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スタートアップでの採用!そして就職! スタートアップで優秀な人材を採用するのには?また、就職する側としては?(第22回目2021年8月22日(日))

Clubhouseで毎週 日曜日 正午から「スタートアップ奥義」として、グローバル人材が開催する「スタートアップジャーニー」をテーマとした部屋です。一般的に知られてないスタートアップのこと(奥義)についてオープンに話します。国内外の資金調達、採用、市場展開からファウンダーと投資家の関係管理、チームの精神保健などまで幅広くディスカッションをしよう!起業を考えている方、起業を悩んでいる方、ちょっとだけ興味を持った方でも大歓迎です。

Moneytreeのポール チャップマンさんと、メリービズの工藤博樹の二人ではじめた、この番組には

高階 匡史さん:NTTドコモ・ベンチャーズ Managing Director

中畑 裕子さん:サスティナシード株式会社 創業者・代表取締役CEO、株式会社ナック社外取締役

がゲストスピーカーとして参加して下さいました!

今回は、第22回目の放送として、2021年8月22日(日)に開催された回の主だった内容をここにまとめます。

オープニング:スタートアップは人が全て!

工藤:今週のClubhouse「スタートアップ奥義」テーマとしては、スタートアップの採用・就職について話します!

スタートアップに限らず会社は人が全て、そういう中でどうやって人を集め、スタートアップの組織を作っていくかっていうところについて話す。あわせて、聞いてる皆さんの中では、スタートアップに、もう既に就職している方もいれば、これから参加したいとか、就職したいなと思ってる方もいらっしゃる。自分に合うスタートアップをどうやって見つけるのか?スタートアップにどういう違いがあるのかとか?その辺についていろいろ話していく。

スタートアップの成長ステージでの採用方法

ポールさん:人材紹介の手数料は高い!特にシードステージアーリーステージのスタートアップにとっては。採用する方の年俸の30%〜35%を支払わないといけない。

このため、最初は知り合い前職の同僚ネットワーキングイベントで出会った方を勧誘してメンバーを増やす。

ミドルステージになり、10億円ほどの大型調達ができ、ようやく人材紹介の手数料が払え、採用の緊急度が高くなってくる。ここで人材紹介エージェントを利用しはじめる。

ただ、スタートアップによって異なる。

Origamiとかはかなり初期の頃に社内リクルーターを雇っていた。

大量採用 vs. 少数精鋭

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高階さん:VCとしての2つの事例をあげる。

アドウェイズの例。(アドウェイズには直接投資をしていないが)

VCからファイナンスを受けてからすぐに100名を半年で採用するというプロジェクトをはしらせた。そして、実際に100名採用した。

ところが、1年後に大赤字になった。そんな中で採用した100名の中で5名が成長し、それぞれ3億くらいずつモバイル広告で売上をつくり、上場した。ただ、半数がやめた。

つぎに、プレイドの例。彼は50名まで全員リファーラルで採用した。社員のお知り合い、経営陣の知り合いなど。ヘッドハンティングを使わずに。100名になったところで上場している。驚くことに1人もやめていない。

社長のキャラクター、あるいは環境にも依るので一概にはいえないが、伸び盛りのときは採用することでリカバリーできるかもしれないし、なかなか成長できない市場のときは非常に慎重に採用しないといけない。

工藤:採用は非常に責任を伴う。創業当初は売上もなく、まだビジネスモデルもできていないので心配な中でなかなか採用は難しい。社員だけでなく、その家族に対する責任もあるので。

Locondoの頃の話を...

(ここで工藤のWiFiが調子悪くて途切れる)

ポールさん:アーリーステージのころ、元同僚・元部下もしくは元上司を誘うなんて、この会社が半年後、1年後存在していないかもしれないので、誘っていいか躊躇する。

日本での採用の難しさ:伝統的な人事部

ポールさん:日本では採用における知識を人事のマネージャークラスに教えていない。そして、大半の人事部のメンバーはコンプライアンスや労働法を守ることを重視していて(スタートアップ)の採用に向いていない

(スタートアップの採用は)会社の良いところを候補者に伝えたり、なんとか社員を増やすために何かしないといけない。会社の営業をやっている。

「営業」「コンプライアンス」を同時にやるのは不可能。

採用は全社活動。リファーラルは強力な武器

高階さん:成功している会社はCEOレベルが採用人事にコミットしている。DeNAの社長は、上場してからも必ず最終面接は自分がやっていた。採用したその1ヶ月の間のどこかに「カバン持ち制度」というのがある。新人の方に社長の1日に密着してついてきもらう。カルチャーセッティング、方向性、今の若い方がどんな風にDeNAに入ってくるのか、というのをオリエンテーションしながら1日びっちり、カバン持ち制度でやっていた。

