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この度、元カレが結婚するらしい、という話を聞いて思ったこと

20代半ばの5年間を捧げた元カレが、この度結婚するそうな。

私の理想とする大豆田とわ子の世界(6月までやっていたドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」)は、世の中の女性の自己中心的な欲望を、嫌味なく映像化したものだと思った。

3回結婚して、3回離婚して、今も主人公は自由に恋愛をしている。一方3人の元夫は、今も主人公のことが一番好きで、再婚もしていなければ恋人もいない。

ドラマのおしゃれな感じに紛れてこの構造を冷静に捉えられていなかったけれど、冷静に考えたら、主人公、めちゃくちゃわがままに見える。
でもそうじゃなくて、主人公は誰にも囚われていないからこその魅力があって、だからこそ周りも惹かれる。
あんな自立した大人になりたいものだ。

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さてタイトルに話を戻すと、旦那さんの前に5年間付き合っていた元カレが、この度結婚をするんだそうだ。

元職場の一つ上の先輩で、スタイルが良くておしゃれで、スノボやらサッカーが得意な雰囲気イケメン。でも多分愛着障害を心にかかえていて、すごく近い関係の人(家族とか恋人とか)と信頼関係を築くことが苦手で、自分に自信がないが故に必要以上に周りの目を気にしていて、でも誰よりも誰かの愛に飢えているような、そんな人だった。

付き合っていた時、最初に言われたのは、
「俺が罪を犯して逮捕されても別れない?」
「付き合っていることは職場の誰にも言わないで」
「裏切らない、否定しない、束縛しない、を守って」 だった。

5年の間にわかっているだけで3人と浮気をされ、理由不明のまま彼が不機嫌になって音信不通になった期間もトータルすると半年くらいあった。
付き合っていてもしんどいことばかりで、当時相談した先輩には「DV被害に遭ってる人と発言が同じ」と言われたことを鮮明に覚えている。

私も依存&恋愛体質だったこともあってなかなか離れられなかったけど、旦那さんと出会ってからちゃんと別れることができた。
でもこの別れる時も、私から別れを切り出したら、5年間で初めての手紙をもらい(多分彼も人生で初めて書いたと思う)、「結婚しよう」って書いてあった。

それは私がずっとほしかった言葉で、他にもずっと聞きたかった彼の本音がたくさん書いてあって、通勤車を停めて号泣した。
泣きすぎてもはや軽くパニックになっていて、夜だったけど心友の家に押しかけて、駐車場で話を聞いてもらいながらまた号泣。

「べらいみが元カレを選ばなくて後悔する日がきたら、私があの選択は間違ってなかったよ、って何度でも言ってあげる」みたいなことを心友が言ってくれて、旦那さんに賭けようと決意できたんだよな。
(もちろんまだ旦那さんとは付き合ってなかったので、旦那さんに賭けても結婚できるかわからなかった)

別れて半年くらい経って、彼は東京に転職して行った。それっきり、風の噂でどこで働いているとか転職したとか聞こえてくるくらいで、一切姿も見ていない。その間に私も東京に転職をして、結婚をした。

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別れてから4年くらい。
彼が元職場の後輩と結婚するらしいと聞いた。

また近いところで付き合ってたんだな!と思ってびっくりしたけれど、私と付き合っていた頃から、彼が彼女を気に入っていたことはなんとなくわかっていたし、天然でがんばり屋の彼女なら、彼も自然体でいられそうだな、とか思って、一人でおめでたいモード全開な自分にこれまたびっくり。

自分から別れを告げて、その後さっさと他の人と付き合って結婚した私が言うことではないけれど「彼が初めてプロポーズした女は自分である」という謎の自負がどこかにあって、だから願望としては「ずっと自分のことを特別視していてほしいし、囚われていてほしい」ってどっかで思っていたんだよね。
そしてこの感情について、ずっと自覚はしていたので、結婚の話を聞いたらもっと歪んだ感情に支配されるんだと思っていた。

でも実際は祝福モード全開になれたことで、初めて、自分は彼をちゃんと卒業できてたんだ、ってことに気がつけた。

卒業できた理由は、やっぱり旦那さん。
旦那さんとの日々が穏やかすぎて、時たま「もしあの時元カレと結婚していたら?」って考えても、旦那さんとの日々よりも幸せな想像は一切できなかった。
逆に、きっとこんなことで喧嘩したり不機嫌になられたりするんだろうな、浮気やモラハラで離婚するかもしれないな、みたいな想像はリアルにできるけど。笑

今、元カレに言いたいことは、「結婚おめでとう、彼女のためにもどうか不倫はせずちゃんと愛情表現をして、末長く幸せでいてね」です。
でもきっと、この忠告はもう不要なんだろうな。切ないような嬉しいような。
でもやっぱりただただめでたい。

もはや何も話が繋がらないけれど、やっぱり大豆田とわ子、すごい。

そして旦那さんにはちゃんと感謝を伝え続けていこうと改めて思いましたとさ。

おしまい。


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