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水泳教室にカナブンを持ち込んだ話

どうも、ひらおです。
皆様お元気でしょうか。

ひらお家は最近まで親子3人、
胃腸炎でぶっ倒れておりました。

まず娘が保育園で感染し、
看病しているうちに妻がかかり、
俺にうつり…というありがちな流れですな。

皆全然食べられず、食べても出ていくので、
脱水症状にならないよう、
水分だけは頑張って摂るようにしておりました。

胃腸炎辛いねぇ、と語り合っていたのですが。

検査をしたところ、
妻だけは胃腸炎じゃありませんでした。

食中毒でした。

…え?は?なんで?

どうやら肉団子を火を通さずに食べたそうです。


なんでや。

なぜこのタイミングでそんなことしてしもうたんや。
当然胃腸炎だと思うじゃん。

今では皆無事に快復しました。
よかったよかった。

以下カナブンの話になりますが、
クソどうでもいいので読んでいただかなくても結構です。


俺は小学校低学年の頃、
水泳教室に通っていた時期がある。

残念ながら才能はなかったようで、
ひらおなのにひらおよぎができず
辞めることになるのだが、
途中までは楽しく通っていた。

また、時を同じくして、
俺はカナブンにハマっていた。

カナブンを一応説明しておくと、
コガネムシみたいな昆虫である。

住んでいたマンションの廊下の溝に、
こいつが時々迷い込んで来るのだ。

あまり賢い虫ではないようで、
溝に嵌まったが最後、
駄々をこねる赤ちゃんのように仰向けに足をバタつかせ、
飛べることを忘れて死んでいく。

そういう虫である。

だがそんな哀れな姿は男子の興味を惹きつけるようで、
帰宅するひらお少年に見つかったカナブンはそのまま家に連れ込まれていた。

責任を持って飼うのであればそれも良いと思うのだが、

そこまでマメではなかった俺は、
連れ帰ったカナブンを
父親がカブトムシの幼虫を育てていた土に無造作に放り込んでいた。

そのうち、

父「今年のカブトムシの幼虫は小さいなぁ」


というホラー映画の伏線みたいな発言を経て、
カブトムシに代わって大量のカナブンが誕生し飛び立っていった。

俺は笑っていたが、
父親はカナブンの詩をブログに書いてしまうほどショックを受けていた。

今思うと、悪かったと思う。
すまんな。


そんな感じでカナブンが好きだった俺はある日、
水泳教室に行こうと家を出た。

溝にカナブンが落ちている。

拾いたいなぁ。
でも家に連れ帰る時間はないな。

またカナブンが落ちている。
うう、拾いたい。

エレベーター前。
なんとまたカナブンがいる。

…我慢できない!
これはもう拾えっていう啓示だろ。

そう考えた俺はカナブンを3匹とも拾い、
プールバッグに入れることにした。

さすがに水着と一緒にするのは気が引けたので、
小さなチャックのついた、小物入れゾーンにしまった。

チャックを閉めておけば、逃げる心配もないだろう。

目的を達成した俺は意気揚々と水泳教室に向かった。
途中、珍しい色のBB弾も拾ってご機嫌だった。

ー更衣室ー。

着替えを終えた俺は、
普段通りプールに向かおうとして、ふと思った。

チャックを閉めていたら、カナブンは息ができないんじゃないか…?

小学校低学年といえど多少の良識はあり、
この場でカナブンを解放してはいけないことは理解している。

だけどなぁ、カナブンかわいそうだよな…うーん。

悩みに悩んだが、ひらお少年は優しい男の子であった。

カナブンが逃げない程度にチャックを少しだけ開けて、

それとなぜかBB弾をバレないように握りしめてプールへと繰り出していった。

ちなみに、その日はずっとBB弾を握って泳いでいた。

落とさなかったのは我ながらすごいと思う。
でもそりゃあ平泳ぎなんかできるわけねぇだろとも思う。

さて、教室が終わり、
更衣室へと戻ってきた俺はドキドキしながらプールバッグを覗いてみた。

カナブンは無事に残っていた。




1匹だけ、残っていた。




俺はゆっくりと深呼吸をして、
そのまま1匹のカナブンを連れて帰宅した。

あの日解き放たれたカナブンはどこへ飛び立ったのだろうか。

その行方を、俺はまだ知らない。

おしまい

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