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本の思い出

あんびるやすこ先生の原画展に向かった。
やってること自体を知らなかったが街のアーケードにかかったポスターが目に入り懐かしい気持ちでいっぱいになり、ついそのまま向かってしまった。

私は小学生時代虐められていた。
親の離婚と再婚をきっかけに転校することになったのだが、そこはあまりいい場所ではなかった。
少し都会に移動しただけで遊び場や校舎は大きかったが図書室は狭く治安も悪い。
警察が学校に来たこともあるような場所で元々平和な学校で過ごしていた私は当たり前だが馴染むことは出来なかった。

友達だと思っていた人でさえも水をぶっかけてきたり、クラスメイトにはボール投げの的にされていた。
そんな中でも不登校にならず登校できたのは本があったからだった。
元々引っ込み思案な性格で本は好きだったが、その時は極限だったこともあり本は友達のように大切で毎日時間があれば読んでいた。

図書室にあった本で特に好きだったものがある。
【世界の美しい図書館】という名前の物だった。
いつかこんな大きな図書館に行きたいな、私の好きな本はあるだろうか?日本語の本あるかな?英語を私が勉強すればいいんだ!
そんなことを考えながら図書室に行くために学校に通っていた。

今日行ったあんびるやすこ先生の原画展。
幼少期に図書館に行き沢山借りて毎日読んでいたのを思い出す。
きっと生まれた時から本や読書というものは大好きだったのだろう。
可愛い絵柄と優しい物語に囲まれてきっととても幸せだったんだろうな。
昔、これを読ませてくれて親に心から感謝する。

とある動画が流れていた。
先生のインタビューのような物だった。
そこでびっくりするほど心を惹かれた言葉がある。

『読書の習慣を身につけるのは、100人の友だちを作るのと同じくらいのきき目があると私は思っています。』

きっとあの頃の私が友達がいなくても学校に向かうことができた理由はこれなのだろう。
心のどこかで腑に落ちた気がした。

原画展を見ながら涙が溢れてしまい少し俯き気味だったが、下には猫の足跡があった。
どの作品の猫なのかは分からないがどこまでも優しく美しい。

きっと本物の魔女なんだろうな。

最近はあまり本を読めてなかった。
でも先生がまた新しい本で会いましょうと仰っているのを聞いたらどうしようもなく本を読みたくなってしまう。

スケッチブックと紅茶を買った。
あと本を買ってゆっくりと休日を過ごそうか。

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