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スタイリストが婚活に関わることになった二つの理由

改めて、僕の仕事はスタイリストです。
 

TBSさんの番組等メディア向けの仕事もしていますが、変わらず続けているのは個人の方をスタイリングする仕事。東京の様々なショップを回って、ニーズに応じた「その人だけの一枚」を提案しています。
  

そんな僕が最近始めた仕事が、結婚相談所での会員さま向け講座の講師。

 
講座の内容は、もちろんファッションと外見に関すること。まずは「選んでもらえるプロフィール写真」「ミスマッチのない印象作り」を目指して、意識改革をしていただく為の講座を担当しています。
 

なぜこの仕事を受けようと思ったのか

これまで様々な方を担当させて頂く中で、婚活をされているお客さまをスタイリングすることも多くありました。

 
そんな中で、二つの印象的なエピソードが強く印象に残っているんですよね。

 
ひとつめは、お話の流れから「傾向と対策を掴んでほしいんです」ということで結婚相談所の会員写真を拝見させて頂いたのですが、、
 

見た瞬間、僕はフリーズしてしまった。

 
なぜなら、そこにはサイズの合っていない黒スーツ、白いシャツに黄色いネクタイを締めた男性がズラッと並んでいたからです。なにこれ間違い探し?

 
個性もなく、人柄もまったく感じられないプロフィール写真を見て、どうやって選んだらいいのだろう?
そもそもちっともワクワクしない!僕が女性だったら怒るでしかし。もう通じない世代も居るか。

 
いや真面目に、これは本格的に改善しなければと思いました。結婚という人生での節目のイベントなのに、なにこの期待感の無さは。せめてキャバクラとかホストクラブの10分の1くらいはドキドキさせようぜ。

 
もうひとつは、サポートする側の問題。

 
仲人さんやお世話人という立場の方は、成婚に向けて様々な角度からサポートするプロであるはず。専業という方は少ないでしょうけど、経験から幅広くサポートすることが求められているんじゃないか思います。

 
ところが婚活中のお客さまから聞くお話は「あなたはそんな高望みしないで!」「諦めないで頑張って!」という根性論のアドバイスばかり。なかなか進まないのは本人の努力が足りないから、という結論になってしまうのですね。

 
もちろん、本人の努力というのは幅広い意味で大事。でも、どこをどう頑張ったらいいか?見た目をどう変えたらいいか?という専門的なアドバイスがなきゃ出来るわけないでしょ。今どきSiriとかアレクサに聞いた方が良いこと言ってくれるんじゃないの。ハッピーバースデー歌ってもらってもあまり嬉しくないけど。

 
根性論で結婚できる人はとっくにしてます。やはり必要に応じて専門的なサポートやフォローが必要だと思うんですよ。そういった親身なアドバイスをしている方もいるのでしょうが、出来る人が少ないということでしょう。
 

部外者から見た、婚活業界に感じる限界

結局「成婚」がゴールになっているので、結婚についての専門家は揃っているけど、その過程で必要な見せ方や個別のジャンルのプロが少ないと思うんですね。現状のマンパワーでなんとかしようというアナログ感が強い。だから、今回のお話を頂いた時は我が意を得たり!と思ったのです。

 
正直ね、見た目の印象大きいよ!
同じようなスペックの人が居たら、お洒落で清潔感のある人を選ぶでしょ?

 
気合いや心理的な努力よりも、外見の印象を変えた方がよっぽど即効性があります。その人を表現する色、デザイン、コーディネート、ヘア、メイク、表情…挙げたらキリがないけど、それを意識するとしないでは与える印象に大きな差が出てくることは間違いない。これは自信を持って言い切ります。

結婚はゴールでない、スタートだ。

これは広く一般に言われていることです。独り身の時は結婚がゴールに見えるけど、実際に結婚してみたらそこがスタートでしかなかったという。それが証拠に、結婚してみたらこんなはずじゃなかった!という話をよく聞きませんか。デートの段階ですら「イメージと違ってガッカリした」と不合格判定をされてしまうことだってある。

 
僕はそんなミスマッチを少しでも減らしたいし、「実際にお会いした方が素敵ですね」とつい漏らしてしまうようなスタイリングを提供したい。社交辞令じゃなく、思わず漏らしちゃうのがポイントですよ。
 

スタイリストができること

晩婚化や離婚、”おひとりさま”が一般化していく中で、昔に比べて「オトナの結婚」が増えていくと思うんです。

 
若さや勢い、条件だけでなく、人としての魅力を吟味しながらの婚活。当然人生経験も豊かなので選ぶ目だって厳しいわけで、選考基準のひとつとして、その方の人生や人柄を表現したファッションがあることが相応しい。むしろそこが欠けていたら魅力は伝わらないでしょう。

 
スタイリストのお世話になれるのは業界人や富裕層だけ、なんてことはありません。僕はもっともっと多くの方に、ファッションで人生を楽しむ、未来を変える体験をして頂けたらなと思っています。

 
ちなみに、僕は見た目はオトナ、中身はコドモ。コナンくんの逆です。いつまで経っても中身が追いつきません。どうしたらいいでしょう。カウンセリングの専門家のとこにでも行ってこようっと。

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