思いますが、運が良かったことも事実です。2人目以降は迷わず不妊治療からスタートする予定です。

費用(ざっくりと)

妻側は数万円で済んでいます。夫側は合計23万円ほどかかりました。殆どが手術費用で、特に選定療養費(先生を独占するお金)がかかるクリニックに通っていたので高めです。精液検査も3回行いましたが、毎回1万円を超えます。しかし、僕は妻を妊娠させることが最優先だったので、あまりお金のことは気にしませんでした。

妻が妊娠に至るまで

妻の多嚢胞性卵巣症候群

妻には学生時代に低用量ピルを服用してもらっていた時期があり、処方してもらった婦人科で多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の疑いがあると診断されていました。妻は昔から生理不順で、ルナルナとかが全く当てにならないような身体でした。基本的には生理周期が長くて、ようやく来た月経も経血がしっかりしている時とそうでない時がはっきりしてました。

先生からは、将来不妊治療が必要になる可能性が高いと言われていて、妻は時折そのことに関して落ち込むことがありました。僕はその度に PCOS について調べ、結婚までに少しずつ理解を深めていきました。

自分の精子数の少なさ

入籍する一ヶ月前、ついに始まる夫婦生活が楽しみで仕方ありませんでした。入籍したらすぐに子作りを始めようと話し合っていました。不妊治療が必要になりそうだというざっくりとした感覚がありましたが、妻がいくら頑張っても精子がだめなら意味がないので、自分も手軽に確認できるテンガメンズルーペで観察してみました。すると、見本動画のうじゃうじゃと大量の動く精子には程遠い様子が確認できました。まだ20代で性欲も強くドバドバ射精するし、健康には自信があって父も平均以上に子供を作っていたので、自分の精子は元気に違いないと勝手に思い込んでいました。そのため、その結果にはなかなかショックでした。しかし、元気に動く精子が少しでもいただけありがたいと思い、また、妻の気持ちをより理解できた気がしました。すぐさま自分も男性不妊のクリニックを受診することにしました。

子作りの前倒し

妻も最寄りのクリニックに通い始め、正式に多嚢胞性卵巣症候群を診断してもらい、血液検査や風疹の抗体検査も行いました。また、僕が婦人体温計を買いに行き、基礎体温もこの頃から計り始めました。

自分たちの妊孕力の低さを知り、少し焦ったかもしれません。早ければ早いほど良いと思い、入籍を待たずに避妊を解除することにしました。妻の風疹抗体検査結果を待つべきでしたが、過去に2回接種した裏が取れたので OK としました。

少し話が逸れますが、僕は初めての避妊なしのセックスを神聖視していました。夫婦にしか許されない社会公認の生殖行為。7年寄り添った彼女とようやくコンドームを隔てずに触れ合える行為。今までのセックスよりも明らかに精神的な満足感が大きかったです。あまりの興奮に、かなりの量の精液を漏れるように射精したことをよく覚えています。実際に妻も、膣奥で射精されたと認識できたセックスは、この時と入籍前夜のセックス2回だけと言っています。

精索静脈瘤

男性不妊クリニックで触診とエコー検査をしてもらったところ、精索静脈瘤と診断されました。男性不妊の原因の一つで、手術で治せるという話を聞き、少しホッとしました。その後の精液検査で精子の数が少ないことが正式に判明し、精索静脈瘤が原因である可能性が高いと言われました。手術を強く進められたので喜んで承諾しました。

このタイミングで、実は小さい頃に精索水瘤の手術をしていたことが判明しました。

入籍・妻の風疹ワクチン接種

妻の風疹抗体価が低いことが判明しワクチンを摂取しました。過去に2回ワクチン接種していたにもかかわらず抗体価が低いのはかなり珍しいらしいです。そのため2ヶ月間の避妊が必要になりました。新婚夫婦に避妊期間2ヶ月はかなりしんどかったです。さすがに入籍日前夜に1度だけ避妊せずにセックスをしてしまいました。

精索静脈瘤の手術

部分麻酔の日帰り手術でした。陰囊からずるずると血管が引きずり出される感覚が気持ち悪かったですが、子作りのためならなんともありませんでした。お医者さんや看護師さんと手術中ずっと喋っている(おそらく気を紛らわすため)という不思議な体験でした。

手術の結果と次のステップの説明

精索静脈瘤の手術から3ヶ月後に再び精液検査を行いました。残念ながら精子の質は改善しませんでした。事前にテンガメンズルーペで確認していたので心の準備はできていましたが、まあまあショックでした。やはり過去の手術歴(精索水瘤)なども考えると、先天的に精子が少ない可能性があるらしいとも言われました。

ということで、妻の PCOS と合わせると自然妊娠は難しいと判断していただき、体外受精を勧められました。体外受精は不妊治療のステップでは割と後半の選択肢になります。僕の方はこれと並行して、多少効果が見込める薬物療法や運動療法を3ヶ月行ってみて、もう一度精液検査を受けることになりました。

