Hiroshi SAKAI

堺寛。IT企業の人材開発部門長。「世界最高のコミュニティ型人材成長企業」を目指して邁進…

Hiroshi SAKAI

堺寛。IT企業の人材開発部門長。「世界最高のコミュニティ型人材成長企業」を目指して邁進中。 Gallup認定ストレングスコーチ。個人ミッションは「つながりの芽を育てる」

マガジン

  • 言葉のごちそう

    その言葉を耳にすると、心がよろこぶ。 なぜかは分からないけど元気になる。 本、映画、誰かとの会話でいただいた、そんな言葉たちを記録していきます。

  • 人材開発・組織開発 PickUp

    人材開発、組織開発に関する理論や実践について、気づきが得られたnoteをピックアップしたものです

  • コミュニティカタリストという生き方

    触媒(Catalyst)…特定の化学反応の反応速度を速める物質で、自身は反応の前後で変化しないもの。 人が集まってできるコミュニティにも「触媒」の役割がきっとあるはず。 気がつくと世話役やつなぎ役、ムードメーカーになっている、「俺が!」「私が!」と主張はしないがいないと寂しい存在。そんなあなたと、「コミュニティカタリスト」という生き方について考えるための場所です。

記事一覧

気づけば溜まっておりまして…

お久しぶりです。 「note に書くのはどうも敷居が高いなぁ…」 と思っているうち、いつの間にやら4月を迎えていました。 Twitter には毎日ジャンルごちゃ混ぜで書いてます…

Hiroshi SAKAI
2週間前
16

生命をかけて次の世代に伝える大切なこと 〜『モリー先生との火曜日』『君たちはどう生きるか』『留魂録』

人生100年時代。すでに聞き慣れた言葉になりました。 平均寿命は伸びつづけていますが、当然この世の全員が100歳まで生きるわけではありません。人はいつかその生を終える…

Hiroshi SAKAI
9か月前
9

「聞く」は「聴く」より難しい!? 〜『聞く技術 聞いてもらう技術』

すこし前から話題になっていた『聞く技術 聞いてもらう技術』(東畑開人 著、ちくま新書)を読みました。 読了直後、東畑さんと会話していたような、心の声を聞いてもらっ…

Hiroshi SAKAI
1年前
22

2023年の漢字。行動指針テーマは「結」

2023年も、はや2週間が過ぎました。今年1つ目の投稿です。 年末に、その年の世相を振り返って「今年の漢字」を発表しますよね(日本漢字能力検定 主催の「今年の漢字」)…

Hiroshi SAKAI
1年前
9

「強みに基づく組織文化を築く」〜『ザ・マネジャー』

ジム・クリフトン氏とジム・ハーター氏の共著『ザ・マネジャー』を読みました。 著者2人の肩書きは、ギャラップ(Gallup)社の会長兼CEO とワークプレイス部門 チーフサイエ…

Hiroshi SAKAI
1年前
32

「プロジェクトがあるから対話は起きる」〜『未来を共創する 経営チームをつくる』

「今、自分たちはチームとしてどうなのか?」 こんな風に職場で問われたら、あなたは何と答えますか。 『未来を共創する 経営チームをつくる』は、この問いを出発点として…

Hiroshi SAKAI
1年前
13

仕事の中に「自分」をひと匙入れる 〜『「ジョブ・クラフティング」で始めよう』

人事・人材開発 分野に携わっていると、日々いろんな言葉に出逢います。 心理的安全性 はもはや耳に馴染みましたが、他にも、数多くありますね。DEI、リスキリング、人的資…

Hiroshi SAKAI
2年前
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「寛にして栗…」で始まる九徳は3つでも上々!? 〜『書経』より

古典的名著を読む読書会「人間塾」に参加するようになり、もうすぐ10年が経ちます。 東洋哲学から西洋心理学、中国古典から存命経営者著書など幅広く名著を読んできたわけ…

