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「幸せな結婚生活」のはじめかた


多くの昭和の家庭がそうであるように、私の生まれ育った家では、前時代的な夫婦・家族関係が幅を利かせていた。

父親は稼いで家族を養うのがあたりまえで、母親は家事を完ぺきにこなしてあたりまえ。それ以外の両親の存在意義などないにひとしい。誰も今さら異を唱えるはずもない、そんな家だった。

自分が育った家庭のあり方に疑問を持つこともなかった私。その感覚をガラッと変えたのが、Aの家族との出会いだった。


「結婚とはこうあるべき」という幻想に縛られて


今思えば、お見合い結婚で恋愛経験皆無の母親から「女はこうあるべき」「結婚とはこうあるべき」と教えられることのおかしさよ。

「べき」「べき」言いながら不満をベッタリと顔にはり付けてごしごし床をみがく、そんな母親のいうとおりにやっていたら、結婚生活自体はなんとかなっても、決して幸せになどはなれはしない。


私の家では、洗濯物を母が取り込んだら、すみやかに近くに座って隅をキッチリと合わせてたたみ、たたみ終わったらなにを置いても、すみやかにタンスにキレイに片づけることが必須とされた。

洗濯物をたたんで片づけることは、なにより優先された。たとえ宿題の難しい数式を解きかかっているという、子どもにとってはのっぴきならない重要な時間であっても。手を止めるのはあたりまえ。

座ってたたんで片づける手順のどれか一つでも抜けたら、矢のような母の罵倒が飛んでくる。

洗濯物以外でも「女だから」と役割を決められ、完ぺきにこなすことを要求される。当時は疑問にも思わず、そういうものだと思っていた。

今は思う。家庭において、本当にそんなことが必要だろうか?

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