山口 広在 / Hiroi_Yamaguchi

写真家  1963年8月生まれ。 アート活動をライフワークとしています。 現在は主に日…

山口 広在 / Hiroi_Yamaguchi

写真家  1963年8月生まれ。 アート活動をライフワークとしています。 現在は主に日本各地でのスナップ撮影。コロナ禍の様子をみて、今後、海外へも行く予定です。  http://www.facebook.com/hiroi.yamaguchi

最近の記事

特別号 福島 3 ー 双 葉 ー

2024.04.17  今年は、春になっても寒さが続き、桜の開花が遅れました。初咲の桜を見られたのは、夜。街灯に照らされた白い桜を見ながら、西行の歌を思い出しました。 西 行  花散らで 月は曇らぬ 世なりせば 物を思はぬ 我身ならまし 西行  諸共に 我をも具して 散りね花 浮世をいとふ 心ある身ぞ 西行 双葉町撮影は、2024年2月です。 前田の大スギ 白山神社 旧三宮堂田中医院 旧双葉郵便局  双葉郵便局は、今年、3月7日に営業が再開されました。駅の

    • 特別号 福島 2 ー 富 岡 ー

      2024.03.23(土) 富岡は負けん!  2011年8月9日「富岡は負けん!」と書かれた横断幕が、町で目立つ場所、国道6号沿いの「月の下交差点」の歩道橋に掲げられました。最初は、警察から撤去を求められたそうです。住民の方々も、必ずしも最初からこの横断幕に対して、肯定的ではありませんでした。  しかし、掲げた男性は、この横断幕の存在の重要性を確信されていたのでしょう。そのまま掲げていると、肯定派の住民や職員が増えていき、「取れかけていたから、治しておいたよ。」という方

      • 冬の特別号 福島

        2024年2月26日(月)  東日本大震災から13年目を迎えるにあたり、福島県の富岡・双葉・浪江へ伺いました。7年目にも、福島だけではなく、東日本大震災の被災地で入れる地域を巡りました。  今回は、2024年1月8日に開催された「令和5年度 東日本大震災アーカイブシンポジウム」をZOOMにて拝聴し、その際に案内のあったお祭りを拝見するべく、その日程に合わせて伺いました。 福島県 避難指示区域 2023年(令和5年)11月30日時点  日々、除染をされている方々は、極寒、

        • お悔やみ お見舞い

          2024年1月21日 令和6年能登半島地震につきまして、お悔やみを申し上げます。 被災された皆様とご家族へお見舞いを申し上げます。 被災された皆様の生活が1日も早く安全になられることをお祈り申し上げます。  金沢・富山を廻った時、能登島までは伺いましたが、そちらより北へは、そちらだけでゆっくり伺いたいと思い、まだ撮影しておりませんでした。今回の被害は、非常に残念ですが、深い文化をお持ちの地域、必ず復興されると信じております。伺うことが可能になりましたら、応援の気持ちを込め

        特別号 福島 3 ー 双 葉 ー

          師 走

          写真と俳句 その四十五 2023年12月18日(月)  あっという間に年が暮れようとしています。皆様、お忙しいと思いますので、お気をつけて、お過ごしください。  さて、私事で恐縮ですが、十一月末に、夫の母が亡くなり、慌ただしくしております。義母の最期は、息子に見守られて、安らかなものでした。八六歳の天寿を全うしました。  認知症について  義母は、東日本大震災の後から少しずつ様子が変わりました。東京もかなり揺れましたので、恐怖心が強かったのだと思います。当時、文京区

          晩 秋

          写真と俳句 その四十四 2023.11.12(日)  北原白秋 秋の瞳    一と日づつ 一と日づつ 冬紅葉かな 後藤 比奈夫 * * *  囲炉裏端 煙目一人 秋刀魚の味 広在 * * * * *  行秋の 芥子にせまりて かくれけり 芭蕉  元禄六年(1693年)秋。50歳 向井去来書簡 https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he05/he05_06351/he05_06351_p0006.jpg 後から九行目

          写真と俳句 その四十三 2023.10.18 (水)  秋らしい日々となりました。季節の変わり目ですので、みなさま、ご自愛ください。  さて、世界をみると、気が塞ぐことが増えました。人間は、私も含めて、愚かですね。そうならないよう努めていきたいものです。  みなさまと同様、私も、平和に明るく、 そして、できれば、精一杯の日々を過ごしていきたいと思います。  拾ひ来し 樫の実一つ 本の上 青峰  蜘 何と 音をなにと鳴 秋の風 桃青 くもなんと ねをなにとなく あき

          写真と俳句 その四十二 2023年 9月 7日 * *    三日月や 膝へ影さす 舟の中 太祇 * * * * *  満月や 下駄を鳴らしつ 路地散歩 広在 * * *    荒城の月 Berliner Philharmoniker The 12 Cellists of the Berliner Philharmoniker Recorded at the Philharmonie Berlin, 9 January 2022 The Berliner Ph