Hiroshi SAKAI
2年前
16

「去稚心、振気、立志、勉学、択交友」 〜 橋本左内が『啓発録』に書き遺したこと

橋本左内(はしもと さない)という人物を、ご存知でしょうか?  橋本左内は幕末の1834年に生まれ、25歳にして「安政の大獄」により、幕府に処刑されます。  まるで花火…

Hiroshi SAKAI
2年前
13

「自分以上にいいものを書く必要はない。しかし、自分以下になってはいけない」 〜『伝わる・揺さぶる!文章を書く』

罹っていたのは「書けない」病ではありませんでした。 最近、当noteと本家ブログともに、更新頻度がめっきり減りました。 「あ〜、書けない病に罹っているぞ」と思い込ん…

Hiroshi SAKAI
3年前
27
+2

空あれこれ

Hiroshi SAKAI
3年前
5

「大丈夫 行こう あとは楽しむだけだ」〜YOASOBI「群青」

YOASOBIの1st LIVE「KEEP OUT THEATER」から早くも1週間がたちました。久しくライブにも行っていなかったので、ワクワクしながら開演を待つのは何年ぶりだったことか。 …

Hiroshi SAKAI
3年前
16

ikura's voice「嗚呼/あぁ」の魅力 ─YOASOBI「THE BOOK」

今年1月6日に発売された YOASOBI 初のCD「THE BOOK」。 Ayaseさんの楽曲とikuraさんの歌声が心地よく響くこのアルバムは、発売から1ヶ月経った今もランキング上位に並ん…

Hiroshi SAKAI
3年前
24

「心は楽しむべし、苦しむべからず」〜貝原益軒『養生訓』の教え

貝原益軒の『養生訓』。日本史の授業で習った覚え、ありますよね? 僕も書名だけ知っていたものの内容に触れたことはなく、つい最近 初めて読む機会がありました。 養生…

Hiroshi SAKAI
3年前
14

渋沢栄一氏の語る「まごころ」とは? 〜 『雨夜譚』より

2024年に刷新される1万円札の肖像画は、500近くの企業立ち上げに関わり、「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一氏に決まっています。(画像は財務省Webページから) 渋…

Hiroshi SAKAI
3年前
6

「読書は、心の食物だ」〜『修身教授録』より

先日の読書会人間塾で、森信三さんの『修身教授録』を読みました。第1回の課題図書になって以降も何度か取り上げられており、読書会で読むのは今回が6回目。読むたびに違う…

Hiroshi SAKAI
4年前
22

気づけば溜まっておりまして…

お久しぶりです。 「note に書くのはどうも敷居が高いなぁ…」 と思っているうち、いつの間にやら4月を迎えていました。 Twitter には毎日ジャンルごちゃ混ぜで書いてますし、facebookにも生存確認的に週1ペースぐらいで何かしら書いています。ただ、note にはどうもアップできない。下書きばかりが溜まっていく…。 なんとかしたいなぁと思っていたところ、こんな文章に出逢いました。 どうでもいいことを書けばいいいやはやなんとも面白かった。そして、目から鱗がポロポロ

生命をかけて次の世代に伝える大切なこと 〜『モリー先生との火曜日』『君たちはどう生きるか』『留魂録』

人生100年時代。すでに聞き慣れた言葉になりました。 平均寿命は伸びつづけていますが、当然この世の全員が100歳まで生きるわけではありません。人はいつかその生を終える日を迎えます。 つい先日、僕より十歳も若い仲間がこの世から旅立っていきました。 お通夜から帰宅して本棚を眺めるうち、自然と手が伸びた幾つかの本があります。 共通点は、生命をかけて次の世代に大切なことを伝える姿でした。 大切なことを次の世代へ本記事では次の世代へ送るメッセージが印象的な3冊のうち、記録しておき

「聞く」は「聴く」より難しい!? 〜『聞く技術 聞いてもらう技術』

すこし前から話題になっていた『聞く技術 聞いてもらう技術』(東畑開人 著、ちくま新書)を読みました。 読了直後、東畑さんと会話していたような、心の声を聞いてもらったような、あたたかい気持ちに包まれたのを覚えています。 これまでの人生で、話を聞いてくれた人、大切な話を聞かせてくれた人、うまく聞けなかった人……、色んな人たちの顔が浮かんでくる 不思議な読書体験でした。 『聞く技術 聞いてもらう技術』この1年、職場での1on1やストレングスコーチングのセッションなど、1対1で

