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なんぼや!?プライシングはどうする?起業家と投資家が語ります!

Clubhouseで毎週 日曜日 正午から「スタートアップ奥義」として、グローバル人材が開催する「スタートアップジャーニー」をテーマとした部屋です。一般的に知られてないスタートアップのこと(奥義)についてオープンに話します。国内外の資金調達、採用、市場展開からファウンダーと投資家の関係管理、チームの精神保健などまで幅広くディスカッションをしよう!起業を考えている方、起業を悩んでいる方、ちょっとだけ興味を持った方でも大歓迎です。

Moneytreeのポール チャップマンさんと、メリービズの工藤博樹の二人ではじめた、この番組には

高階 匡史さん:NTTドコモ・ベンチャーズ Managing Director

中畑 裕子さん:サスティナシード株式会社 創業者・代表取締役CEO、株式会社ナック社外取締役

ナリン・アドバニさん:entomo共同創業者、日本ユニシス社外取締役、等多数のスタートアップの役員・エンジェル投資

今回は、第20回目の放送として、2021年8月8日(日)に開催された回の主だった内容をここにまとめます。

スタートアップのプロダクト・サービスにおけるプライシングの難しさとは?

工藤:新しいサービス・プロダクトに値段をつけることは非常に難しい。新規性があればあるほど、比較するものが無い。サービス開始時はまだまだサービスに自信がないことが多い。ただ、一度料金をつけると料金をあげることは難しい。プライシングで失敗するスタートアップも多いなかで参加者の経験を共有していく。少しでも参考になれば。

メリービズにおいては、サービス開始時は伝票入力をしており、月3,000円程度であった。途中で値上げし月1万円程度に。さらに、サービスを伝票入力から経理全体に拡大し、現在は客単価は月20万円以上になっている。

ポール:サービス当初はお客様に「同業他社だといくらで頼むか?」というのを参考に料金を決めたことがあった。当時はまだお客様がいなかったのでこの料金を受け入れた。その後、リプライシング(料金を変えて)して、一番安すぎる場合は、前に比べて9倍くらいMRRとして頂いている。

リプライシングできたのはサービスはそのままで良いという訳ではなかった。サービスレベルが高くなり、それに対応するには料金を頂かないといけないということになった。

Pricing StrategyとPricing Model

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ナリン:Pricing strategyPricing Modelについて話したい。

Pricing strategyとしては4つのカテゴリーがある。

上から

Premium:非常にユニークなものをもっていたり、競合があまりいない(例:Apple)

Economy:競合がいたり、いろんなメーカー/Developerがいる(例:シャオミー)

Skimming:Premiumからの派生。ユニークなので高く売るが、徐々に料金を下げていく(例:Sonyのプレイステーション)

Penetration:Economyからの派生。競合が多いが、料金がかなり安くしてシェアをとってから、サービスをバンドルしたり、料金をあげていく(例:楽天モバイル)

Pricing Modelとしてはソフトウェアの進化と共にモデルが変わっている。

ライセンスモデル or   フリーソフト/OSS

ライセンスモデルが、Per seatライセンス(例:ひとりあたり)→Floatingライセンス(例:同時に最大10名)→Enterpriseライセンス(例:ピーク時に最大30名)→Dynamicプライシング(使った分だけ)

と変わってきた。今後どう進化するのかが楽しみ。

Value(価値)とお客様の支払い意思額(Willingness to pay)

ポール:お客様が「Value(価値)」に対してどのように考えているか?が大事。アイスクリーム屋だとすると、こども向けだと甘いものを量多くだしてくれることがValueに連動する。大人向けだと美味しいけどカロリー低くということがValueに連動する。

このValueをどうやって測るか、それがメトリックス。Dropboxだとストレージ容量SalesforceのCRMの場合はper seatライセンス、決済大手Stripeだと取引数

工藤:Valueというのが顧客にとって何か?何の代替なのか?例えば、社員1名分の代わりのソフトウェアなのか?アルバイト数時間分の代替なのか?

Valueの反対側、コストからの料金設計

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料金を決めるにあたって、Valueとは別の観点でコストというのも考える必要がある。原価+CAC(Customer Acquisition Cost顧客獲得コスト)+利益をどう設計するか。CACの予測がなかなか難しい。

ソフトウェア以外の業界でのプライシング

中畑:業界によってもプライシングの動向は異なる。

小売の例で、マーケットの変化が著しく、競合も全部変わったことがある。経営陣が価格競争をしようという経営判断をしたが、その時の競合がものづくりが得意な会社だった。ものづくりが得意なため、原価を下げる能力が長けていた。このようなマーケット環境では安易に価格競争に入らないほうが良い。

サービス業だと、固定費がほとんどであるため、マーケットプライスを意識しながら、オリジナリティを追求していく必要がある。

コンシューマー向けのサービスだと料金を3価格帯つくることで、心理的に真ん中を選びがち。

またコンシューマー料金の上げ方として、お試し商品を一番やすくする。本気で使うと物足りなくなり、より高価格な商品につなげる形で料金をあげる方法がある。

ValueのStorytelling(価値の物語を伝える)

ポール:「料金が高い!」というときにお客様に何を伝えるのか?

そのソフトウェアを自社開発したときにかかるコストがいくらするか?サポートの安心感?欲しい機能の網羅性?

料金に対するストーリーをしっかり伝える必要がある

工藤:バリューがその製品以外にある場合がある。

例えば、SalesforceやHubSpotはユーザーコミュニティが非常に活発で情報量が多い。ここに価値を感じて購入する方がいる。

また最近は、購買意思決定においても直接のマーケティングより知り合いから勧められて決めるケースが増えている。その意味でコミュニティの価値はどんどん強くなっている

料金をあげてきた事例

ポール:セグメンテーション。飛行機でいうとファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラス。

アドオン。Appleではメモリー追加、ハードディスク増加。

ナリン:料金の上げ方として、もう一つがバンドル。mp3プレイヤーを単品で買うことはなくなった。ソフトウェア会社もどんどん他のソフトウェア会社を買収して、機能をバンドルして料金をあげていっている

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