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百里を行く者は九十を半ばとす (戦国策)

おはようございます📚

寒いですね。真冬だから当然か。

さて、今回から『戦国策』から言葉をご紹介することとします。ネタ元はおなじみの守屋洋さんの『中国古典「一日一話」』です。

『戦国策』とは

 日本にも戦国時代がありました。何度も大河ドラマで扱われていて、歴史の中でも人気の高い時代です。なぜでしょう?下剋上、国同士のぶつかり合い、覇権争い、天下統一と、日本人のメンタリティーに染み込んだドラマが繰り広げられ、英雄を多く輩出してきたからでしょう。

 さて、『戦国策』の「戦国」は様相が異なります。古代中国の春秋戦国時代も多くの国が群雄割拠していた時代ではありますが、必ずしも有名で派手な合戦が繰り広げられていたわけではありません。もちろんその側面もあるのですが、国同士の争いの主役は権謀術数であり、『孫子の兵法』が説くように正面衝突の戦争を好まず、まさに戦わずして勝つことを旨としてきた時代といえます。

 そんななかで、その外交術の先鋒となったのが「説客」と呼ばれる人たち。彼らは弁舌を武器に国を渡り歩き、仕官した国の王の意向が実現するように外交を行ったのです。

 『戦国策』は、説客たちの逸話集と言えるでしょう。

90%は道半ば。

 タイトルの言葉は解説する余地はあまりありませんので、意味は割愛してもよいでしょう。

 孟子にもこんな言葉があります。関連するほかの言葉も紹介しているので、過去記事のリンクも貼っておきます。中途半端な段階で投げ出してしまう人は、大成しない、ということですね。
 90%到達したから、と店じまいを意識して気を抜いていると痛い目に逢います。

むべからざるに於いて已むる者は、已まざる所なし (孟子)

孟子


関所を超えたかどうかの判断

 仕事では、拙速を善しとし、6~7割の出来でよしとする風潮があります。それは、最後のツメをして、完璧を目指すのは、労力に対して得られるゲインが少ないからだ、ということを意味しています。

 今回の言葉に対して逆の判断を行っているようにも見えます。

 ポイントは、絶対に外してはならないトッププライオリティの項目と、その次くらいは完璧に仕上げておく。第三優先のものは、今後潰しこむ見通しを持つ(もしくは無視する。)という判断基準を持つことだろうと思います。
 感覚的に、これくらいでいいか、と決めつけてしまうのではなく、六合目あたりに到達したあたりで、これをやらなかったら何か起こるか?と問いかけてみることは、最後の詰めをどこまでやるか、という見通しを立てることに有効であろうと考えます。

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