2023年の漢字。行動指針テーマは「結」

2023年も、はや2週間が過ぎました。今年1つ目の投稿です。 年末に、その年の世相を振り返って「今年の漢字」を発表しますよね(日本漢字能力検定 主催の「今年の漢字」)。 一方、年頭に自身の行動指針やテーマを1つの文字に込めて宣言する方もおられます。僕も昔はやっていたのですが、最近ご無沙汰していました。 年初に友人の宣言を目にしたこと、勤め先でも昨年から「今年の漢字」が静かなブームになっていることもあり、2023年は宣言することにしました。 今年の漢字は「結」実は、年明

「強みに基づく組織文化を築く」〜『ザ・マネジャー』

ジム・クリフトン氏とジム・ハーター氏の共著『ザ・マネジャー』を読みました。 著者2人の肩書きは、ギャラップ(Gallup)社の会長兼CEO とワークプレイス部門 チーフサイエンティスト。ギャラップ社といえば、グローバルな世論調査会社として有名ですが、自己診断ツール「ストレングス・ファインダー」(現在の正式呼称は「クリフトンストレングス」)の提供元としても、知る人ぞ知る会社です。 本書は、サブタイトルに「人の力を最大化する組織をつくる」と付いており、人の「潜在能力」や「強み

「プロジェクトがあるから対話は起きる」〜『未来を共創する 経営チームをつくる』

「今、自分たちはチームとしてどうなのか?」 こんな風に職場で問われたら、あなたは何と答えますか。 『未来を共創する 経営チームをつくる』は、この問いを出発点として、「本当の意味で “チームになる” のはどういうことか」が綴られた一冊です。 本書は、タイトルに「経営チーム」とあるように、企業・スポーツ・病院・学校などさまざまな組織の“幹部チーム”を対象に書かれています。とはいえ、家族や職場など小規模なチームにも当てはまる記述が満載でした。 「今の時代、指示命令型ではないぞ

仕事の中に「自分」をひと匙入れる 〜『「ジョブ・クラフティング」で始めよう』

人事・人材開発 分野に携わっていると、日々いろんな言葉に出逢います。 心理的安全性 はもはや耳に馴染みましたが、他にも、数多くありますね。DEI、リスキリング、人的資本開示、アンラーニング …… etc. そんななか最近のお気に入りワードが「ジョブ・クラフティング」です。 出逢いは #CULTIBASELab僕がジョブ・クラフティングという言葉を最初に意識したのは、2021年9月開催の CULTIBASE オンラインイベントでした。 メンバーの主体性発揮や働きがい向上を

「寛にして栗…」で始まる九徳は3つでも上々!? 〜『書経』より

古典的名著を読む読書会「人間塾」に参加するようになり、もうすぐ10年が経ちます。 東洋哲学から西洋心理学、中国古典から存命経営者著書など幅広く名著を読んできたわけですが、ときに別の本を読んでいるのに同じフレーズに出逢うことがあります。 先月の課題図書は、儒学における四書五経の1つ『書経』でした。そして、本書内のフレーズに、人生三度目の出逢いがあったのです。 中国古典『書経』 「書経」とは中国最古の歴史書であり、古代の君主や臣下の言行が記録されているものです。 伝説の名

「去稚心、振気、立志、勉学、択交友」 〜 橋本左内が『啓発録』に書き遺したこと

橋本左内(はしもと さない)という人物を、ご存知でしょうか?  橋本左内は幕末の1834年に生まれ、25歳にして「安政の大獄」により、幕府に処刑されます。  まるで花火のような激しくもはかない人生。しかし彼が影響を与えた人物には、数年ばかり年上で、ほぼ同時期に処刑された吉田松陰のほか、西郷隆盛など幕末の英雄たちがずらりと並びます。   ── 『啓発録』(橋本左内、致知出版社) 「啓発録とは…」より  やはり安政の大獄で捕らえられていた吉田松陰が 左内 刑死の知らせをきいて

