日野あべし

日野あべしと申します 他サイトでも同名で活動してます 現在長編小説「振り向いたら座敷わ…

日野あべし

日野あべしと申します 他サイトでも同名で活動してます 現在長編小説「振り向いたら座敷わらし」を連載中 その他エッセイなどを投稿してます 連載中の小説も一話は短く、エッセイなども短いので、隙間時間にでも是非…

マガジン

  • 短編小説

    日野あべしの短編小説をまとめたマガジンです。 短編小説を読んでくれた方で、他の短編小説を読んでみたいという方は是非ご活用下さい。

  • エッセイ

    日野あべしのエッセイをまとめるマガジンです。 エッセイを読んでくれた方の中で、他のエッセイも読んでみたいという方は是非ご活用ください。

  • 振り向いたら座敷わらし

    現在連載している「振り向いたら座敷わらし」のマガジンです。 基本的に本編の最新話のみを、だいたい2週間に一話のペースで更新していきます。 本編を一気読みしたい方などいらっしゃれば是非ご活用下さい。

  • 日野あべしの詩をまとまるマガジンです。 詩を読んでくれた方で、他の詩も読んでみたいという方は是非ご活用下さい。

最近の記事

満足、不満足

歓楽街のチェーン店の居酒屋で二人の男が飲んでいた。片や穏やかに、片や熱を持って話をしている。 正反対の性格をした二人だが、二人は同じ会社の同期で、同じ営業職に就いていた。性格が真逆ではあるが、不思議と二人は歯車のように嚙み合っており、昔からこうして週末には二人で飲み、語るのが決まりのようになっていた。 「だから今の俺らのポジションじゃあ満足に働けねぇだろ!」 「まぁまぁ。とりあえず落ち着きなよ。ほら、一服するか?」 穏やかな性格の男、石島は相方の山橋に煙草を一本差し出す。

    • 随筆【六】

      妻が寝る前に不安になってしまったようだった。 私は妻を励まそうと私の考えを伝えた。 まずは自分を労ってあげたらどう? 最初は難しいかもしれないけど続けていけば自然に労われるようになるよ。 自分に優しくしてあげて心に余裕が出来れば人にも優しくできるよ。 そんなような事を話した。 これは色んなSNSで見て、私が身につけようとしていることだった。 その言葉達は私の頭にインプットしようとしている最中の言葉で、私は合点がいく言葉だ。 それを妻を優しく手でポン、ポンとしながら話した

      • 果てるその日まで

        今は深夜だ。色々あって眠れない夜。目が冴え視界はとてもクリア。下手したら昼間よりも眠気がないレベルだ。 眠ろうとはしてみたのだけど、やっぱり眠れない。次第にお腹も空いてきたのでええいままよと深夜のラーメンを食べた。 背徳の味…深夜のラーメン…。 なんでこんなにも深夜に食べるラーメンは美味しいのだろう。食べた瞬間五臓六腑に染み渡る。とても私を満たしてくれた。 因みに妻の分のラーメンだったのは内緒である。 そんな罪をおかして今こうしてこの文章を書いている。 なんだかんだで深夜

        • 随筆【五】

          夜妻が私の布団に潜り込んでくることがある。 そういう時、大抵は妻が不安感に襲われたりしている時だ。 私はそんな時妻の体をとん、とんと優しく手で打つ。そうするのは私はそうされると安心するからで、後で妻からそのことを聞くと妻も安心するらしい。 私はそうする時いつも自分が小さかった時のことを頭に思い浮かべる。 小さな時に住んでいたマンション。その一室。その部屋が広いかどうだったかはもう思い出せないが、たしかそこで父と2人で寝ることがあった。 父は寝かしつける時に私の体をとん、とん

        満足、不満足

        マガジン

        • 短編小説
          25本
        • エッセイ
          57本
        • 振り向いたら座敷わらし
          16本
        • 5本

        記事

          捉える

          不調。特に精神面での不調。 色々な辛いことが身に降りかかると不調になる、と一見するとその通りのように思える。 事実そういった時は塞ぎ込んだり泣きたくなったり逃げ出したくなったりする。 ただそういった辛いことと不調の間にあるフィルターのようなものがある。それは当人のものの捉え方だ。同じ事象を前にしても人によってその影響が違うのはその為だ。 捉え方というのは厄介なもので、その捉え方次第で著しく精神に不調をきたしたりする。 ただ幸いなことに捉え方は、つまらない言い方をすれば自分

          随筆【四】

          今日は穏やかな1日の始まりだった。 朝から荒んだ気持ちで過ごすことも多い私だが、今日は気候も穏やかで時間にもゆとりがありゆったりとした気分で通勤をすることが出来た。 恥ずかしながらスマートフォンの通信制限がかかっていることもあり、通勤電車の中ではなんとはなしに車窓から外の景色を眺めることが出来たのも穏やかな気持ちでいるのに良かったのだろう。 そうして私は電車に揺られていた。 今日は良い一日になりそうな予感と共に景色を眺めていた。 既に動き始めていたであろう工場地帯は特別な

          振り向いたら座敷わらし【第十六話】

          ここは公園である。今日は穏やかな天気で空には雲がゆったりと浮かんでいた。 私はその公園のベンチで一人座って目の前の様子を眺めている。 目の前では夏樹さんが手当たり次第福ちゃんを連れて福ちゃんと同年代ぐらいの子供に「この子が視えるか!」と声をかけていて、声をかけられた子供の中には「うっせぇババぁ!」なんてキレる子供がいて、それで夏樹さんが更に「なんだと!私はババアじゃなくてお姉さんだっ!!」とキレ返す始末。 最初は私もそれに混ざって夏樹さんの代わりに声をかけたりはしていたが、言

