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人を誘導する3つの方法【プライミング効果・フロリダ効果・可用性ヒューリスティック】

人を動かすには、論理では動かないですよね。人は感情の生き物です。今回はその感情を操作する合理的な心理学について汎用的に簡単に使える心理学をお伝えしようと思います。

まず、実験結果から

プライミング効果

ある単語に接したときには 、その関連語が想起されやすくなるという明らかな変化が認められることがわかった 。たとえば 、 「食べる 」という単語を見たり聞いたりした後は 、単語の穴埋め問題で “ 〝 S O □ P ” 〟と出されたときに 、 S O A P (石けん )より S O U P (ス ープ )と答える確率が高まる 。言うまでもなく 、この逆も起こりうる 。たとえば 「洗う 」という単語を見た後は 、 S O A Pと答える確率が高まる 。これを 「プライミング効果 ( p r i m i n g e f f e c t ) 」と呼び 、 「食べる 」は S O U Pのプライム (先行刺激 ) 、 「洗う 」は S O A Pのプライムである
ファスト&スローより引用

簡単に言うと、
人間は最近見た言葉に関連したことを想像しやすくなる。
ということです。
プライミング効果

具体例

具体的にいうなら、皆さん一度はやったことはあるあの有名なゲーム。
ピザを10回言って、それはヒザではなくヒジだよゲームですね。

私の予想ではピザと言ううちに、脳の手続き記憶が似ている単語を無意識に引き出しやすく検索をかけているのではないかと思ってます。
素晴らしい脳の検索機能ですが、進化の発展途上の我々の脳にはまだまだ欠点は多いのです。

フロリダ効果

次の実験です

この実験では 、ニュ ーヨ ーク大学の学生 (一八 ~二二歳 )に五つの単語のセットから四単語の短文をつくるよう指示する (たとえば 、彼 /見つける /それ /黄色 /すぐに ( * 5 ) ) 。このとき一つのグル ープには 、文章の半分に 、高齢者を連想させるような単語 (フロリダ 、忘れっぽい 、はげ 、ごましお 、しわなど )を混ぜておいた 。この文章作成問題を終えると 、学生グル ープは他の実験に臨むため 、廊下の突き当たりにある別の教室に移動する 。この短い移動こそが 、実験の眼目である 。実験者は学生たちの移動速度をこっそり計測する 。するとバルフが予想したとおり 、高齢者関連の単語をたくさん扱ったグル ープは 、他のグル ープより明らかに歩く速度が遅かったのである 。この 「フロリダ効果 」には 、二段階のプライミングが働いている 。第一に 、一連の単語は 、 「高齢 」といった言葉が一度も出てこないにもかかわらず 、老人という観念のプライムとなった 。第二に 、老人という観念が 、高齢者から連想される行動や歩く速度のプライムになった 。これらは 、まったく意識せずに起きたことである 。実験後の調査で 、出された単語に共通性があると気づいた学生は一人もいないことが判明した 。彼らは 、最初のタスクで接した単語から影響を受けたはずはない 、と主張したものである 。つまり老人という観念は 、彼らの意識には上らなかった 。それでも 、学生たちの行動は変化した 。
ファスト&スローより引用


簡単にいうと、
関連する言葉を遠回しに想像させると、無意識に行動に移すようになる。
フロリダ効果

今回の実験では高齢でしたが、本質さえ理解していれば生活に応用できます。

具体例

例えば、旅行中としましょう。
旅行は楽しくいたいですよね。どこも楽しい場所のはずだと思い計画を立てますが、実際には意外と普通なものです。

そのときに、これはつまらない。あんまり楽しくないね。ここは飽きたな。と一緒に来た人に話すとしましょう。
相手としては楽しかったとしてもフロリダ効果により、つまらなく、楽しく無く、飽きたような行動をしはじめてしまいます。

幸福のフロリダ効果

当然、逆も起こります。
隣につまらなくても、前のめりで、楽しく、ずっとノリノリでいる人いたら、自分まで楽しくなりませんか?

だから、人気のお笑い芸人、タレント、YouTuberは全員楽しそうでテンションが高いんですね。
彼らはフロリダ効果の達人です。人を幸福に導きたいのであれば、是非真似してみましょう。

旅行はあなたがいなければ楽しくないと言ってもらえたら嬉しいですよね。

可用性ヒューリスティック

可用性ヒューリスティックについてですが、これらのプライミング効果、フロリダ効果などの大元のようなものです。呼び方です。

この心理学の本質は、脳は関連したことをしやすい。
という解釈ができます。

なぜこのようになったかというと、物理世界の全ての情報を常に脳が考えながら動いていたら、エネルギーがいくらあっても足りません。
なので、省エネをしているんです。

だから、さっき聞いた関連した言葉を思い出しやすくしたり、さっき聞いた言葉の行動をしやすくしたりしているんです。

個にして全、全にして個

周りの人から聞いた情報を自分の中に無意識に取り込んで個人では無く、全体として動きやすく脳が作られているんです。神の意思ではなく、自然選択です。

私たちって一人で考えてるように見えますが、一人の考えではなかったんですね。

みんなで一つだったんです。

実践メルカリ販売テクニック

さて、これを応用した使い方ですが、メルカリです。
最近ではフリマアプリの登場で個人間での取引が可能となりました。
しかし、メルカリでは匿名です。つまり、適当な商品を扱っても現実世界でのダメージは0に近いのです。
だから多くの人は匿名を良いことに、心ないことをしてしまいやすくなります。

騙してやろう。という利己的な思考を持つ人は人間には常に一定数存在していることは忘れてはなりません。これも人間の生存には大切な人材です。責められるものではありません。

多くの人はこの事実に簡単に気がつき、変な人とは取引はしない。と頭の片隅に常にあります。
私自身も変な人と取り引きしないように常に警戒しています。

こんな警戒があるときに便利なのが、このフロリダ効果や、プライミング効果です。

紹介文の中に信頼や安全や綺麗や不備がある部分などをしっかり明記することで相手の無意識に信頼感を与えることができます。

見た目が9割という本が流行りましたが、まさにその通りです。写真はできる限り綺麗に美しく撮ってください。見た目の効果は想像以上に働いてくれます。ハロー効果

これで売れる品物に信頼という付加価値が付き、更に売れることになります。

短期的にみたら大したことはありませんが、長期間で見たら素晴らしい効果を発揮します。
是非ご活用ください。

まとめ

関連したポジティブワードを盛り込むと無意識に想像する。

仕事を生産的なものにするには、成果すなわち仕事のアウトプットを中心に考えなければならない。技能、情報、知識は道具にすぎない。
- ピーター・ドラッカー -


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