おひとりさま

おひとりさま
という言葉はもう使わないのだろうか
ソロ活
なる言葉を一時期巷で聞いた気がする
この形態を何と言うのが主流だろうと
私がいちばん気に入っている言い方は
おひとりさま だ

振り返ってみればずいぶん長いこと
おひとりさまをしているように思う

もともとひとりで出かけることには
抵抗がなかったし気楽で好きだった
ひとりで居酒屋を含め飲食店に入り
日付が変わるまでカフェバーで寛ぎ
思い付きでいきなりひとり旅をした

自分のペースで決めて動けることが
とにかく心地よく気軽で身軽だった
今もその感覚は変わっていないはず

この感覚を超えるほどの何か例えば
分かち合いたいと思うことがいつか
出てくることがあるのかもしれない
共に過ごしたいと思うひとといつか
出会ったりもするかもしれない が

ひとり暮らしをしていたころに何度か
寂しさから誰かいてくれたらと思って
2時間もたてばもう誰かがいた場合の
面倒臭さに思い当たり考え直していた
やっぱりおひとりさまがいいかな と

誰かがいるのに分かり合えないことがあり
誰かがいるから余計満たされない心があり
誰かがいるために縛られる日常生活がある

誰にも言わずに胸に秘めておける宝箱があり
誰にも期待しないから思わず得る喜びがあり
誰にも聞かずに決めていける日常生活がある

おひとりさまで困ることを挙げるとすれば
背中に薬を塗ってくれる相手がいないこと
それくらいしか思いつかないうちはたぶん
おひとりさまを楽しんでいればいいと思う