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123 / 電車の中で

電車では基本座らないようにしている。
以前はよく座っていた。でもこう思った。
座れるか座れないかの2択で、座れない時に少しがっかりするくらいなら、最初から電車では座らないルールにしておけばいいのではないか。

そうすれば、電車では座らないのが当たり前になるから、精神的にブレない。し、少しだけダイエットになる。そんな気がする。

なにより、男の自分が座って女性が目の前に立っているという状況は男としてどうなのかと、こんな自分でも思ってしまう。ぼくは決して紳士などではないけれど、たまに乗る電車の中くらい、紳士ぶってみたいものだ。

というわけで今日も、席を立って“星の王子様”を読み進めた。電車に乗る時は必ず本を持って行く。よく音楽を聴いていたりYouTubeを見たりしていたけど、アナウンスが聞こえず乗り過ごすことが多々あったので、おとなしく読書をすることにした。

スマホではなく本を読むのは、見渡せばスマホをいじっている“一般の人”と自分は同じではない、自分は何か特別な人間でいたいといういじけた少年心でもある。。

30分ほど電車に乗ると、一斉に人が降り始め、席がガラッと空いた。これぐらい空席になると、初めてぼくは席に座る。

すると目の前の席に、メガネをかけた優しそうな外国人の男性が座った。あれ、確かこの人おれと一緒に電車乗った人だ。

席に座ろうと思えば座れるタイミングはいくらでもあった。なのにこの人は座らず、たくさんの人に席を譲ったんだ。

「そっか。あんたも同じなんだな」

ぼくは1人で勝手に仲間意識を芽生えさせ、心斎橋駅に降り立つのであった。


.........と、こんなものを書いているうちに気づけば乗り過ごしてしまったぼくはやっぱりアホなのである。

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