見出し画像

ひの自然学校流 アウトドアのすゝめ【子どもの服装編】

ひの社会教育センターでも数多く実施してきているキャンプや登山などのアウトドア活動。
保護者の皆さんから寄せられる質問に
「子どもにどんな服装をさせればいいの?」
「学校に行くのと同じ格好で大丈夫?」
など服装に関する質問をよく聞きます。
今回はそんな活動時の“子どもの服装”について、ディレクターの視点からオススメのスタイルをご紹介!

「どのような衣服をどのように着こなすか」というようなレイヤリングの紹介が主ですが、今回はディレクター視点でオススメの商品もお伝えさせていただきます!
この記事では、アウトドア用品から農林漁業用品まで幅広い製品を開発し、アウトドア用品としてはコスパ最強の日本が誇るアウトドアメーカー"mont-bell(モンベル)"の商品を軸に、さらに安価で手に入れやすいものもご紹介します。


アウトドアの服装の合言葉“WISE(ワイズ)”

 以前、ひの自然学校流 アウトドアのすゝめ【ハイキング活動準備編②】でも、簡単に服装についてお伝えしました。

この記事で出てきた合言葉が “WISE(ワイズ)”です。
ズバリ!このWISEの考え方を使えば、アウトドアでの服装は非常にシンプルに考えることができます。「WISEとは何ぞや…。」という方は是非👆上の記事からお読みください! このWISEシステムの観点から、アウトドアに適した服装を考えてみましょう。


Wick(芯/アンダー)レイヤー

写真:https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=1981

アンダーレイヤーとは、レイヤリングのうち、一番内側に着用するウェアのこと。直接肌に接するため、吸水性、速乾性、透湿性(通気性)に優れている必要があります。特にハイキングや登山となると、汗をかきやすくなるため、それらを適切に処理してくれる素材の服装を選びましょう。

「綿素材 vs 化学繊維」

ここでよく出てくる話題が「綿素材vs化学繊維」
結論!その活動に合わせて適宜着用する素材を変えることが大切と考えます!
綿素材は通気性や肌ざわり、洗いやすさ、丈夫さなどから、一見アウトドア向きに見えますが、アウトドア活動のうち、特にハイキングや登山、動くことや発汗が多い活動では、綿素材よりも化学繊維(ポリエステル)素材を推奨します。その反面、化学繊維のものは火に弱いため、焚き火やBBQをするようなキャンプ活動時には、丈夫な綿素材の服装を選ぶと大切なウェアに穴を開けず済むでしょう…。

☆オススメのアンダーレイヤー☆

【化学繊維素材のトップスアンダーウェア】
≪mont-bell ジオライン L.W.ラウンドネックシャツ Kid's 135-150≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1107771
≪mont-bell WIC.T ワンポイントロゴ Kid's 130-160≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1114521
≪ユニクロ エアリズムUVカットメッシュT(長袖)≫
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E434256-000/00?colorDisplayCode=00&sizeDisplayCode=120
≪ワークマン ブロックフリーストレッキングクルーネック フォージュニア≫
https://workman.jp/shop/g/g2300021389107/

【綿素材のトップスアンダーウェア】
≪mont-bell コットン スウェット Kid's #2 130-160≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=2104737
上の商品は綿100%ではないですが、化学繊維素材を織り交ぜ、乾きやすさも実現しているまさにキャンプ向きのウェアと言えるでしょう。
≪ユニクロ クルーネックTシャツ(長袖)≫
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E450692-000/00?colorDisplayCode=12&sizeDisplayCode=120

【秋冬ボトムスアンダーウェア(タイツ)】
≪mont-bell ジオライン L.W.タイツ Boy's 135-150≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1107775
≪ユニクロ KIDS ドライレギンス(10分丈)≫
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E415163-000/00?colorDisplayCode=09&sizeDisplayCode=130

⚠なぜ“ヒートテック”がアウトドアに不向きと言われるのか…⚠

それはヒートテックの素材になっている「レーヨン」という素材がアウトドア、とりわけ発汗の多い登山などには不向とされる理由です。「レーヨン」は暖かさを生み出すことができる代わりに、多くの気化熱を奪われる、繊維が保水することで生地が濡れる、繊維の創り出す熱によって発汗が増す、いというデメリットがあります。秋冬の寒いタウンウエアにはもってこいの商品ですが、身体を動かし汗をかく活動においては着用を避けるのが賢明です。


Insulation(隔離/ミドル)レイヤー

写真:https://fuji-climb.com/motimono/wear/

 とりわけアウトドア環境となると、壁や屋根がない屋外のため、昼間と夕方~夜間の気温差を諸に感じることになります。山の環境になれば、標高を上げれば気温が下がり(標高100m上がるごとに気温が0.6℃下がると言われています。)、木々に囲まれてなければ風の影響も受け、体感する気温の変化がさらに著しくなります。この寒暖差を埋めるための機能を果たしているのが、このミドルレイヤーになります。そのため、保温性、保湿性、透湿性、保護力に優れている必要があります。
 さらにミドルレイヤーを着こなすうえで大切なのが、運動のレベルや気温に合わせて「重ね着する枚数を調整すること」です。暑がりなのか、寒がりなのか、自分の身体の特性を考えて重ね着をコントロールすれば、より快適なウェア内の環境を作ることができます。

