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5・2火曜-手記⑦-「開くこと閉じること」

 どうも、今日もまた朝が来た。
(おまえは よく飽きもせずに来るんだな)
……なんてことを今、べランダを見て思った。最近、私は片っ端からプロ アマを問わず、文学作品を朗読している。というのも、自分自身の稽古のためということもあれば 音読をすることによって味わえる 独特の文字の魅力の虜となっているからだ。

 黙読とはまた味わいが違うのだ。それに ちょっとした疑似体験にもなるし、自分の声を聞いて より内容を理解できる。滲み出るその作家さんの哲学や 編集力の高さ 構成力の洗練さを感じたりもするし、ロジックとして積み上がってくるストーリーラインもより浮き彫りになる。

 またそれを聞き返すと 今度は自分の中の想像力が刺激され さらにより物語に浸ることができる。
 ふと今思いついたことだが、現代のこの目まぐるしく変化する世の中では、そんな能動と受動を 素早く行き来する楽しみ方が必要ではないか?

 ……少し分かりにくい言い回しになってしまったが、ようは 名作の原作に近いものがネットには溢れている。だからこそ それに自分の方から積極的にアプローチをして朗読するなり、声劇にしてみるなり、音楽にしてみるなりと、まさに私的マルチメディア的な楽しみ方とでも言うのか? ともかくこれは、少なくとも様々な人に 悪い影響はないのではないか?

 少なくとも私は それだけでとても充実感が味わえる。

 皆さんもそれぞれのやり方で、是非とも試してみてほしい。

 おわり

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