二人で通える不妊治療クリニックへ

今まで夫婦別々のクリニックに通っていましたが、体外受精などが行える別のクリニックに二人で通うことにしました。

初診で言われたことは、確かに二人とも不妊の要素はあるけど、年齢的にそこまで急ぐ必要はないと説明されました。そこで、ステップ2の人工授精を勧められ、妻の各種検査がはじまりました。結構な数の検査があり驚きました。また「生理周期のどこどこのタイミングで来てください」みたいな検査が多くて、生理不順の妻にはなかなか難しそうでした。

妻の妊娠発覚

妻の検査と同時に進めていた排卵誘発剤(クロミッド錠)の服用に効果があったと思われます。妊娠検査薬が陽性になりました。特に狙ったわけではなく、たまたま排卵前のタイミングで膣内射精が実施できていました。

後日、出血があったためクリニックを受診したところ、しっかり胎嚢が確認できました。発狂するほど嬉しかったです。とにかく自分たちがヒトとして機能できたことに感動しました。そして、手を合わせたお地蔵様と、現代科学のありがたさを痛感しました。

精液検査と妊娠報告

妊娠検査薬陽性から数日後にちょうど僕のクリニックでの精液検査がありました。相変わらず僕の精液に変化は無かったのですが、先生に妻の妊娠検査薬陽性を伝えたところ「キタ!」と言ってもらえました。妻が 20 代だと時々そういうことが起こるらしいです。奇跡に近いと言ってもらえました。また、二人目以降は積極的に不妊治療からはじめてくださいとも言われました。こうして、僕の男性不妊クリニックは一旦卒業となりました。

その後

心拍まで確認でき両親にも報告しました。妻はつわりで一時期大変そうでした。妊娠して良かったと何としてでも思ってもらうために、家事はほとんど僕が引き受けています。役場に妊娠届を出し、色々な書類をもらいました。ただただ無事に育つことを祈るばかりです。

価値観

以下は補足の情報です。

お金

共働きしています。基本的には割り勘です。家賃だけ給料に応じた重み付けをしてます(僕のほうが少し払っている)。個人の趣味の費用などはそれぞれが払います。ブランド物とかはほぼ買わないです。服もかなり費用は少ないです。食費や旅行などには平均以上に費用がかかっていると思います。あまり友達はいないので交際費は少ないです。投資信託などの投資も積極的に行っています。

貞操

妻は不倫は一切許さないという考えを貫いています。僕は生殖欲求が強く、なるべくたくさん子孫を残したいという思想を以前持っていました。精子提供を妻に相談するほどです。もちろん妻は許さないので喧嘩になりました。妻は「私以外の人とセックスしたかった?」「女子高生とセックスできたら嬉しい?」みたいな質問を普通にしてくるくらい、このあたりは何度か喧嘩しながら話し合いました。

現在は、妻以外を妊娠させる欲求は完全になくなりました。しかし、色々な人とセックスをしてみたいという欲求は無いというと嘘になります。これについては妻にも言いました。現実的には僕にそんなことをする勇気はないです。

結婚

僕にとって結婚とは妻との生殖の自由を得ることだと思っています。そのため、結婚して子作りをすることには非常に重要な意味があります。

妻とは大学時代から付き合いはじめ、お互いに初めての彼氏彼女でした。僕はそのまま結婚するつもりでいましたが、ずるずるとタイミングを伸ばしてしまい、就職後の同棲2年目に妻がきりだしてくれたおかげで結婚できました。そのきっかけは妻の友人の結婚でした。

子供

お互い子供がほしいという話は学生時代からしていました。結婚したらすぐに子作りを開始しようということは、結婚半年前くらいから話をしていたと思います。僕はヒトとして子孫を残すことをかなり重要視しているので、妻を妊娠させて子供を育て上げることが人生の最優先事項になっています。特に妻にプロポーズをしたあとから、妻を妊娠させる欲求がかなり強くなりました。一方の妻は、今の日本に子供を誕生させるのは少しかわいそうだ、という考えももっていましたが、妊娠してからはその心配は小さくなったようです。

セックス・スキンシップ

お互いの身体のことに関しては何も隠さずオープンにしています。不妊治療の診察は必ず2人で行き、結果などもお互い共有しています。体重や基礎体温などのデータも共有し、妻の生理周期は把握しています。僕が生理用品を買うこともあります。

夫婦のセックスの重要性については結婚前からよく話題になります。妻は性欲が強いと自白しており、からだの相性は将来的にも重要だという考えを結婚前から持っていました。自分も性欲が強く、妻とセックスできないときは毎日1回以上自慰行為をします。旅行先や実家帰省時でも必ずセックスし、お互いが夫婦になったということを自宅以外でも常に確かめあっています。旅行に行く場合は必ずダブルベッドにします。われわれはセックスの有無をかなり重要視しています。

スキンシップは多いと思います。同棲する前から毎日お風呂に一緒に入っていました(現在はお互いの身体に慣れてしまうのを恐れて自粛しています)。プライベートな空間であれば、いつでも妻は身体のどこでも触らせてくれますし、僕の身体も同様です。


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