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【じーじは見た!】 後編:運動部活動の地域移行に関する検討会議を覗いてみた⁉

令和5年から学校での休日の部活動が廃止され地域活動へ移行していくことが既に決まっており、混乱なく移行ができるように運動部活動の変革が検討されています。

第1回目の検討会議が2021年10月7日に開催され、第2回目が12月2日に開催されました。議事録や資料を覗いてみましょう。

本編は後編です。前編から読んでいただいたら話が繋がります。


✅課題は明白ですね⁉


結局、休日の部活から先生を開放するための問題は明らかなのです。

ところが、地域格差なく問題解決できる策が思いつかないので前例を踏襲しつづけてきた結果、先生がたのアンペイドワークに頼らざるを得ない休日部活の課題が残ったままになったということではないのでしょうか?

解決したいのなら「昭和人は黙っとれ」と言って、若い人に解決策を考えてもらった方がいいんじゃないのかな?

オードリー・タンさん(台湾のIT大臣)を呼んできて、若い人のアイディアを引き出してもらった方が政府御用達の学者(有識者)集めて課題を指摘してもらうよりも解決策に近づくように思えるのはじーじだけ?

休日の部活を先生から解放するとしたら課題は想像がつきますよね。

1)お金がない。・・・これまで教師による無給ボランティアの休日指導に頼ってきたが地域移行を無給という訳にはいかない。
2)都市部のようには地方にサービス基盤がない。・・・都市部なら今でもJリーグのジュニアクラブといった地域のスポーツクラブ等の基盤があるが全国の自治体に全てある訳ではない。
3)地方に指導者が不足している。・・・休日だけ少しのお金で指導してくれる奇特な指導人材の絶対数が不足している。

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上記は配付された会議資料からの抜粋です。

いいことが、書いてあります。「先生のアンペイドワークが民業を圧迫している」こういう考え方が日本人にはできないのです。

「~しなければならない」「あるべき姿」ばかりが求められて、みんなそうしてきたんだから、あなたは先生なんだから「子供たちのために自己を犠牲にしてでもやってあげたいと思わないの?」といった同調圧力。

だから30年間給料の上がらない経済無成長な国になってしまったのですが、相変わらず属人化・部分最適・長時間労働の3種の神器で戦後復興した成功体験から抜け出せないのです。

✅見過ごされてきた「何のために?」


何のための部活なんでしょうか?

今回の検討会は、どちらかというと教師の働き方改革という側面からの検討会という意味合いが強いのですが「何のために部活をするのか?」という目的を曖昧にしたままでは、良い改革はできないと思うです。

学校から地域へ移行するのは手段であって目的ではないのです。

学校の部活の位置づけを明確にして「そんな理想を言ったって」と思考を停止したりせずに、できない理由を並べたてるのではなくて「こうありたいね」というありたい姿像を描いてみませんか?

今直ぐにはできなくても10年計画でバックキャスティングで今やれることを実行する改革を進めていけば10年後にはありたい姿に近づいているのではないでしょうか?

部活の目的って何なのでしょうか?

列挙してみると、例えば?

1)競技力(記録・成績)の向上
2)体力の向上と健康の増進
3)学校生活の充実
4)豊かな人間性や社会性の育成
5)顧問と生徒、生徒同士の信頼関係
6)学校全体の活性化

1)の競技力(勝負)を目的とすることを除けば、土曜・日曜も含めて毎日部活をしなくてはならない訳ではないハズですよね。

あなたやお子さんが部活に望んでいることって何でしょうか?

もちろん1)を最大の目的とする部活があってもいいと思いますよ。

プロスポーツ選手やオリンピック選手として大成できるチャンスのある子供たちにチャンスを提供するのは大切なことです。

でもそういった才能豊かな子供であれば、専門の指導者の下で専門の組織で育てる方が合理的ではないのでしょうか?

日本人はとにかく選択と集中をすることを好まず、どこにも少しずつ満遍なく予算を配分して国力を落としてきました。

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(ちょっと寄り道)

「満遍なく公平に」の結果は、例えば下記のような国際港の競争力(取り扱い貨物数)で見ると明白です。ゆでガエル状態なのです。

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「選択と集中」の予算配分で選択された地域はハッピーで選ばれなかったら不幸と決めつけるから全体が徐々に競争力を無くしていきます。

修造チャレンジがきっかけで錦織圭さんは「盛田ファンド」の支援を得ることができ米国のIMGアカデミーに留学(学費は年900万円:生活費も入れると凄い金額)することできました。

本人の素質と努力あってこそですが、IMGアカデミーという良き学校で良き指導者に恵まれて彼の素質は開花しました。プロでの素晴らしい実績はみなさんご承知のとおりです。

もっとこんな夢を掴む日本の子供を増やしませんか?

そういった部活改革は駄目なんでしょうか?
無理でしょうねえ。全員に公平なお金の使い方でないと反対されますから。

選択と集中のお金の使い方をして釜山港を作ることを日本人は望んでいなかったのです。

あるところに投資を集中してきた港と万遍なく少ない予算でやりくりしてきた港の生産性にはどれくらいの差がついているのかを日本人は知りません。

1億総貧困化に直面していても何となく自分はギリセーフと思っている昭和人に「昭和のやり方も悪い面ばかりじゃないよ」と牛耳られているのです。

☆☆☆

本題に戻りましょう。

部活をオリンピック選手や大谷翔平さんのようなプロ選手育成のためを最大の目的としたっていいと思います。

でもそんなIMGアカデミーのような学校を、全国に満遍なく配置して良き指導者を配置するなんて予算は今の日本にはありません!

じーじの独り言でも「あーでもない、こうでもない」はできます。

ある種の割り切り「選択と集中」を頭において、また、手段(休日の部活を地域へ移す)が目的化しないように検討会での議論を深めてもらいたいと思いました。

✅指導者育成が必要と言っても⁉


休日の部活が学校から地域に移行された場合、先生方はどうしたいかの意向調査の結果は、中学校では半数の先生が地域の指導者に任せたいと考え、4分の1の先生が休日も自分で指導したいと回答しています。👇

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先生方は、スポーツ指導を学んだ者による指導の重要性を約8割の方が感じておられ、一方で実技指導に自信があると答えた方は約3割です。

競技力に拘った部活指導では、指導者の育成が課題です。

ですが、本当に全国津々浦々までプロ選手を育てるような指導者を全ての自治体に満遍なく配置しなくてはいけないのでしょうか?

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今の状態は、先生にとっても生徒にとっても決して持続的な部活ではないのだと思います。今後の検討会の進展に注目していきましょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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▼20年以上前の正垣さんの講演を思い出して書きました。

▼Z世代応援団のじーじをよろしくお願いします。



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