ミドルレイヤーとして機能する服は主に以下の2つ👇

  • フリース:保温性はダウンに劣りますが、通気性やストレッチ性においてはフリースの方が優れています。肌寒い時の登山は、フリースを着ながら活動していても気になりません。

  • ダウン:保温性抜群のミドルレイヤーです。保温性が良すぎる故に、身体を動かすと逆に暑くなりすぎることがあります…。厳冬期の山に入ったり、雪上での活動でない限り、登山・ハイキング活動の活動中に着る服には向いていないかもしれません。また、フリースに比べてやや高価になります。

「デニム素材vsジャージ素材」

そして、またここで話題となるのがズボン!「デニム素材vsジャージ素材」
結論!これもまた、その活動に合わせて適宜着用する素材を変えることが大切と考えます!
デニム素材はかなり丈夫にできているため、焚き火など火を使う活動には使えますが、その分ゴワゴワしていたり(最近はストレッチの効いたデニムもありますが…)、濡れると乾きにくかったり、と、ハイキング活動や身体を動かす活動には向いていないように思います。登山やハイキングをする際には、通気性の良い、ストレッチの効いたものを選ぶと、動きやすくより快適に過ごすことができるでしょう。

☆オススメのミドルレイヤー☆

【フリース】
≪mont-bell クリマプラス100 ジャケット Kid's 130-160≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1106606
≪ユニクロ ファーリーフリースジャケット(長袖)≫
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E449887-000/00?colorDisplayCode=69&sizeDisplayCode=120
≪ワークマン ダイヤフリース裏アルミジャケット ジュニア≫
https://workman.jp/shop/g/g2300022339101/

【ダウン】
≪mont-bell リバーシブル ダウンパーカ Kid's 130-160≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1101621
≪ユニクロ パフテックウォッシャブルパーカ(ウォームパデッド)≫
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E460160-000/00?colorDisplayCode=66&sizeDisplayCode=120

【パンツ/ボトムス】
≪mont-bell O.D.パンツ ライト コンバーチブル Kid's 130-160≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1105726
👆コンバーチブルなので1年を通して使えるのが魅力!
≪ユニクロ ウルトラストレッチドライスウェットパンツ(サイドライン)≫
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E463500-000/00?colorDisplayCode=02&sizeDisplayCode=120
≪ワークマン エアロガードストレッチジュニアクライミングパンツ≫
https://workman.jp/shop/g/g2300035612031/


Shell(殻/アウター)レイヤー

写真:https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=1669

 アウトドア活動をしていると必ず直面するのが悪天候です。例えば、秋冬の時期の活動で雨が降ってきた場合、雨宿りもせずそのまま外にいるとどうなるでしょうか。衣服は濡れ、雨風に体温は奪われていき、最悪の場合「低体温症」となり命に係わる問題へとなっていくことでしょう…。つまり、このアウターレイヤーは、主に雨や雪といった天候時や秋冬シーズンの気温の低いシーズンにとても重要なウェアになります。そのため、防水性、防風性、防塵性に優れている必要があります。今回は紹介しませんが、スキーウェアもこのアウターレイヤーの1つです。

アウターレイヤーとして機能する服は主に以下の3つ👇

  • ウィンドブレーカー:その名の通り風をシャットアウトしてくれます。基本的に薄手でありながら、防風性に優れたアウターです。

  • ソフトシェル:適度な保温性・通気性をもちながら、アウターとして必要な防風性や防水性(撥水性)も兼ね備えたまさにバランス型のアウターです。ストレッチが効くものが多いため、アウトドア活動にあると非常に便利なアウター。がしかし、ウィンドブレーカーなどと比べ嵩張ること、やや高価なのがデメリット。

  • レインウェア:アウトドア活動、特に登山・ハイキングなどの天候が変わりやすい山の活動においては必需品です。レインウェアは主にコートタイプ・ポンチョタイプ・セパレートタイプの3つありますが、オススメはもちろん“セパレートタイプ”のレインウェアです。コート・ポンチョタイプと違って足元まで隠せるだけでなく、トップスだけを着ることで防風性も兼ね備えた上着として活躍します。

☆オススメのアウターレイヤー☆

【ウィンドブレーカー】
≪mont-bell ライトシェルパーカ Kid's 130-160≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1106625
≪ワークマン 耐久撥水どろんこジュニアシェルジャケット≫
https://workman.jp/shop/g/g2300068428043/
【ソフトシェル】
≪mont-bell ノマドパーカ Kid's 130-160≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1106737
【レインウェア】
≪mont-bell レイントレッカー Kid's 130-160≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1128641
≪ロゴス LOGOS キッズレインスーツ≫
https://www.logos.ne.jp/products/info/10845

