もはや東京都内に居る必要もなくなったというリモートワーカー(テレワーカー)は新潟市への移住を検討してみてください。

政府の働き方改革による後押しもあり、リモートワーク(テレワーク)に対応している企業はIT分野や研究職を中心に増えていっております。2018年時点で14万社(20%ちょい)。2022年には30万社(30%超)程度がテレワーク対応企業となる見込みのようです。

加えて、新潟県は、20代以下を中心に移住検討者、移住相談者が多い地域です。移住関連ランキングはさまざまな媒体が統計発表していますが、だいたい都道府県別でみると5本の指に入っていることが多いです。

つまり、
"リモートワーカーになる(なった)ことをきっかけに地方移住を検討しはじめ、その候補に「新潟」が含まれている人"
もしくは
"いずれ新潟に住んでみたいと思っているので、それを実現するための一つの手段としてリモートワーク(テレワーク)対応企業への就職を検討している人"
は潜在的に既に多いし、これから増えることは明らかです。

ということなので、既に新潟でリモートワークをやっている僕から、少し背中を押せるような情報をいくつか紹介できたらと思います。


結論から言うと、新潟とリモートワーカーの相性はバツグンに良い です。
(※以前の記事でも書きましたが、新潟県といっても「東京と神奈川と千葉と埼玉の合算」くらいデカいので、ひとまとめに語るとどうしても齟齬が出てきます。なので、ひとまず東京都とフェアに比較するために「新潟市」を前提にしています。)

なぜ、新潟とリモートワーカーの相性が良いのかというと、たくさんあるのですが、今回は、新潟での生活においてよく語られるデメリットは、リモートワーカーにとってさしたる問題ではないことが多い からだという部分にフォーカスしてみます。
(※降雪の話など、別の文脈で、他の記事でもちょいちょい書いている部分は若干割愛します)

それでは、具体的にいくつか例をあげていきたいと思います。


就業の問題

一般的なオフィスワーカーのライフスタイルを基準にして考えると、地方移住した場合は、基本的にはその土地で仕事を探し直す必要があります。現職との契約を維持したまま移住できる場合でも、やはり転勤や退職リスク等を考えると、現地就職の可能性についてはどうしても気になってくるポイントです。

実際に、2019年の東京の有効求人倍率は2.12倍なのに対して、新潟は1.67倍です。年収の中央値でみても、東京は572万円なのに対して、新潟は362万円です。

地方の家賃の低さなどを加味した、トータルでのリビングコストで見た場合には、この平均モデルで暮らした場合、生活水準が新潟の方が低くなる…というわけでもないのですが、もっとシンプルに考えて、東京から来た人が、そのままの金銭感覚で転職活動をしようとすると、「思ったより良い条件の求人ないじゃん」となってしまう可能性はあります。

しかし、冒頭に申し上げました通り、リモートワーカーの場合は、この新潟のデメリットはさしたる問題ではないはずです。当たり前の話ですが、リモートワーカーは、リモートワークに対応している世界中の企業に自由に応募することが可能ですので、新潟に籍を置く企業にとらわれる必要がないからです。

(逆に言えば、新潟に籍を置く企業であっても、リモートワークに対応してしまえば、全世界の労働者をターゲットに求人を打つことができるようになります。)


日照時間と降水日数の問題

いわゆる日本海側に位置する都道府県は、雨の日が多く、また陽が出ている時間も短いです。実際に、2017年は東京は365日のうち93日が雨日だったのに対し、新潟は167日です。ちなみに最多は福井の185日、最小は宮城の86日です。

一般的なオフィスワーカーが週に5日、バス・電車・自転車・徒歩などで通勤をしなければならないと考えると、雨の日が東京の1.8倍弱多いというのはずいぶんと気になるポイントかもしれません。