ポールさん「Hard Things」という ベン・ホロウィッツの本があり、その中で「人、製品、利益」をこの順番で大切にするというQuote(引用)がある。

中畑さん:過去に人材紹介会社をやっていてそれを売却したことがある。スタートアップ、はじまったばかりだと、経営している側自身も先行きがどうなるかかわらない。

加えて、優秀なひとはなかなかとれない、そして報酬が高い。それが用意できるかというのもあり、ステージごとに悩みの種類が異なる。

ゲストリファーラルはコストがかからない。アマゾンなどで、リファーラルを積極活用している企業は多い。うち(積水フーラー)では前までやっていなかったのですが、最近リファーラルで入ってこられた方がいて、定着率も良い。

高階さん:VCとしては、リファーラルでぜひお願いします、と言っている。出資は採用費と引っ越し代に使われるのが多い。

リファーラルが機能するのはベンチャーでも少ない。これがうまく回るとすごい会社、カルチャーになってくる。

コーポレートカルチャーの大事さ

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ゲスト:採用の際に大事なのは、スタートアップでも、中小企業でも、その会社の経営理念に合うかというのをしっかり見ることは非常に大事。

かつてはGE、今はアマゾンは会社にあうのかをあらゆる角度から何人もの面接官が面接している。経験よりもその価値にあうかどうかが非常に大事。

ポールさん:スタートアップはどんなステージにいっても、ハードな時期がある。忍耐、我慢づよい人でなければならない。最近大型資金調達をした輝いているスタートアップに入ったり、出たりする方もいるが、時間のロスである。本当にハードな時期がきても頑張り続ける方でないと困る。

中畑さん:若い方にスタートアップが最近人気がでている。優秀な大学の卒業生もスタートアップを目指す流れがでている。

ポールさん:キャリアパスになってきている。

良いスタートアップ・ベンチャーの見抜き方

高階さん:正直大きな企業にいっても、5年後、10年後あるかどうかわからない状況。一時期、安定を目指して商社・銀行が多かったが、入社してやる仕事も固まってきていますし、自分の才能を活かし生き甲斐を感じるのはなかなか難しい部分もあるので、本当に優秀な方はベンチャー・スタートアップの方に就職してほしい。

スタートアップへの就職を考えている方は是非投資家をみてほしい。どういうことかというと、経験がある投資家・VCがいるが、彼らによって、成長するまでのファイナンスの額が変わる。

Globisさん、ジャフコさん等の大手、伊藤忠テクノロジーベンチャーズさん、等経験のあるところが出資していると、どんどんファイナンスができるので、ベンチャーの成功確率が高まる。

「ここはいい投資家が入っているので安心できる」というのでトライするのもベンチャーに就職される方のポイントになると思う。

ポールさん:投資家はデューデリジェンスもちゃんとやってくださるので、評価をアウトソーシングできるイメージです。

工藤:自分の失敗も振り返って話すと、カルチャーフィットはとても大事。メリービズも当初は「こういうファンクション(機能)」がほしいというので採用していた。ただ、それは残念ながらうまくいかなかった。入社された方が自分の役割を果たせるのはとても大事だが、役割はスタートアップだと変わってきたり、進化していくため、そうしたなかでもずっと残って、生き甲斐をもってやり続けられるかどうかが大事。そこでカルチャーやビジョンが大事。プロダクトは変わるかもしれないが、会社の目指す方向に本当に最後まで共感できるかどうかが大事。そこが、グリッド(GRID)というか、いろんな困難のなかでへこたれずにやっていけるかどうか。そこを考えて、ぜひスタートアップを選んでいくと良い。

中畑さん:働く側からきいたミスマッチ事例を紹介。ある外資系企業で働いていた社会人2−3年目の若い方がスタートアップにいきたいと言い、内定も得たが、現職の給料より月収で7万円下がる。そこでこの7万円をどうにか解消してくれませんか?と交渉したら、そんなお金にこだわる人には来てほしくないといって内定が取り消しになってしまった事例をきいた。これは明らかにミスマッチ。

外資系で働いているというのは、一般的な日系企業より給料が高い。そしてスタートアップに行きたい理由が、直接きいた訳ではないが、おそらくキラキラ感を求めていたのかな。

スタートアップにいきたい理由、そして何に共感するのか?

