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自信は挑戦と行動の結果である


 私が人生でもっとも多く体験したい感情もしくは感覚というのは、「集中」そして「フロー」なのである、ということに気がついた。

 「フロー」というのは、ある行為に集中力が極限まで研ぎ澄まされている状態。
注意散漫さは消失
「時間の経過と自我の感覚を失う
自分自身の行動をコントロールできているという感覚
「世界との一体感」

 心理学者のM .チクセントミハイによると、これがフローという体験である。なんかよく分からんけど、とりあえずすげー体験であることだけは分かる。

 フローは、ちょうど自分のスキルと釣り合った課題に挑戦している時に生じる。これにより人は大きな充実感を得るのだと言う。

 何となくだけど、「フロー」は「集中」の上位互換なんかなって思う。

 人間が感じるポジティブな感情には、「楽しさ」「幸福」「リラックス(くつろぎ)」「穏やかさ」「精神的余裕」「安心感」などいろいろあるけど、私にとっては、こういういわゆる「心地よさ」だけでは物足りず、挑戦による「集中」や「フロー」が必要だな、と思っている。

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 現代人には、「自尊感情を高めたい」と思っている人が多いようだけども(かつては私もその一人だった)、これは挑戦(フロー)のなさみたいなことも影響しているんかな、と思ったりする。

 実は私、臨床心理士でありながら、「自尊感情」って何なのかいまだによく分かっていないのだが(爆)、まあとりあえず「みんな自分に自信持ちたいんやろなー」くらいでざっくりと理解している。

 分かるわ、私も自分に自信持ちたいもん。そのために私はこれまでいろいろ勉強したり試してきた。

 が、自尊感情を高めたい(自信を持ちたい)なら、ただ本を読むとか、頭の中だけで感情をコントロールしようとしたり考え方を変えようとするだけはほとんど効果がないと言っていい。

 まずは、やりたいこと(憧れていること)ややった方がいいと思っていることに挑戦し、行動を起こすこと。そして「自分の行動の結果、何らかのよい変化をもたらすことができた」という体験が必須である。

 この「自分で自分をコントロールできる」という状態を、心理学では「自己効力感」とも言うが、これは人生において最も満足感や自信をもたらす感覚の一つである。

 でもそれは一方で、ある程度の熟達とスキルの獲得が必要であり、一筋縄ではいかない。そこに至るまでに「自分の行動をうまくコントロールできない」期間というのが必ず存在する。新しいことに挑戦したはいいが、すぐに打ちのめされ、いったん自信が地に落ちる過程というのを必ず経験しなければならない

 上達したり成果が出るのには相応のエネルギーと時間がかかる。この苦痛でまったく楽しくない過程を乗り越えなければ自信なんて手に入らない。

 私なんかスノーボードをもう5年以上やってるけど、自信なんてないもんな。やっと今年になって少し手応え出てきたかな、くらいで。

 みんなこの苦しい期間を乗り越えられないから、買い物とかネットサーフィンとか、簡単に快楽が手に入る娯楽に走っちゃうんだって。それでまた普段の生活に戻って、「はあ。私ってなんでいつもこう自信ないんやろう」を繰り返すことになる。私はこれすごいよく分かるんだ。よくなってたから。

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 成果が出るまでは苦しいし楽しくないのが当たり前で、それでもとにかく続けるから成果は出る。そうやって自分が行動を続けた結果、気づいたら自信ってついているものだと思う。

 自信はあくまで自分の行動の結果であって、他人からもらうものじゃない。自信を持ちたいならとにかく挑戦し、自分で掴みに行くしかないのだ。

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参考図書 
M .チクセントミハイ著 大森弘監訳 2020「フロー体験入門 楽しみと創造の心理学」世界思想社
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