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ホンダが5度目のF1参戦を決意した2つの理由

5/24、ホンダがアストンマーチンと組んでF1に復帰するというニュースが飛び込んできました。
私のような日本のF1ファンとしては大変喜ばしいことではありますが、一方で「え!また戻ってくるんかい!」とちょっとツッコミを入れたくなるようなニュースでもあります。
実際、日経のタイトルには5度目参戦と書かれていたりして、あまりF1を見ない人からしたらなんで5度目の参戦と?が湧いてくるような見出しだと思います。
今回、この記事ではなぜホンダが5度目の参戦をすることになった2つの理由を解説します。

・解説の前に知っておいて欲しいこと

現在のF1はの動力源は、モーターと内燃機関のハイブリットになっています。そのモーターと内燃機関を合わせた動力源をパワーユニットと呼んでいます。
今回、ホンダはパワーユニットを供給するメーカーとして参戦し、シャーシ(=車体)はアストンマーチンが製造する形になります。
F1では、フェラーリやメルセデスを代表するシャーシとパワーユニットを製造するワークスと、シャーシは自社で開発・製造してパワーユニットは外部から供給してもらうプライベーターと呼ばれる2つのチームがあります。

・2026年のレギュレーションが変更されるから

2026年からF1では新しいエンジンレギュレーションが適用されることになりました!
レギュレーションとは、F1に参戦するチームが最低限守らないといけないルールみたいなものです。
このレギュレーション変更が一番大きな要因となって、今回ホンダはF1参戦することになりました。
現行レギュレーションとの主な違い違いは下記の通りです。

・100%持続可能な燃料が使用される

2026年からは、完全に持続可能な燃料を使用することになるため、F1マシンの排気ガスから新たな化石炭素が放出されることはなくなります。

・電力の割合が引き上げられ

2026年型パワーユニットは、電力の利用を50%まで高めることになります。(現在は20~30%程度です。)
EVの開発を優先しているホンダによっても、走る実験場としてF1を活用することができるようになりました。

・コストキャップも導入される

パワーユニットを供給するメーカーの予算が、2023年から2025年の期間で9,500万ドル(約131億円)、2026年以降で1億3000万ドル(約180億円)に設定されることになりました。
これまで湯水の如く予算があるチームがパワーユニットの開発をおこなってきていたのですが、限られた予算内で開発を行うことで、より新規参入するメーカーがフェアな状態で戦えることになりました。

ちなみにこのパワーユニットのレギュレーション変更によって、フォードやアウディーがF1への参戦が決まっていました。

・アメリカのフォードがレッドブルと組んで参戦
・アウディーがザウバーチームと組んで参戦
・ホンダがアストンマーチンと組んで参戦(New!)

・アメリカでのF1人気が爆発しているから

引用元:https://stratechery.com/2023/what-the-nba-can-learn-from-formula-1/

グラフを見たら一目瞭然ですがものすごい勢いで視聴者数がアメリカで増えています。
以前は、アメリカはF1不毛の地と呼ばれていましたが、2023年はアメリカだけで3戦もF1を開催することになっています。(これまで多くても1国で2戦)
それだけ、F1が大変な人気になっているわけですが、その火付け役となったのが、Netflixの「Drive To Survive」です。
F1のレース外のチームオーナーたちの駆け引きや、ドライバーたちの素顔に迫ったこのドキュメンタリーは爆発的なヒットを記録しています。
ホンダにとってアメリカマーケットを無視することはできないので、大きな宣伝効果が期待できそうですね。
日経のニュースによると、アメリカでは1レースあたり121万人の視聴者がいるそうです。

米国での人気拡大も理由の一つです。米スポーツ専門放送局ESPNによると、22年に同社系列の番組でのF1視聴者数は1レースあたり121万人と前年比28%増え、F1視聴者数としては過去最高を記録しました。米国での急速な認知度の向上を踏まえ、F1がホンダのブランド価値向上につながり、量産車のビジネスにも好影響だと判断しました。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL24AKT0U3A520C2000000/
ホンダがF1再参戦、なぜ2年半で方針転換?

MLBは、米スポーツ専門局ESPNの開幕週の試合中継は平均視聴者数が160万人だったそうなのでアメリカの国民的スポーツにも近付いていますね。

まとめ

いかがでしたか?

今回はホンダが5度目のF1参戦することになった理由を解説してみました。
日本人としては、ホンダがF1で大活躍していることを期待しています!
これまでのホンダは、経済状況や社内の研究開発のリソースの問題で参戦と撤退を繰り返しています。
5回目こそは長く活動して欲しいですね!




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