過去と現在をつなげる

割引あり

本『子どもを生きればおとなになれる』引用
ワーク
「次の問いを読んで、思い浮かぶことを書き出してください。

  • 私の過去は、自分自身についてのイメージに、どのように影響しているだろう?

  • 現在の人間関係に、どのように影響しているだろう?

  • 職場での私に、どのように影響しているだろう?

このステップに取り組むうちに、それぞれの質問にさらにくわしく答える必要が出てくるでしょう。そのためのヒントとして、もっとつっこんだ質問の例をあげておきます。(以降の目次に続く・一部改変)

①子供のときからずっと孤独の中で生きてきたことは、自分自身についてのイメージにどんな影響を及ぼしているだろう?

  • 親からの愛情を得るために、明るく元気な優等生をずっと演じてきた。ずっと演じていたから、本当の自分がどういう人間なのか、自分でもわからない。

  • 就職活動や私生活の中で、自己分析や性格診断も数々おこなってきた。誰といることをイメージするかで診断結果が毎回変わる。そして、誰かの前の自分をいつも、自分らしくないと感じる。

②人間関係にどんな影響を及ぼしているだろう? 友人との関係では?

  • 家族(特に親)と、積極的には会いたくない。親や兄弟の前では明るく元気な優等生を演じてしまい、自分らしくいられない。

  • 親友にも自分の弱さを見せられない。いつも楽しい話ばかりして、悩みなどを打ち明けられず、マイナスの感情をひとりで抱え、募らせてしまう。

  • 友人はとても少ない。嫌なことを言われ、嫌な気持ちにさせられるくらいなら友人はいらない。友人はいなくても良いが、親友には弱さを見せられるようになりたいと思っている。

  • 彼氏にだけは弱さを見せられたので、精神的に彼氏に依存した。その結果、彼氏の裏切りが大ダメージとなり、鬱になった。

  • 職場では、特に直属の上司と良い関係を築くのが難しいと感じていた。高圧的で威圧的な態度には反発してしまうし、自分の考えで仕事を進められないと不満を感じる。一方で、自分の成果に責任をもつことに抵抗があった。怖い上司には、思ってもいないことを言ってすり寄ることもあった。後輩に対しては、寛容に接しすぎて、食事をおごるのが当たり前だと思われたり、舐めた態度をとられたりして、結局仲の良い後輩はできなかった。同期は、最初は仲間だと思っていたが、あからさまに敵意を向けられたりやライバル視されたりすることを苦痛に感じ、最終的には壁を作って、表面的に仲の良いふりだけしてきた。

③子ども時代に失敗をひどく恐れていたことは、今の仕事上での自分にどう影響しているだろう?

  • 家族にはいつも良いことしか言わず、失敗については話さず、ごまかしてきた。失敗や自分の弱さについて、家族には恥ずかしくて言えないと感じてきた。父から失敗をからかわれたり、母から、たいしたことじゃないように扱われるのが怖かった。

  • 仕事上ではずっと「デキる人間」を演じてきた。虚勢をはっていた。社交的で、飲み会が得意なふりをしてきた。こんなにもデキる人間なのに、なぜあまり他人から評価されないのだろうとずっと疑問に思っていた。

  • でもよく考えたら、日程調整は苦手だし、他人と社交的に関わるのも苦手。飲み会での立ち回りに苦労するし、おべっかを言うのは嫌い。本当は「デキないけどがんばっている」人間だったのに、デキるようなふりをし続けてきた。

  • 仕事で好戦的な態度をとってきた(失敗を人のせいにする)のは、子ども時代から家庭内で失敗を認められなかったことの延長だと思う。

④子ども時代にいつも承認を探し求めていたことは(中略)どう影響しているだろう? 人間関係には? 仕事上では?

  • 特に母からの承認を得るために、当たり前のように母に合わせて生きてきた。母の要求を先回りして察知し、それに応えてきた。

  • 友人に対して虚勢をはって、偉そうにふるまい、自分の強さばかりを見せ、友人から「明るく強い人間だ」という承認を得ようとしていた。

  • 特に女性の友人には、本心を言えず、相手に気を遣ってばかりいて、我慢を重ね、相手に合わせて関係を続けることが多かった。母との関係性の延長だと思う。

  • 仕事上では、特に上司に対して気に入られたいときに、相手に合わせることが多かった。戦略的にではなく、反射的に、かつ過剰に合わせてきた。大好きな同僚の悪口を言いたくないのに言ったり、飲み会が嫌いなのに自分から上司を誘ったりした。

⑤⑥(省略)

⑦いつも怖れとともに生きてきたことは、自分自身や、人間関係や、仕事にどう影響しているだろう?

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