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光と食 / 食空間への光の効果とその結果

いきなり「効果と結果」とテーマに書いたが、一番分かりやすく伝わるの事象としてやはり"効果" と "結果" これに尽きると思った。身体や精神にももちろん光の効果と結果はついてくるので、それは次回に。今回は、実際に「美味しく見える光」が具体的にどんな効果をもたらし、結果どうなったかを実際の事例を紹介しながら、光に関心を持つことで変化する食空間のスタイルについて話したい。

食べる時の空気をキメる

photo : Makoto Sukegawa 

和食なのか、中華なのか、エスニックなのか、フレンチなのかイタリアンなのか、そして屋台から居酒屋まで飲食店の種類は幾多もあり、ジャンル一つとっても店の数だけ個性も雰囲気もある。ここでは、いかに居心地が良く過ごせるか、そして美味しいと感じられるか、という点を光と繋げて私自身の分析と結果を伝えたい。どんなジャンルの店でも、話題にあがる店、メディアに出てくる店、クチコミで人気の店、どれも実際に足を運ぶと料理もお酒も美味しいのだ。人々の感じる"美味しい"の一定の基準はほぼ当たりだ。そこから先は人それぞれで、「内装のセンスがいい」「器が素敵だ」「流れている音楽がかっこいい」そして何よりも「接客が感じ良い」があると思う。
もちろん、一緒に行く人や会話でも食べる時の空気は違ってくる。「今日は楽しかったな、料理も美味しかったしまた行きたい」という思いは誰しもあると思う。その総合的な感覚は、人・料理・テーブル周りの設え・空間・音、そしてその全てを包み込む「光」が作用しているのではないか。

実際に映えるとどうなる

「Andi」の照明リノベーションは、商店建築誌にも掲載された
「Andi」の照明リノベーションでは、わかりやすくリノベ前リノベ後と比較対象で掲載

その行きたい店を探すとき、今だとやはりSNSを見ることは多いのではないだろうか。特に写真投稿のインスタグラムはかなりの確率で店選びのツールに、行った後もその店をタグ付け、チェックインして投稿するだろう。店側も、自店がどんな風に投稿されているかチェックするし、店の方もニュース発信や、新メニューなど自店のアカウントに日々投稿する。全てスマホで撮っていることが大半だ。2018年に東京・外苑前のモダンベトナムレストラン「Andi」からの依頼で、照明リノベーションの仕事をした。ここは、2017年にオープンしてから話題で多くのメディアでも取り上げられ、直ぐに予約困難店となった。インスタでも多くの人が投稿し、「今日は楽しかったな、料理も美味しかったしまた行きたい」の気持ちがたくさん溢れていた。1年近く経ち、店側としては料理にも運営にも自信があるのだが、インスタを見ていると撮っている写真で違いが出ていることに気づく。写真加工アプリを誰もが使うわけではない。できれば誰が撮っても「美味しく」見える方が、もっと店にとってはプロモーション効果もブランドとしても上がる。そう「映えるために照明を変えたい」という。2018年の9月にリノベーションが完成し、見てもらうと、驚かれた。照明の効果でこんなにも変わるのかと。この2018年9月以前と以後で、「Andi」のインスタは変わった。

飲食店の集客と客単価に貢献できる「光」

LIGHT & DISHES Lab.では数種類の光で比較対象を見ることができる

美味しく見える光は、温かみがあるだけではなく食材を鮮やかに演出し料理の彩りがより立体的に見えて初めて視覚的に伝わってくる。
これまで使われているLEDの光を否定しているのではなく、進化しているLEDを知ることでアップデートできるということ。すると、腕利きのシェフの渾身の料理はさらに美味しく感じるし、貴重な生産者がつくったワインや、年代物の時を経たヴィンテージワインも、本当に美味しく伝わってくる。これば事実。実際に、「Andi」はリノベーション後インスタ効果も貢献し、さらに予約が取りにくくなった。店側に聞くと、コース料金をワンランク上に設定することに成功したという。要は集客が上がっただけではなく、客単価も上がったということになる。何よりも、店の人たちがこれまで気づかなかった照明の効果を実感し、光がとても重要な要素であることに意識が変わった。2018年の「Andi 」の照明リノベーションに使用したLEDはもちろん光質がよかったのだが、2019年、弊社LIGHT & DISHESではまた別のLEDメーカーの開発に関わった。2020年には、「Andi」で使用したLEDよりもさらに光質が良いLEDの試作に成功した。最高に美味しく見える ! 

照明で料理が画期的に変わる

空間が変わる

確実にインスタの投稿が変わる

集客が変わる

売上が変わる

光は体感するしかない

LIGHT & DISHES Lab. は空間全体で様々なシチュエーションが体感できる

2020年にできた試作のLEDを持って行き、コロナ禍ではあったが、可能な範囲でいろんなレストランに訪れ、許可をもらい写真をスマホで加工なしで撮りためた。それも参考にし、LIGHT & DISHES Lab.の空間をつくり、空間全体を弊社比最高質の映える光質の照明にし、「美味しい」光を体感してもらえる場にした。「Andi」の皆さんが感じているような状況を一人でも多くの人に伝えたいし、飲食店の気持ちがわかるからこそ貢献したい。2020から2021、そして現在まで、コロナ禍となり飲食店にとっては厳しい時期となった。しかし、だんだん厳しい時期を超えまた新たな店もどんどん増えてきている。飲食店はコロナには負けない。そして、みんな美味しいお店に食べに出かけたいのだ。飲食店のための「美味しい光」照明リノベーションパッケージを用意した。まずは、LIGHT & DISHES Lab.に光体感に来てほしい。もちろん、飲食店、飲食業界の人たちだけではなく、食べることが好き、飲むことも好き、食のシーンを照明で美味しくできるということに興味・関心のある人にも体感しに来てほしい。実際に見て体感しなければ、光は伝わらないから。


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