          残暑 お見舞い 申し上げます

          夏の特別号 青ヶ島2023年8月10日  暑い日々が続きますが、皆さま、いかがお過ごしですか。  猛暑、台風、お気をつけください。  さて、今回は旅のイントロダクションです。  旅の記事は、本にするか、どこかのサイトに掲載するかわかりませんが、いずれまとめるつもりです。しかし、身体がよく動くうちに、フィールドワークに力を注ぎたいので、まとめるのは、まだまだ先になると思います。  どうぞ、お楽しみに。 青ヶ島  東京都心から南へ358キロにある島、青ヶ島。火山島です。令

          残暑 お見舞い 申し上げます

          梅 雨

          写真と俳句 その四十と四十一 2023年6月9日  関東甲信で梅雨入りしましたね。  台風で被害に遭われた方々へお見舞いを申し上げます。 今後も、どうぞ、お気をつけください。  さて、梅雨の季節、皆さんはどのようにお過ごしになるでしょうか。  以前、FBにも書いたように記憶しているのですが、私は雨が降ると、お寺に行きたくなるという変な子どもでした。小学生の低学年からだったように思います。檀家であるそのお寺には、池があって、その池がみたくなるのです。一人で、坂を登って、

          たちばな

          写真と俳句 その三十九  新茶をいただける季節となりました。みなさま、いかがお過ごしですか。  新茶は、四月下旬から五月中旬までに摘み取られるお茶のことで、一番茶と呼ばれています。  六月の中旬から七月の初旬まで摘み取られるのが二番茶  七月の下旬から八月の初旬までが三番茶  九月下旬から十月初旬まで摘み取られるのが四番茶です。  お茶は、気持ちを、ゆっくりと、穏やかにしてくれます。忙しい時こそ、少し、時間をとって、お茶をいただきたいものですね。  タチバナとは  

          山 吹

          写真と俳句 その三十八    ツツジ  躑躅(つつじ)は、見る人が足を止めるほど美しいということで、「躑(たちもとおる)」と「躅(ふむ)」という、「立ち止まる」「佇む」という意味の漢字があてがわれています。  上の写真は、クルメツツジですが、品種が多く、素人には判別しにくいですね。「朝霞」かな?と思いました。その他、似ている品種は、「玉の輿 」「高蒔絵」「大御代」「薄雲」です。  ツツジとサツキの違い  ヤマブキ  さて、山吹について  古くは「山振」で、細くてし

          写真と俳句 その三十七  上部の画像は、キブシ(木五倍子)の花です。早春に咲く少し黄緑がかった黄色の花。私は、このキブシの花が風に揺れているのを見ると、黄蝶に、少し似ているように感じています。日本の固有種です。北海道南部から鹿児島の島しょまで広く生息しています。  この写真の花は、長く大きな花序を付けているので雄株です。がく片と花弁は4枚、8本の雄しべが付いています。  秋になると、キブシの雌株には、緑色から黒色に熟す実が成ります。この果実には、タンニンが豊富に含まれている

          つ く し

          写真と俳句 その三十六 * * 古草に うす日たゆたふ 土筆かな 芥川龍之介 * * つくしとり  大叔母の家は坂の上にあり、その坂を上がる手前にお寺がありました。そのお寺の前の斜面には、春になるとつくしが育っていました。  子どもの頃、大叔母に挨拶をして、つくしを採ります。このつくしの写真は、その場所ではありませんが、このように、たくさんの草花が生えている場所でした。ここまでつくしは多くなかったので、探す楽しみもありました。子どもなりに、(あの胞子が開きすぎているの

          写真と俳句 その三十五 鴬を 魂にねふるか たはやなき 桃青 (松尾芭蕉) 「伊賀市 / デジタルミュージアム秘蔵の国 伊賀」より 芭蕉筆 発句短冊 制作年:天和三年 (1683年) 366mm×59mm 所蔵:伊賀市 https://adeac.jp/iga-city/viewer/mp000050-100010/1-5/ 鶯を 魂に眠るか 矯柳 うぐいすを たまにねむるか たおやなぎ * たおやかに揺れている柳は、眠っているようにみえる。 あの鶯は、眠りについた柳

          ネコヤナギ

          写真と俳句 その三十四 * * 二月はや 天に影して ねこやなぎ 百合山羽公 * * * * * ねこやなぎ まるい日に入り 同化する  広在 * * * おきなぐさ 宮沢賢治 万葉集巻第十九 より うらうらに 照れる春日に 雲雀上がり 情悲しも 独りし思へば  大伴家持 二月二五日 うらうらに てれるはるひに ひばりあがり こころかなしも ひとりしおもへば * うららかに光り輝く春の日に ひばりが空へ飛んでいく しかし私の心は悲しいのです 一人でよくよ