「効率化」と「省人化」は売り上げのため以上に、誰かの幸せのためにあるはず
こういうことをいうと怒られるかもしれないが、人間をロボットのように働かせることに成功した日本は、見事、高度経済成長を経験し、経済的に豊かな国になったと思う。
ここまで死のリスクも低い国になったことは本当に凄いことだと思うし、絶望的な将来が待っているような予想がされているにせよ、まだまだ経済大国である。
これから社会で働く大学生たちが「ビジネスには関心がない」だとか、勉強せずに遊んでいたり、就活を自分以外の誰かのせいにしてみたり、そんなことができるのは国が豊かな証拠でもあると思う。
世界の、今日・明日を生き抜こうとしている人たちは、必死にお金を稼ぐために頭を使っている。
日本は仮にお金に困っても、餓死するリスクも世界的に見てもめちゃくちゃ低いと思う。だからこそ、「世界のために自分たちがどう動くか?」ということを考えたほうがいいと思うんだけど、
島国のせいか、日本以外の国は、どこか遠い存在のように感じる人も多いだろう。
経済大国とはいえども、うかうかしていられない。少子高齢化による、高度な高齢化と労働人口の現象は免れない。
働く人がいないくなるということは、生産する人がいなくなるということである。
これでは既存のシステムを維持することができないから大変だ。だからこそ、デジタル化できる部分はデジタル化して、人が少なくても済むように効率的に、さらに人がしなくてもいい仕事はAIやロボットに任せてしまう方がいいと、ここまでは見えている人も多いと思うが、
とは言っても、全然効率化しようとしない人たちもいる。いまだにFAXや電話や郵送・押印で仕事をしようとしている。
ディスりたいわけではなくて、その進め方に慣れていたり、その進め方で満足しているからだと思う。
だから進む改革もおそらく進まない。
そんな中、「将来的にこうなるから今からこうしておかない」という話は想像しにくいことで、現実味がないように思われる。
だからこそ、もっと声を大にして言ったほうがいいのは、
デジタル化して仕事を効率的にこなしたり、ロボットやAIを活用することで省人化することは、自分たちが働かなくてよい時間が増える。
ひいては、自分の大切な人との時間や、自分がやりたいことに割ける時間が増える。もしくは、よりお客さんのことを考える時間を捻出することで、人間にしかできない仕事を獲得していこう。
ということをどんどん発信したほうがいいと思う。
で、一番解決すべきはやはり経営者のマインドで、従業員の幸せや従業員の家族の幸せを願うのであれば、働く時間は少ない方がいいのである。
自分が働くのが好きだからという理由で、それを他者に押し付けるのは全くもって変な話である。
経営者のマインドを変えないといけない理由は、従業員レベルで効率化・省人化したところで、
「結局、また違う仕事をやらされるんでしょ」
「AIヤロボットが自分たちの仕事を奪うんでしょ」
と思うからである。
この不安を払拭しない限りは、わざわざ今の仕事のやり方を変えてまで、効率化したりする必要がないのである。
だからこそ、今一度、
「自分たちがお客さんの何を解決するために存在している会社なのか」
「労働時間を減らすことが従業員や従業員の家族の幸せな時間につながるのではないか」
「効率的に仕事を終わらせたり、人がやらなくていい仕事をロボットやAIに任せることで、人にしかできない仕事をもっと生み出せるかもしれない」
とマインドを変えていくことである。
デジタルトランスフォーメーションに必要なのは、デジタル化の前に企業文化を変えることである。
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