          振り向いたら座敷わらし【第十六話】

          生きやすいように生きよう

          自分の生きやすいように生きれば良い 正しさに固執するでもなく、人の期待に左右されるでもない 自分の生きたいように生きればいい 勿論倫理、社会的に反するものは自分の首を絞めるが そこさえ押さえれば、あとは自分が楽しくて、満足できて、楽な生き方でいいんじゃないか そういった生き方をするにしても、自分の尻は自分で拭かなきゃいけない しかしそれを覚悟して生きるのであれば、その人の生き方は否定されるものではないはずだ 自分を自分で縛らなくて良い 自分の人生だ 自分の生きたい

          生きやすいように生きよう

          振り向いたら座敷わらし【第十五話】

          帰路に就く。今日は残業も短く済み、帰りが遅い時に比べればだいぶ早く帰れそうだ。 ちょっと前の私であれば、夕飯は外食か近所のスーパーの割引シールのついたお弁当を買って帰っていたが、今の私は今晩の献立を考えていた。 (煮物…は作る時間がないか。焼き魚は昨日食べたし…) そんなことを考えながら帰るようになったのは、家族…と言えるかはわからないが、同居人が出来たためだ。 そう、何故か私についてきた座敷童、福ちゃんである。 さらに言えば隣室のやたらと私に求婚を迫ってくる夏樹さんも食事を

          振り向いたら座敷わらし【第十五話】

          アニメポケットモンスター 心と心の物語

          あの国民的ゲーム、ポケットモンスター、略してポケモンには言うまでもないかもしれないがアニメも放送している。 主人公がサトシという少年からリコとロイという少女少年に変わって、新たなポケモンとしてアニメが一新されたのは記憶に新しい。 そんなポケモンのアニメは、知らない方からすれば子供向けのアニメだろうと思われるかもしれないが、実は大人が見ても充分楽しめるアニメだ。 勿論、子供だった世代が懐古して楽しむという面白さもあるが、それだけではない見応えもある。 子供も楽しめるアニメで

          アニメポケットモンスター 心と心の物語

          随筆【三】

          今日は良い事や幸運な事が沢山あった。 色々な人と沢山話が出来たり、自分のしたい事が色々出来たり、妻から贈り物を貰ったり。 溢れんばかりの幸せが今日1日に凝縮していた。 それを受け取った私は「これはこれから良い事が続く予兆なのかもしれない。」と考えた。 だがそれは一種の驕りだろう。 しかし逆にこれだけ良い事が起こったのだから次は悪い事がある、と恐れるのもまた違和感を覚える。 先にある良い事悪い事を確かに予測するのは難しいし、受け取り方次第で良い想像をしたり悪い想像をしたり

          優しさ

          私には日向さんという優しい先輩がいる。 私だけに優しい訳ではなくて、誰にでも分け隔てなく優しくしてくれる。 この前なんか重い荷物を持って階段を登ろうとしているおばあさんの荷物を持ってあげるなんて、今どき漫画にも出てこないようなことをする程優しい。 唯一欠点があるとすれば私の苦手な喫煙者だということぐらい。 だけどその欠点が気にならないくらい私は正直日向さんのことが気になっている。男性として、という意味で。 「あの…、今晩二人で飲みに行きませんか?」 「うーん、少し残業で七時

          適切な態度

          何かがあった時にとる態度は千差万別だ。 それは追い込まれた時、議論をする時、感情が溢れそうになった時など場面場面でも違う。 例えば怒りの感情が満ち満ちている時、それをそのまま相手にぶつけるとか、ムッツリ黙りこくって静かに相手に感じ取らせるとか、あくまで冷静さを失わず相手に理路整然と伝えるとか、取れる態度も沢山ある。 どの態度を選択するのかは非常に重要で、その選択肢を考慮せずただ本能のままに暴れ回るのは適切な態度とは言えない。 では適切な態度とはなんなのだろう。 私が思

          今最も学びたいのは自分

          学びたい事。 パッと思いつく事は文学について学びたい。 古今東西の色んな本を読んで、その表現や知識を得たいと思う。 ただこれは私が若輩者だからかもしれないが、私が文学より何より学びたいのは自分自身についてだ。 私もそこそこの歳にはなるが、自分のことを100%知っているかというとそうではない。 自分の性格、癖、考え方の特徴、バイオリズム。 例を挙げればキリがないほど人は色々なもので出来ていてその傾向がある。 私はその自分に対する解像度を上げていきたいのだ。 何をするにも

          今最も学びたいのは自分

          随筆【二】

          今これを書いているのは深夜。 眠れぬ夜ということだ。 ここ数日体調を崩していてまともに生活出来ていない。 前も似たようなことがあったが、また同じことを繰り返している。 これはもしかしたら周期的なものなのかもしれない。 また同じ事を繰り返している辛さがある。 その一方で自分にも少なからず変化(敢えて成長とは言わないが)している。 同じ所を回っているようでそれは実際同じ所ではない、はずである。 以前ある本で見たが、それは円ではなく螺旋なのだと。 それが良い意味でなのか悪い

          関係の名前

          最近ちょっと人間関係が広がりつつある。 その関係を友達と私は形容している。 正直相手はどう思ってるかわからないが、此方が友達という言葉を盾に迷惑をかけるのでなければそれでいい。 友達の条件とか、友達の定義とかを言い出せばもしかしたら友達とは言えないという意見もあるかもしれない。 だがそもそもそんな条件とか定義とかが友達と付き合うにあたって、または友達と認識するにあたって必要か?と私はしている。 自分勝手かもしれないが、自分が友達だと思えばそれでいい。前述したが、それで相