【基本的生活習慣特集2】着脱について

今回は「着脱」についてお話します。

着脱とは衣服を脱いだり来たりするです。これは乳児期からの意識づけが必要です。学齢期には関係無いと思う方もいるかもしれませんが、プール学習時に1人で着替えが出来なかったというのも聞かれました。保育園では午睡前にパジャマに着替える所がありますが、幼稚園ではあまり機会が設けにくいというのもあると思います。

当たり前に覚えると思っても、なかなかこちらも意識しないと困り間には気づきません。

まずは0~6歳の発達を学びます。

<着脱に関わる発達の目安>
※おおよそです。

6か月
 袖やズボンに手を通すと自分から手を出そうとする。

8か月
靴下を引っ張って自分で脱ぐ。

10か月
だいたいの自分のものがわかるようになってくる。
自分の頭を服から出したり、腕を出す等出来るようになり仕上げだけが必要なことが増える。靴下は自分で履けるようになる。

1歳
自我が強くなり、自分でやろうとする様子が増える。
自分で靴を履く。(スリッポンやテープのもの)
靴下を自分で履く。

1歳3か月
脱ぐことも挑戦する。ズボンは自分で脱ぎ着するも仕上げは必要。

1歳6か月
チャックはつまんで上げ下げできるがまだ、左右の手を分離して使えないためつけるのは難しい。

2歳
服へのこだわりも見られる。
自立意識が高まり、手伝いも嫌がる。
ボタンを自分でしようとする。
ズボンを自分で履く。

2歳6か月
声がけをすると後ろ・前の向きを意識するようになる。
服を畳むという習慣もこのころから声掛けすると真似してする。
Tシャツは自分で着れるようになる。

3歳
チャックをしようとする。
冬服(厚い生地)も自分で着脱する。

3歳6か月
つなぎ、手袋(ミトン)を自分で着らる。
ボタン・チャックを自分でする。

4歳
スパッツのようなタイトなデザインも履ける。
綺麗に服を畳もうとする。
着脱の仕上げが減る。
インナーを自分でしまう。
グローブ、ブーツを自分で履く。

5歳
温度に合わせて着脱する。
小さいボタンも自分で行う。
玉結びをする。

6歳
蝶々結びを行う。

画像1

着脱を上達させるための大人の配慮

・ワンサイズ大き目を選びましょう。
まだ頭の大きい子どもには脱ぎ着しやすくなります。

・ボタンは大き目・少な目にしましょう。
「できた」という成功経験が上達のカギです。スナップボタンの方が難易度が低いです。

・柔らかい生地にしましょう。
硬くて伸びないと扱いがなかなか難しいです。

・ロンパース、オーバーオールなどはお手伝い有り気前提で着ましょう。
子どもだけで着るのはまず無理でしょう。お家の方とのお出かけの時の特別にしてもらうといいですね!

・股上の深いズボン、足のくるぶしまである靴等履きやすさ、動きやすさを重視したものを選びましょう。
何度も履きなおすものは遊びの集中も阻害されます。テープが着いているとサイズ調節がしやすいです。

・着脱をしようとした気持ちを認める心の余裕をもって関わりましょう。
結果ばかりを評価するともうやらない!と意欲を阻害します。時間に余裕を持ってスケジュールを設定しておくだけでも気持ちが変わります。

・普段の遊びから肩の動きをしなやかにさせたり、片足立ちをしたり身体を使った遊びを十分に行うことを意識しましょう。
普段の身体の使い方が着脱に大きく影響します。お絵描きで肩を視点としてグルグル絵を描く等も着脱に繋がる動作です。



意外と意識する場所が多いなぁ…と思った方もいるのではないでしょうか?乳児期のおててがでた〜と言うだけでも着脱が遊びになります。子どもにとっては生活が遊びです。少し声がけの仕方を遊びのようにするだけでも、ノリ気になってくれますよ。

お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。