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限界を知って更新する


テーマ設定の方法

 第二作目を作るにあたり、一作目の方法論を踏襲している。書き上げることに関しては成功したからだ。

 次の制作期間は、推敲完了を含めて四ヶ月と設定している。初めの一ヶ月はテーマ設定というか、四ヶ月という時間のなかで私が追いかける問いを設定するための時間に充てている。

 テーマ設定とは出発点であり枠組みであると思っている。すでに知っていることだけを書くのではなく、書き上がった時には知らなかったことがある程度体系化されている状態を目指す。

 このテーマ設定に悩む方を見受けるが、私もこれを一週間とかでやれと言われたら多分無理だと思う。二週間でなんとなく外殻が掴めるかもしれないが、自信が持ちきれないだろう。無理だとわかっているから、どうせなら時間をかけてやろうというわけだ。なんせその後の数ヶ月、そのテーマと向き合い続けなければならないのだから。かと言っていつまでもテーマを求めて彷徨っていても意識が拡散してしまうというか。創造を広げるためのゆとりと、物語を書き上げる緊張感の中で許される時間は、自分では一ヶ月だと踏んでいる。

知熱

 先週はテーマ設定のための資料を読む予定を組んでいた。おそらくこの本にはテーマ設定に関するヒントが収められているだろうと踏んだ一般向け学術書があり、学術書に挑むために、入門的な書籍を先に読み始めた。

 その日、午前中は五時間ほど書き物をして、その後図書館に移動し、やはり五時間くらい本を読んだ。1日で読みきれそうだったので余計に無理やり集中した。

 結果、四時間を過ぎる頃から身体中が火照り始め、頭が真っ白になった。あと十ページほどで読了というところで、どうしても集中できなくなって、ふらふらと家に帰り、ご飯を食べながら読み切った。

 次の日は一日中だるくて熱が引かなかった。続く数日は目が痙攣して気が散るようになってしまった。

 結論としては、自分は1日10時間集中することができないことがわかった。在職中は10時間どころか、朝起きてから夜中まで働き続けていた。それに第一作めでもそれなりに書き飛ばしていた気がするので行けると思っていたのだがだめだった。おそらくその時不調をきたした体が、まだ完全に治ってないのかもしれない。第一作目の疲れも完全に抜けていないのだろう。

 仕事とはちがって、好きなことをしているんだから時間なんて関係ないと思っていたけれどそんなことはなかった。一定以上がんばったらスーパーサイヤ人状態になるかなと思っていたが、そんな状態はついに訪れなかった。体が休止サインを出した。

 人間の労働時間というか、拘束時間は昼休憩含め8時間ほどと設定されているのは、理というか、公衆衛生にかなっているのかもしれない。QUORAで見かけた記事で、ある人は1日に集中する時間は4時間と定め、あとは流してできる仕事をして温存しているらしい。

 この4時間というのは、多いのか少ないのか。熱中したら時間を忘れる人には物足りないような気もする。

 在職中、私は仕事をしすぎてぎっくり腰になった。リモートワークだったので、腰に良さそうな椅子を買って仕事を続けるうちに、目や頭が痛くなった。それもやり過ごしているうちについに眠れなくなった。

 それでわかったのは、休養とは、ただ体を休めるということ意外にやるべきことはないかもしれない、ということだ。

 何をそんな当たり前のことを、と思われるかもしれない。

 ただ私は、自分を慰めるため、質の良い睡眠を得るためとか言って、睡眠の周りにヨガとか、効果的な入浴法とか、瞑想とか、散歩とか、サプリメントとか、物事の考え方とかを置いていき、それでいっぱいいっぱいになってしまう人間だ。基本はあくまで休むということであるのに。

それでも限界がくせになっている

 徹底的に体を壊してしまうと、影響は数ヶ月から数年に及んでしまう。やりかけたことを中断せざるを得なくなるし、チャンスも取り逃がしてしまうのでおすすめしない。しかしやり切ったと言えるレベルを何度も積み重ねていくことで、自分の能力を底上げしていけるというのは、実感としてある。

 ある意味限界に来たとわかったのは嬉しい。実際熱が引いた後は、本当に取り組みたかった本から受ける示唆もクリアになったような気がする。

 いつかはこの限界の感覚を使いこなして、走りながら考え、適度に休んでリカバリーするという、自分なりのスタイルを作り上げたいが、あるいは徹底的に詰め込んで、一回倒れて、3、4日ゆっくりしてまた立ち上がる、というのが私のスタイルなのだろうか?


 何者でもないアラフォー女性が、35万文字の物語を完成させるためにやった全努力をマガジンにまとめています。少しでも面白いと思っていただけたら、スキ&フォローを頂けますと嬉しいです。


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