「重ね着」について

ここまで、WISEのうち
W➝Wick(芯/アンダー)レイヤー
I➝Insulation(隔離/ミドル)レイヤー
S➝Shell(殻/アウター)レイヤー

について解説してきましたが、ここでもう少し「重ね着」について解説!
例えば「冬の高尾山に登ろう!」となった時、どのような装備と準備で行きますか?
暑がりの僕だったら、
山行・活動中➝「アンダーレイヤーのみ」
休憩中➝上から「フリース」を着用
山頂休憩時➝「フリース+ダウン」

のように、自分の身体の特徴とその時の運動レベルから重ね着する枚数のコントロールをします。事前の情報で、風が強いことが予想されている場合は、持ち物に「ウィンドブレーカー」を準備しておき、さらに寒くなってきたときに「フリース+ダウン+ウィンドブレーカー」で対策することも可能です。最終的には「荷物に余裕があるか」などを考慮して持っていくかどうか判断しなくてはなりませんが…。


Extra(特別装備)

写真:https://www.kojitusanso.jp/start_navi/device/mountain_shoes/

 この特別装備は、通常危険個所で使用するヘルメットやゴーグルなどの専用装備になるので紹介を省くところですが、ここで足元のウェアについて取り上げたいと思います。
 足元もWISEシステムで考えれば、靴下はアンダーレイヤー、靴はアウターレイヤーになるわけですが…。細かいことはあまり気にせず。(笑)

 アウトドア活動における靴の選び方はズバリ!「動きやすさ」です。なので、こればかりは普段学校に履いている“運動靴”がベストチョイスになります。
 ここで明確にしておきたいのが「スニーカー」との違いについて。ネットで調べるといろんな情報がでてきますが、ひの自然学校流に運動靴の定義をお伝えすると「軽量・衝撃吸収・滑りにくい靴底の構造」をしているかどうか、がアウトドアで活動するうえでは大切な視点ではないかと思います。

さらに
「これから登山・ハイキング活動をたくさんしたい!」
「よく家族でもアウトドア活動をする!」
人向けのお話すると、アウトドア活動の靴の条件で大切なのが「防水性」です。雨が降るとカッパから滴り落ちた雨水はいずれ、靴の方へと落ちていきます。また、雨が降った後の路面は水たまりやぬかるみをもたらします。これら濡れ・汚れから足を守ることができる靴こそがアウトドア活動に向いていると言えるでしょう。
 登山靴は靴底が固くつくられているため、岩場など悪路で足を痛めることなく歩行できたり、ハイカットモデル(踝まで覆うことができる登山靴)は捻挫などの足首の怪我から守ってくれます。

☆オススメの登山靴☆

【靴】
≪mont-bell ラップランドストライダー Kid's 22-25≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1129509
≪mont-bell フィールドウォーカー MID Kid's 22-25≫
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1129686
≪ワークマン 高耐久シューズ アクティブハイク≫
https://workman.jp/shop/g/g2300053567054/
≪KEEN ビッグキッズ ワンデュロ ロー ウォータープルーフ 防水スニーカー≫
https://www.keenfootwear.jp/collections/hike/products/big-kids-wanduro-low-waterproof-black-ribbon-red

⚠ハイカットシューズを履く皆さんへ!⚠

 上でも述べたように、ハイカットシューズは足首をホールドしてくれるため、特に下りの時に捻挫などの不用意な怪我から足を守ってくれます。しかし、時として別の怪我を生み出すことがあります。その1つが靴擦れです。  
 靴底が固くできているため、どんなに足にあった靴でも紐をしっかり結べていないと靴擦れの原因になります。また、ローカットのソックスを履いてくるのも靴擦れの原因の1つです。登山靴を買ったら、まずは靴紐を結ぶ練習をしてたくさん履きならしましょう!そして、必ず靴よりも高さのあるソックスを履くようにしましょう。


 さて、ここまでアウトドア活動における子どもの服装について説明させていただきました。併せて、様々なオススメ商品も一部紹介してきましたが、ここに出てきている商品がすべてではありませんし、WISEシステムの考え方をもてば、今お家にあるもので十分にアウトドアを楽しむことができます。
「冬山のハイキングで登頂成功!でも、ヒートテックで汗冷え…。」
「ハイキング活動にて。持ってきた防寒具はダウンのみ。着ないと寒い、が、着ると暑い…。」
「新しい登山靴で登山!履きなれていなかったため、足にマメが…。」
これまで僕が活動で見てきたレイヤリング要改善例です。きっと本人たちとっては苦い想い出…?
“自然”は我々に素晴らしい景観と体験・経験を与えてくれます。しかし、時として自然の厳しさを教えてくれるのもまた“自然”です。刻一刻と変化する自然環境の中をより快適に過ごすために、より良い体験にするためには、常に着てまわる衣服を工夫することが大切であるということをこの記事をもってお伝えできればと思います。WISEシステムで素晴らしい自然体験を!!

子ども会ぽけっと「大菩薩ハイキング」より。自然の厳しさを知り、自然の魅力を知る。
素晴らしい体験・経験には衣服選びも重要かも!?

ひの自然学校サステナブル レスポンシビリティマネージャー
若泉わか

#子どもキャンプ #キャンプ #アウトドアウエア #防寒対策
#子育て #自然体験 #アウトドア #テクニック #安全管理


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?