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写真と俳句 その三十五


公園の揺れる柳の写真です


鴬を 魂にねふるか たはやなき 桃青
(松尾芭蕉)

「伊賀市 / デジタルミュージアム秘蔵の国 伊賀」より
芭蕉筆 発句短冊 制作年:天和三年 (1683年)
366mm×59mm 所蔵:伊賀市
https://adeac.jp/iga-city/viewer/mp000050-100010/1-5/


鶯を 魂に眠るか 矯柳
うぐいすを たまにねむるか たおやなぎ

*
たおやかに揺れている柳は、眠っているようにみえる。
あの鶯は、眠りについた柳が、
夢の中で、鶯となって鳴いているのだろうか。
*
筆者解釈


虚栗集


「虚栗集」にある芭蕉の句の画像です
うくひすを 魂にねむるか 嬌柳 芭蕉
虚栗集
竹冷文庫 国文学研究資料館
「歴史的典籍NW事業」によるデジタル化
東京大学総合図書館
東京大学学術資産等アーカイブズポータルより


 虚栗集(みなしぐりしゅう)は、天和三年(1863年)、宝井其角(たからい きかく)によって編纂されています。


野芥子 (ノゲシ)の黄色の花が太陽に照らされています。
野芥子 (ノゲシ)


荘周胡蝶の夢


 芭蕉のこちらの句は、「荘周胡蝶の夢」を下敷きにしているようです。
 荘子が夢の中で胡蝶になり、自分が蝶か、蝶が自分か区別がつかなくなったという荘子斉物論*の故事に基づきます。
 自分と物との区別のつかない物我一体の境地、または現実と夢とが区別できないことのたとえです。

*斉物論(せいぶつろん)
中国の古典『荘子』の第2編。この編名については、諸子のさまざまな論を帰一させるという意、物を一源に基づかせるという意などと解する説がある。人間の認識は虚妄、相対的であるから、否定的思弁によって、無の境地にいたって絶対的、一元的認識があることを説いている。古代では、最も精緻な論であった。荘周の原作であろうと推定されている。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

*斉物論
中国古代の哲学書《荘子》の篇名。また荘子の哲学の中核をなす論。現実世界の根源にあってそれを支えている〈道〉の絶対性のもとでは、現実世界における万物の多様性や価値観の相違などのあらゆる差別相が止揚されて意味をもたなくなること、したがって道の在り方に目覚め道と一体となることによって、個が個としての価値を完全に回復し、何ものにもとらわれない境地に到達できるという論。【麦谷 邦夫 氏】

世界大百科事典 第2版


荘周胡蝶の夢についての解説文の画像《荘子が夢の中で胡蝶になり、自分が胡蝶か、胡蝶が自分か区別がつかなくなったという「荘子」斉物論の故事に基づく》自分と物との区別のつかない物我一体の境地、または現実と夢とが区別できないことのたとえです。
『経書大講』第10巻 列子下 莊子上
小林一郎 著
平凡社
昭13至15
国立国会図書館デジタルコレクションより(保護期間満了)



夢の中で胡蝶(蝶のこと)としてひらひらと飛んでいた所、目が覚めたが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも実は夢でみた蝶こそが本来の自分であって今の自分は蝶が見ている夢なのか、という説話である。この説話は「無為自然」「一切斉同」の荘子の考え方がよく現れているものとして有名である。「無為自然」を荘子の言葉でいえば「逍遥遊」となり、それは目的意識に縛られない自由な境地のことであり、その境地に達すれば自然と融和して自由な生き方ができると荘子は説く。荘子が他の説話において提出してきた「是と非、生と死、大と小、美と醜、貴と賤」などの現実に相対しているかに見えるものは、人間の「知」が生み出した結果であり、荘子はそれを「ただの見せかけに過ぎない」という。荘子はそれを次の3つの説話で示した。

・ 朝三暮四    猿回しが『朝は3つで夜は4つだ』と猿に団栗を与えようとしたが、猿はこれに怒った。『では朝は4つで夜は3つだ』というと猿は喜んだ、という説話である。結局は1日7個の団栗を食べているということで、どちらも同じで、相対するものを考える人間も同じようなものだと荘子は説く。    ・「吾が生や涯てありて、知や涯てなし」    人の一生に限りがあるのに、知にはその限りがない。限りのあるものの中で限りないものを追いかけてもただ疲れるだけだ、ということを説く。    ・「大知は閑閑たり、小知は間間たり」    立派な知恵は悠々としているが、つまらない知恵に惑わされる人間はせこせこしている、ということである。

