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チームとしての判断をする時

リーダーも一人の人間ですから判断に迷う時があります。世間の状況が頻繁に変わる今のご時世ですからそういう時は何度もあります。そんな時でもチームを進めるにはリーダーは役割として何らかの決断をする必要があります。

一貫性を保つ

一度方針が決まるとメンバーは一斉に動き始めます。現場での細かな決断はメンバーに委ねられ、リーダーの方針に従って進んでいきます。ここでリーダーがやってはならない事があります。それは前回言った事を理由なく覆す事です。方針を決めたはずなのに、矛盾するようなコメントをしたり、『そんな方針にした覚えはない』と言い切ったりする事です。

これをやってしまうとチームの動きは止まってしまいます。更に言う事がコロコロ変わると、リーダーは思い付きで意思決定している、メンバーの目にはリーダーが気分屋に映ります。『今決めてもどうせまた変わるのでしょ』『その時の気分で決めるのだからメンバーである自分は現場で決められない』と思いチームは全く前進しません。

この様な状況を防ぐにはリーダーが明確なビジョンや目標等の基本方針を常に頭の中に持ってそれを繰り返し、自分自身で反芻するとともにメンバーとも事あるごとに共有する事が必要です。『我々が掲げたビジョンに照らし合わせると、この場合はこうしてください』『この方針に矛盾しない限りそこはあなたにお任せします』という具合です。

このような『共有された基本方針』がないとリーダーは毎回最善の判断をしたとしてもメンバーとの認識にズレが生じます。そうなると『気分屋』『ポリシーが無い』といった無用なそしりを受けかねません。

『共有された基本方針に基づく一貫性』これがチームを前進させるキーワードです。

リーダーとして判断しなければならない時

判断がつきにくい内容について相談を受けた時に上司がどう反応するか。朝令暮改をしなければならなくなった時の注意点。また上司から見て明らかに注意すべき時でも、言い訳の多い人に注意する時、趣旨を分かってもらえないと思った時にどう対処するか等、上司対策と部下対策について考えを述べてみます。

上司や部下と言っても人間的には大してレベルの違わない事が多いものです。一般的に新米の上司は経験不足に加えて自分のプライドと感情をうまくコントロールできずに感情による対応をして部下に不本意な不信感を持たれ、組織がうまく纏められない事が多くあるように思います。

部下目線 

よく人事の新人研修でホウレンソウとありますが、これは報告・連絡・相談の事です。上司が仕事を任せる場合、プロとしての仕事をチームとして遂行する上で部下に要求する決まりごとですが、この部分でのポイントは会社の上司は部下に対してプライドが高くヤクザの親分と似た意識構造をしている事です。

結論だけを報告されると自分が無視されたと思い、面白くない。ヘソを曲げる。反対に逐一報告されて指示を仰がれると分からない事は隠したいので『いい加減にしろ』とマイナス評価となる。 これでは将棋の王手飛車取りと同じです。上司が王手飛車取でくるなら部下もしっかりと対策を考える必要があります。特にこういう精神構造の上司は責任回避、すなわち失敗すれば責任を部下に背負わせる事が多い。

ではどうすればいいか。経過を報告する時に『いい加減にしろ』と上司が不機嫌になるのは報告した後で『どうしましょうか?』と指示を仰ぐからです。これが上司に煩わしく同時に部下が責任を回避していると思います。だからよけいにいら立つ。ここは指示を仰ぐのではなく『今こうなっています。これからこうするつもりです。』と簡潔に報告だけをする。

こうしておけば『そんな話はきいていない』とは言えなくなるし、そこで別の指示を出さなかったということは部下の『こうするつもりです』に了解を与えたことになる。『どうしましょうか?』と質問することは部下にとっては諸刃の剣であり評価を下げます。

リーダー目線

朝令暮改の上司はどこの会社にもいて、多くの場合部下から馬鹿にされています。『またかよ、うちの上司は困ったものだ』と部下たちの酒の肴にされる。ではなぜ馬鹿にされるか、それは上司が言い訳をするからです。朝令暮改をすることに対して、判断が誤っていたという後ろめたさがあるからです。

それではだめで、逆の発想をすべきです。朝令暮改こそ有能な指揮官であると部下に思い込ませる。『秒進分歩の情報社会にあってビジネス環境は刻々変化する。それに対していかに即応するか。それまでの進路を捨てて舵を切れるか、勝敗のカギはここにある』そんな事を普段から口にしておく。そして自分でもそうと信じ込む。

自分のヨミが間違っていたと気付いたら、そんな事はおくびにも出さず、『今、情報が入った。方針をかえるぞ!』とキビキビと自身満々に命令する。これでいい。やがて部下は上司の朝令暮改に神経を研ぎ澄ますようになる。いつ暮改されてもそれに即応すべく普段から準備するようになる。君子の豹変は有能な上司の証だと部下に思わせれば大成功です。

次に、リーダーになってみて言い訳がましい部下に注意をするのは気分が悪いものです。どうすればいいか、言い訳がましい部下には取合えず最後まで聞いてあげましょう。『困るやないか』と注意すると、誰が悪い、彼が悪い、関係部署の仕事が手抜きであった。時間がなかった。予算が足りなかった。体調がわるかった。天気が悪かった。など自分の非を認めようとしません。

ひとこと『すみません以後気をつけます』と言ってくれればそれで済むのになぜ謝って反省してくれないのか。例えば本当にそういう理由があったにせよ『すみません。私の努力不足で』とさえいってくれれば丸く収まるのに・・・。

こういう人達と付き合っていくためには、こちらも忍耐が必要です。相手が『もう言い訳も言い飽きた』という心境になるまで、じっくり話を聞いてあげること。特にこういうタイプは自分の話を『そういうが、それは違うよ』と途中で遮られるとますます言い訳が多くなるという特徴があります。話を最後まで聞いてあげる、そして『あなたの言うことはよくわかる』と相手の話をまずは肯定する。反省を促すのはそれからです。

『けどね、こういうことも言えるのではないか?』と反撃を開始します。これがコツです。相手はすでに言い訳をし終えて飽きているからこちらの話に耳を傾けるしかなくなる。じっくり話し込めば反省の言葉が出てくるものです。

ここまで書きましたが本来こういう気遣いは大きなエネルギーの損失です。無駄な所にエネルギーを使わねばならないので、本来エネルギーを使うべき客先や仕入先との関係について、新製品開発について、新戦略について、等に使うべき力と時間が削がれる。これでは今後、続けて競争に勝てない場合がでてきます。上司も部下も無く皆で智慧を出し合って意志を決定し、共に行動できる組織は作れないものでしょうか。これができたチームが勝ち組になれるように思われます。


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