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ナマコを捌きました

先日、ちょっといい居酒屋で食べた赤ナマコがメチャクチャ美味しかったので、活きたナマコを取り寄せて、自分で捌きました。

調べてみると、今がナマコの旬らしく、検索するとたくさん出てきます。新規サイトで買うと、名前の登録やらが面倒くさいので楽天で購入しました。送料を入れて1kgで4500円ぐらいでした。

注文して二日後に家に届きました。まだ外で仕事中だったので、息子から動いているナマコの動画がLINEで送られて来ました。息子はナマコを「食材」ではなく「生物」として見ているようでした。「海水の水槽に入れたら、飼えるんだよね?」と、食べるまでに3回聞かれました。

息子は「うわ!このナマコ、キュビエ管出してる!」などと喜んでいました。私の趣味に合わせるために息子を生物好きにしたのですが、追いつけ追い越せで、だんだん私もわからない話が増えてきました。

「ナマコを捌きました」なんて書くと、何か特別な知識や技術が必要な感じがするのですが、頭とケツを切って内臓を出してスライスするだけなんです。ほぼゴーヤと同じですね。

1kgで4匹でありました。1匹は40cm近くありました。以前にもナマコを捌いことがあり、その時は15〜20cmぐらいだったので、40cm近いナマコを目の当たりにした時は、嫌だなあと思いました。基本的には気持ち悪いとか、グロテスクとかそういう意識はないのですが、私の中の原始的な脳が反応したんだと思います。

隣で息子に観察させながら捌きました。一番大きなナマコの頭とケツを切り落として、お腹にメス、いや包丁を入れたらものすごく収縮し始めて、15cmぐらいにまでなりました。ブヨブヨしていたのがカッチカチになりました。手触りとしては生のアワビみたいな感じでしょうか。

事前に作っておいた三杯酢の中にスライスしたナマコを入れていき終了。ゴーヤチャンプルーを作る方が、よっぽど手間がかかるんじゃないかと思います。大根おろしに混ぜたら、先日居酒屋で食べたのと同じ味になりました。最高に美味しかったです。

今までもいろいろと取り寄せて、捌いたことがあります。

普段食べたことのない魚を食べてみたいと思い、当日水揚げされた魚がアップされるサイトを毎日チェックしています。

捌くのが本当に大変だったのはウツボでした。70cmぐらいのウツボだったのですが、首の骨がものすごく硬く大変でした。魚というよりも爬虫類を捌いている様な感覚でした。歯が鋭く、触っただけで血が出ました。トカゲの頭を切り落とすような感じでもありました。

ウツボは大きかったので、刺し身と煮付けにして食べました。刺し身も本当に美味しく、煮付けも巨大なウナギを食べているように美味しかったのですが、ウツボが一般的に食べられない致命的な理由がありまして、小骨が上手く取れないんです。小骨と言っても、まるで釣り針の様な鋭い小骨が、身の中に潜んでいるです。だから、味は美味しいんですが、すごく食べづらいんです。

逆に言うと、ウツボはその小骨があったせいで、養殖されることもなく、全国のスーパーに並べられることもなく、乱獲を免れているんだと思いました。

その時、サバやイワシやサンマがすぐに頭に浮かびました。味が良くて、値段も安くて、捌きやすい。そりゃ人気出るよなと思いました。私たちの仕事で言うと、センスが良くて、ギャラが安く、人柄も良い、って感じでしょうか。そりゃ人気出るよと思います。でも、その特徴のおかげで、サバやイワシやサンマは「生物」よりも「食材」になってしまうという悲しさも感じました。私たちの仕事で言うと、ウツボはアーティストとして認知されている人、サバやイワシやサンマは使い勝手のいい職人という感じでしょうか。

変わったところでは、コバンザメも捌いたことがあります。コバンザメは「サメ」という名前がついてますがサメではなく、一般的な魚と同じ硬骨魚になります。

新鮮なコバンザメだったので、刺し身と昆布じめにしました。脂が乗っていて本当に美味しかったです。イメージとしては、ブリとかカンパチの身を更に硬くした感じでしょうか。脂が乗ってるのに歯ごたえがある食感です。コバンザメをにぎり寿司にしたら、絶対に美味しいと思います。今度チャンスがあったらにぎり寿司にしてみようと思います。

コバンザメの吸盤が付いている頭は煮付けにしました。煮付けにすることで身が崩れやすくなり、吸盤の構造がよくわかりました。

私が毎日チェックしているサイトに、たまに10kg以上のシュモクザメが売りに出されることがあるんです。10kgもあると台所では捌けず、風呂場とかで血まみれになりながら捌くことになる気がして、まだ注文したことがありません。しかも、基本的にサメの肉はそんなに美味しいものでもないんです。でも、息子のテンションがかなり上がりそうなので、いつか買ってみたいなと思っています。

私が魚を捌く時にワクワクするのは、胃袋の中を見る時だったりもします。食べたばかりのカニや小魚が入ってることもあります。60cmぐらいのタナカゲンゲを捌いた時には、胃袋から30cmぐらいの、まだ消化されてないタコが出てきました。

そして、なぜか息子も胃袋の中に興味津々なんです。何か共通の経験だったり、情報の共有をした訳ではないんです。たぶん、生物の胃袋の中が気になるというDNAがあるんだと思います。

いろいろ書いていたら、また変なやつを捌きたくなったので、水揚げ情報のパトロールをさらに強化していこうと思います。

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