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第7回 大切な家族

癌って?

 義理の父親は、「白血病」になった。今の時代、がんは2人に1人がなると言われている世の中である。どの家族、どの身内にも起こりうる病気であり、そう珍しいことではない。
 白血病だって、10万人に1人から2人の確率で発症するリスクがある。誰でもが経験しうる出来事だったと思う。
 前に書いたように、白血病の治療法として、骨髄移植があった。身内は、移植の適合率が高く、治療をするうえでドナー(骨髄を提供する人)として、適正が高いらしい。父親には、兄弟がいた。義理の祖父母の家に居候していた時に、一度あったことがある。感じの良い人だった。
 まぁ、当たり前のように移植の話になるだろう。自分の家族である、弟のために骨髄移植をするのだから。
 その当時、汚いゴキブリハウスから飛び出て、新しいマンションをローンを組んで、購入して家族で住んでいた。父親はもちろんクリーンルームに住んでいる。
ある日、家のリビングで、夕日がさす部屋の中で、母は、言った。
 「おばさん(義理の父親の姉)が、私たちと離婚しないと、移植しないんだって、おじいちゃん(義理の父親)が言ってるんだって」
 まぁ、今考えてみればわかる。初婚の息子に、子連れ3人のバツイチの母親、それに加えて、白血病になって、治療が必要だと。
 彼の両親や、親戚からしてみたら、いい気分なんてしないことは。
 だから、もちろんありがたい意見は頂いて、離婚をすることになった。
骨髄移植をしてもらう代わりに、家族も一緒に解散、もちろんローンで組んだ家も、もし父親は死んだら、団体保険の適応でローン返済は無くなる予定だった。
彼らはそれを危惧して、
だから、家も追い出された。

本当の家族が、命を天秤をかける瞬間。

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