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イエベブルベとか診断系、本当に楽しいですか?

これはもうね、ずっと言いたかった話です。今だからこそ敢えて言ってみるスタイル。

ここからはあくまで僕個人の考えです。そう思わない、それが仕事だという人もいて当然なので意見のひとつとしてご了承頂ければ。

可能性を消していないか

まず結論から言いますと、可能性を消してるようにしか思えないのですよ。

あなたはこの属性だからこの範囲から選びましょうね、というのは暗に「この範囲からしか選んではダメ」と言ってるのと同じです。そう明言していなくても言われた方はまずそう取る。これは某業界紙の編集トップも書いていたけれど。

特に日本人は言われたことを真に受ける、真面目に守ろうとする民族です。だからその教えを守って、頑なにその範囲から出ないように守りに入る。勧められても拒否る。3万人のお客さまをお相手する中で、そういう人を何人も見てきました。そういう制約って楽しいのかな?と常々感じていて。

仮にその時点ではその色が合っていたとしましょう。では半年後、一年後は?

人なんてちょっと方向性が変われば似合う色やデザイン、必要な服もガラッと変わるんですよ。特に働き方、髪型や髪色でもニーズは大きく変わる。これで一生モノみたいな診断なんてあり得ない。手相だって変わると言いますしね。でも「一生の教科書を手に入れた♪」みたいに思ってる人も少なくないでしょう?

ファッションというのは、その人の可能性を広げていけることが一番の魅力だと思っています。

今まで自分で気付いていなかった魅力を発掘したり、歳を重ねたりポジションが変わることで新たなスタイルを身に付けたり、色んな可能性を試して自分の世界を広げていけるのが本質です。それを逆に狭めてどうするんだと。

ファッションはガンガン気分に左右されていい

もうひとつ大事なことです。
難しく考えず、今日はなんとなく明るい色着たくないor引き締めたいから黒で、とかちょっと気合入れたいしテンション高いから赤でいこう!みたいな決め方でいいんです。その日自分が落ち着く・フィットする服を着るのが一番いい。メンタル的にも安定するし、服に守ってもらえます。

でも決まりごとがあると、この中だとこれ着なきゃ…という無意識の制約や葛藤が生まれる。それって、なんか違うんじゃないだろうか。

もう少し言うと、似合う似合わないを自分で決めてないのが問題。

診断によってはじき出された結果、というだけで別に自分のパーソナルな内容ではない。そこに自分の感覚は介在してない。あなたは体質的にこの食材が合います、と言われたものが好みじゃなかった場合、それだけ食べて生きていけますか?という話です。

なんでもそうですが、自分で決めていかないと、いつまでたっても誰かに決めてもらうことになる。

僕もスタイリストとしてアドバイスはします。でも最終的に決めるのはお客さま。そこは口出ししません。「自分で決めて買う・着る」というステップが大事だからです。それをやってこそ判断力や覚悟、客観的な目が養われていく。

業界の使命

似合う色やデザインを限定していくということは、わざわざ自分から世界を狭めていることになります。それって勿体なくないでしょうか。一時的にブームになっても、ひいては業界にだってマイナスがあるんじゃないかと思う。今は属性ものが売れるからと集中したら、どこも似たようなものばかりになって全体としての魅力はなくなる。

アパレルやビューティー業界の人は、お客さんの可能性を広げてあげることが使命ではないのですか。こんなデザインや色だって似合うんだ、それはあなたの考え方次第でいつでも変えられるんだよと教えてあげるのが仕事だというのは理想論でしょうか。

だけど目先のことばかりにフォーカスした結果、特にアパレルは今の現状があるわけで。コンサルとかも顧客の思考の枠組みを制限した方がラクなのだけど、そういうことをすると相手が成長しないし、いずれ顧客は離れていきます。

 
仕事的な話で言うと、診断系を学んでなくても全く困っていないというのもある。

僕は部類で言うと叩き上げです。
バイヤーとして販売員として経験を積んで始めたので、特にスタイリストの教育を受けたり診断系を学んだわけではなくって。でも延べ30,000人のアドバイスをする中で診断ワークが必要だなと思ったことはありません。

お客さまの話を聞き、今後の展望を伺い、少し時間を共にすれば必要なものは見えてくる。服の形やデザインや色ありきではなく、その人の将来に必要なものという視点で探していく。

だからこれからスタイリストを目指す人にも言いたい。お客さんとどれだけ話せるか、本音を引き出せるかの方がよっぽど大事だと。養成講座やってもいいし現にスタイリストの方でも相談受けますよ。メディアでやっていく場合は師匠の名前が看板になるので居た方がいいかもだけど。最初のアウェー感がハンパなくて泣きそうになりました。

人間の本質は「自由」

少し脱線しましたが、最終的に人間は本質的に制限されるのが嫌いということに尽きると思います。

今回の事態になって、不要不急の外出は避けろとか外出禁止だとなって世界中でデモが起きている。ロックダウン反対デモとかやってるから収まらないんだぞとは思うけど。日本の我々だって様々な制限が掛かって相当のストレスが溜まっているはずです。

慣れてしまった部分もあるけど、やっぱり自由に動きたい。自由に外出して人に会い旅に出たい。それが本心でしょう。だから制限は多くの場合、自分でない誰かの都合によるものなんです。

今回の話題で言えばそれを教えている人、利益になる人ということになる。

別にそれが気にならないならOKだし、自ら望んで学ぶならいいと思う。だけど自分の服やメイクは自分の好きに、自由に選んだ方が楽しいんじゃないかな、と僕は考えます。現実に、制限されることに窮屈さを感じて飛び出していく人もたくさん見てきていますし。

全ては、あくまで世にある教えのひとつです。僕が伝えていることもそうだし。

何を教わってもいいのだけど、その中でも”あれダメこれだけ”という制限の少ないものを選んでいくことが、自分自身の可能性を広げることに繋がっていくのではないかなーと思って、いや、確信しています。

自分から狭めに行くことないですよ何事も。別に失敗したからって消されるわけじゃないんだから、好きな道を歩んでみればいいんです。この道を行けばどうなることか。行けば分かるさ。プロレスファンとしてアントニオ猪木さんの回復をお祈りします。

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