「自分以上にいいものを書く必要はない。しかし、自分以下になってはいけない」 〜『伝わる・揺さぶる!文章を書く』

罹っていたのは「書けない」病ではありませんでした。 最近、当noteと本家ブログともに、更新頻度がめっきり減りました。 「あ〜、書けない病に罹っているぞ」と思い込んでいたのですが、山田ズーニーさんの連載「おとなの小論文教室。」の1000回記念コラムを読み、どうもそうではないと感じたのです。 あなたの中に想いはある「Lesson1000 あなたには書く力がある」と題したコラムにはこんな言葉が登場します。 「書けない病」だと落ち込んでいたところ、「あなたの中に想いはある」と

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空あれこれ

「大丈夫 行こう あとは楽しむだけだ」〜YOASOBI「群青」

YOASOBIの1st LIVE「KEEP OUT THEATER」から早くも1週間がたちました。久しくライブにも行っていなかったので、ワクワクしながら開演を待つのは何年ぶりだったことか。 ライブ内容については、すでに「#YOASOBI初ライブ」のタグで多くの方が投稿しています。また、カツセマサヒコさんによる公式レポートは読み応えたっぷりなので、ぜひこちらを読んでいただくのがよいかと…。 そんなわけで、本noteでは「#言葉のごちそう」収集の一環として1フレーズだけ紹介し

ikura's voice「嗚呼/あぁ」の魅力 ─YOASOBI「THE BOOK」

今年1月6日に発売された YOASOBI 初のCD「THE BOOK」。 Ayaseさんの楽曲とikuraさんの歌声が心地よく響くこのアルバムは、発売から1ヶ月経った今もランキング上位に並んでいます。(完全生産限定盤だったのでamazonではとんでもないことになってますが…) さて、そんな「THE BOOK」をヘビロテで聴いているうち、印象的なあるフレーズについての疑問が生まれました。 この ikura さんの「あぁ」という声がなんとも気持ちよくって、どうしてもそこに耳

「心は楽しむべし、苦しむべからず」〜貝原益軒『養生訓』の教え

貝原益軒の『養生訓』。日本史の授業で習った覚え、ありますよね? 僕も書名だけ知っていたものの内容に触れたことはなく、つい最近 初めて読む機会がありました。 養生訓とは『養生訓』は、江戸時代 前・中期の儒学者 貝原益軒が、亡くなる2年前の83歳の頃にしたためた書物です。古今東西の「養生」の術を研究し、自身で実践した結果から、後世に伝えるべきものを紹介したものです。 益軒自身、当時として驚くべき長寿(享年85歳)だったので、書かれている内容にも説得力があります。 では、本

渋沢栄一氏の語る「まごころ」とは? 〜 『雨夜譚』より

2024年に刷新される1万円札の肖像画は、500近くの企業立ち上げに関わり、「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一氏に決まっています。(画像は財務省Webページから) 渋沢栄一の著書としては『論語と算盤』が有名ですよね。これは、栄一氏が経営哲学について語った講演をもとにして出版された本です。 一方、実業界に入る前の青春時代の出来事が綴られているのが、今回ご紹介する『雨夜譚』です。 雨夜譚(あまよがたり)もともとは、栄一氏が47歳の頃、子弟から請われて五夜に渡って語った内

「読書は、心の食物だ」〜『修身教授録』より

先日の読書会人間塾で、森信三さんの『修身教授録』を読みました。第1回の課題図書になって以降も何度か取り上げられており、読書会で読むのは今回が6回目。読むたびに違う部分が心に引っかかる、不思議な良書です。 読書は、心の食物今回、僕の目にとまったのは「第1部 第9講 ─ 読書」のなかの一節。 読書が、われわれの人生に対する意義は、一口で言ったら結局、「心の食物」という言葉がもっともよく当たると思うのです。 「読書は、心の食物」という指摘は、感覚としてよく分かります。しかし、