これら3つが意図する「その程度の小知ならば捨ててしまえ」という思想を端的に表したのが、この「胡蝶の夢」である。ここでは夢と現実との対立が提出されており、どちらが真実の姿か、それは問題ではなく、胡蝶であるときは栩栩然として胡蝶になり、荘周であるときは荘周となっている。そのいずれも真実であり、己であることに変わりはなく、どちらが真の世界であるかを論ずるよりも、いずれをも肯定して受け容れ、それぞれの場で満足して生きればよいのである。「夢が現実か、現実が夢なのか?しかし、そんなことはどちらでもよいことだ」と荘子は言っているのだ。「知」には何ら確かな判断はないのだから、考えたところで仕方がない。知の判断から離れてみれば、差異や区別を超えた世界が見えてくる。これこそが、荘子の言う「逍遥遊」の世界である。これが万物斉同の世界で遊ぶことであり、荘子が胡蝶の夢を通して訴えていることであると言える。物の変化とは表面に現れた現象面での変化に過ぎない。胡蝶と荘周が形の上においては大きな違いを持ちながら、共に己であることに変わりはない。万物は絶えざる変化を遂げるが、その実、本質においては何ら変わりのないことを述べているのである。

胡蝶の夢
ウィキペディアより



枝垂れハナモモ (赤花しだれ桃)の写真です
枝垂れハナモモ (赤花しだれ桃)


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鶯や 助くるしらべ 道しるべ 広在

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ヒヨドリと桜の写真です。  2022年3月13日に撮影しました。
ヒヨドリと桜
2022年3月13日


令和五年二月の写真

をご覧ください。


風に揺れるカレックス コーマンズ 、フロステッドカールの写真です。
カレックス コーマンズ  フロステッドカール



女の子と手を繋いだ保護者はサッカーボールを持っています。サッカーの練習後、家路へ帰る途中でしょうか。その写真です。



側溝を除く男の子。何を探しているのかな? 仲良しの男の子が待っています。その写真です。二人でスキップをしながら進んでいました。



鮮やかなピンクのマーガレットの写真です。
マーガレット



右の写真は、公園にある遊具、平均台の上を進む少年です。 左の写真は、公園で話し込む二人の少女たちです。二人とも髪が長く、風に吹かれています。



クリスマスローズ、ヘレボルス・アゥグチフォリウスの写真です。
クリスマスローズ
ヘレボルス・アゥグチフォリウス



エルサレムセージの写真です。
エルサレムセージ



常緑ガマズミ (ビブルナム・ティヌス)の写真です。
常緑ガマズミ (ビブルナム・ティヌス)



夕方、お父さんに肩車をしてもらっている男の子、自転車に乗る男の子たち、道を行く男性などの写真です。
かたぐるま



ギョリュウバイとLEDライトの写真です。
ギョリュウバイ



ヒイラギナンテンの写真です。
ヒイラギナンテン



公共の野球場で、子どもたちが野球を楽しんでいる写真です。



チューリップ、ユニーク・デ・フランスの写真です。この品種は、照りのあり、真紅の花が特徴です。
チューリップ
ユニーク・デ・フランス



車輪梅 シャリンバイの実の写真です。 シャリンバイの実ではありませんが、この植物の枝は、大島紬の泥染めに欠かせない材料となります。奄美大島では、「テーチ木」と呼ばれています。近年、採取業者が不足しているそうです。 泥染めは植物のタンニン酸と泥田の鉄分の化学反応を利用した染色法で、タンニンを多く含むシャリンバイが利用されています。
車輪梅 シャリンバイの実

 実ではありませんが、この植物の枝は、
大島紬の泥染めに欠かせない材料となります。
奄美大島では、「テーチ木」と呼ばれています。近年、採取業者が不足しているそうです。
 
泥染めは、植物のタンニン酸と泥田の鉄分の化学反応を利用した染色法で、
タンニンを多く含むシャリンバイが利用されています。



セグロカモメ?だと思われる写真です。約60羽の鳥が、輪になって、空を楽しそうに飛び回っています。
セグロカモメ?



橙色の実をつけたソヨゴの写真です。柄の長い葉が風に揺れて音を立てる(=そよぐ)ことから、ソヨゴというようです。
ソヨゴの実
柄の長い葉が風に揺れて音を立てる、
「そよぐ」ことから
ソヨゴというようです



道端に蔦が元気に生えています。その葉は太陽に照らされています。脇では、葉と同色のランプを点灯させたトラックが通り過ぎようとしています。その写真です。



フサアカシアがたくさん咲いている写真です。
フサアカシア



寒桜 (カンザクラ)の蕾の写真です。もうすぐ花が咲きそうです。
寒桜 (カンザクラ)の蕾



右の写真は、交差点で信号待ちをしている人々です。一人の女性はお茶を飲もうとしています。赤いコートの女性は赤ちゃんを守るように立っています。母親と子供は手を繋いでいます。足早に過ぎ去ろうとしている黒いコートの女性の姿もあります。  左の写真は、公園のブランコに乗っている子供達です。男の子は今ブランコをこぐところです。女の子は、ブランコを遠くへ漕いでいます。中央には、二人に手を貸すお母さんがいます。



品川駅近くで、メンテナンス工事をしている二人の写真です。



枇杷の花(黄色)の写真です。
枇杷の花



河津桜(カワヅザクラ)の写真です。二月なのでまだ蕾が多いですが、もうお花も咲いています。
河津桜 (カワヅザクラ)




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