勢いがあり流行りだしカッコいいから、だけだと駄目。あと、給与条件等は全部、応募段階ででているはずなので、きちんと確認した方がよい。

ポールさんミスマッチを防ぐためには人材紹介エージェント、有効に使える。良いエージェントはミスマッチを防ぐためのすり合わせをしてくれる。

スタートアップの採用力アップの10個のポイント

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ポールさん:スタートアップが採用力アップのために10個ポイントがある。

1. 採用ページをつくり、魅力的なコンテンツをつくる

かなりの方が、採用ページをみる。

高階さん:投資家もみている。

中畑さん:社員の方々に登場してもらうのもとても効果がある。

2. 信頼できる人材紹介エージェントを見つける

現在は、特にエンジニアに関してだと、需要に対して供給が少ない。海外エンジニアがコロナで入国できないことも原因。

エージェントとは長期的な付き合いができる方を探す。

そして、スタートアップとして人材紹介エージェントに信頼されるようにする。レスポンスが早くする、採用プロセスがしっかり制定し円滑に進める、そして請求に対して払ってくれる企業になる。

下請けだと思うのは良くない。エージェントに嫌われるとよくない(業界は狭いのでそのような情報はすぐに広まる)業界での評判も落ちる。関係づくりが大切。

3. 各ポジションの相場を確認してから募集

人材業界のゲスト:企業側ではわかりにくい場合がある。エージェント側ではいろいろな事例があるのできいてみるのも手。

ただ、相場も外資・国内ではぜんぜん違う。

4. ストック・オプションの付与

上場しているスタートアップ資本政策をみていると、日本の社長はケチなことが多い。最近だとメルカリはしっかり社員にもストック・オプションを出している。ただ、日本だと社長が4割もっているケースが多い。

ストック・オプションは日本ではあまり理解されていない。

高階さんストック・オプションは使い方によってモチベーションになる。 投資するときは、10~15%で顕在ベースでという条項が入っていることが一般的。制度を社員にしっかり説明し、どんどん使ってほしい。

使われない理由としては、成功した経験者が少ないというのがあるかも。ストック・オプションを通じて資産が形成された創業者がいないのであまりピンときていない。上場して資産を形成した社員にヒアリングをすると実感が湧いて良い。

ゲスト:アメリカではRSUが主流になってきている。オプションよりも株価が下がっても価値がなくならない。

日本の場合は経営者が恣意的に支給しているが、欧米の場合は入社時のオファーレターに明確に記載されている。

ポールさん:マネーツリーでは6−7年前からオファーレターにシミュレーションを載せている。

5. 採用はエビデンスベースで進める

ポールさん:もう15年使っているが、トップグレーディングというシステムに近いようなものが良い。

そうしないと意思決定を誤ってしまう。その結果大きな被害が起きる可能性がある。

工藤:メリービズではワークショップ等をやって評価するようにしている。実際の業務に近い課題をやって頂き、その成果を評価している。

ポールさん:続けて残りも話していきます。

6. ちゃんとした採用プロセスを制定しよう

7. 応募者・候補者のエクスペリエンスを想像しよう

8. 各応募者を評価しながら、セルセルセル

候補者に自社の良いところを伝える(セル(Sell)営業)していく必要がある。

9. 採用のプロセスにより、「NG」という結果は失敗ではない

いい候補者がNGになった場合もあると、チームは落ち込むことはあるが、NGは失敗ではない。採用すると会社にとっても損失であり、候補者にとっても損失。この場合はプロセスが勝ったという風に説明している。

10. 入社後のチェックインをやること(1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後に)

人事制度・評価制度

高階さん:外に説明できる評価制度があると良い。
ベンチャー・スタートアップはこの部分が遅れている。

日本のスタートアップが成長するために、評価制度が大事になってくるかもしれない。メルカリがOKRを導入した後、どういう評価制度で進めるのかをものすごい早い段階で整備して、そこから採用した。

おおきく成長して良い人を採用するために、外に説明できる評価制度を日本のスタートアップは頑張って取りいれることを検討すると良い。

ポールさん
エンジニアサイドの評価制度は定着してきた。
今年は、ピープル&カルチャーのマネージャーを採用した。Culture Ampというソフトウェアをつかっている

キャリアミーティングを年に12回くらいやっている。1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月にチェックインを2,3年前からやっている。それに加えてキャリアプランニングをうまくやれば、この会社に2、3、4、5年残ってくればこのような経験ができる、自分が経験したい!ことをマネージャーに伝えれば経験させてあげたいと伝えている。

中畑さん
ジェンダーギャップバイアスがある企業がある。
そういうところで働いている女性で辟易している方

工藤
ここはスタートアップとしてはチャンス。

それ以外の採用の話

人材紹介のゲスト:人材市場の競争は激しくなっている。

コロナで外国人の方が入りにくくなっている。その分エンジニアが減っており、マーケットが縮小している。

ただ、採用の方は拡大している。エンジニアのなかでも建築・土木、機械系・電子電気が少ない。文系ではファイナンスは割と多い。BIG4はとれているが、それ以外はうけてもらえない。中小企業はなかなか苦戦している。

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