しかし、例のとおり、リモートワーカーは基本的に出勤しませんので、雨の日は家で仕事をすれば良いですし、仮に雨の日に外出をする必要があったとしても、公共交通機関が空いている時間を選ぶなど、雨の日を快適に過ごす逃げ方はいくらでもとれます。「利便性とか関係なく、好みの問題として、雨の多い場所には住みたくないんだ」といった感情的な要因でもない限り、降水日数はさしたる問題になりません。

続いて、新潟の日照時間は、東京と比較した場合、だいたい一日11.5分短いです。計算してみたら想像よりも遥かに誤差レベルだったのですが、例えばオフィス出勤のOLの方であれば、退社時に東京の同時間帯よりも暗くなっているというのは、地方の電灯数を加味すると安全面でネガティブなポイントになるのかもしれません。しかし、リモートワーカーにとっては降水日数同様、暗い時間での外出を避けることがそもそも可能ですし、気分や好みの問題に落ち着いてきます。


公共交通機関の充足具合の問題

新潟に限らず地方は往々にしてそうだと思うのですが、電車やバスなどの本数が少ないです。出勤時に急いでいるときに、目の前で電車やバスが行ってしまい、次の便が15分後とか30分後とかになってくると、たぶん誤魔化せないくらいは遅刻します。

終電においても、新潟駅に停車する路線の終電は23時半ごろが多く、日を跨いで電車が動いている東京と比べると若干ではありますが、公共交通期間は不便だと感じるのではないでしょうか。

ただ、リモートワーカーの場合は、過ごし方にもよりますが、電車やバスに乗る回数は、たぶん大幅に減るはずです。加えて、リモートワーカーには、日常生活において「急ぐ理由」が無いことが普通です。真夏日でもない限り、20分程度であれば余裕で待てます。

リモートワークといえども、時間感覚や公共交通機関の利用頻度については会社のルールにも依るところも大きいかもしれませんが、ノートPCを使って自宅やカフェで働くスタンダードなスタイルであれば、地方の公共交通機関のデメリットも、さしたる問題だと感じない方がほとんどだと思います。


他にも「新潟に住むことのデメリット」は探せばあるかもしれませんが、パッと思いつく範囲においては、やはり、リモートワーカーであればさしたる問題ではないことがほとんどです。

もちろん、新潟に限らず、首都圏から離れるなら覚悟しなければならないデメリットは当然あります。

例えば…

最速または最安値で東京に行く場合の、県別の比較

長野県: 最安→1,300円(深夜バス) 最速→1時間半(新幹線)

北海道: 最安→5,230円(飛行機) 最速→1時間半(飛行機)

福岡県: 最安→5,770円(飛行機) 最速→2時間(飛行機)

山梨県: 最安→1,600円(深夜バス) 最速→1時間半(飛行機)

静岡県: 最安→1,300円(深夜バス) 最速→1時間(新幹線)

新潟県: 最安→1,900円(深夜バス) 最速→1時間半(新幹線)


金額を無視してどれだけ急いでみても、東京へのアクセスは1時間以上は掛かりそうです。逆に、時間を無視して金額だけを気にした場合においても、首都圏内の移動のように数百円で収められるほど甘くはないようです。友達にその日になんとなく飲みに誘われて行けるような「気軽さ」は無いかもしれません。

このように、さまざまなデメリットをさしたる問題としない「新潟のリモートワーカー」といえど、回避できない不便さはどうしても存在します。


まとめ

今回お伝えしたかったことは「あなたが挙げたその新潟のデメリット、さしたる問題じゃないですよ。そう、リモートワーカーならね」ということでした。

リモートワーカーは、その特性から、オフィスワーカーよりもかなり気軽に移住を判断することができます。(そのため、世界を見てみると、リーズナブルな税収の向上手段として「リモートワーカー誘致」は割と一般的のようです。)

しかし、「気軽に東京に行けなくなる」など、どうしても地方移住するにあたって覚悟しなければならない不可避デメリットも、またあります。

そんなわけで、地方移住のメリットは皆さんご存知だと思うのですが、今回はデメリットにフォーカスしてみました。

ではまた。

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