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第5回 家族との新しい生活

 便利な生活と、不便な暮らし

 義理の祖父母の家を出て、賃貸の一軒家へ引越しした。家賃はいくらだったんだろう?義理の祖父母での家の生活に肩身の狭さを感じた母親がきっと言い出したのであろう。祖父母の家を出て、引越しをした。築年数もよくわからない、古びた家だった。浴室は、今時珍しい二つ穴の浴槽、昔の団地のようなガス火だきの浴室だった。
もちろんキッチンのお湯も、給湯器が蛇口の目の前にあって、つけるたびにカチッチッチッチと音を奏でる懐かしい給湯器、今までの生活で体験をしたことのないものだった。
 別に不便さはなくて、個人的には逆に面白い体験だった。蛇口の赤と青の方向に撚れば簡単に出るお湯や水じゃなくて、使うときにコンロみたいにガスをつけ、お湯を温める、自動で浴槽にはお湯も、張ってくれないも無い、追い焚きもない。
まぁ、お湯が出るだけありがたいよね。
 つまり、丁寧な暮らしってそういうこと?

また、一つ新しい経験をしたと思った。
ある意味、少し優越感もあったのかもしれない。他の家庭が経験しないようなことをしたんだなんて、中学2年生の子供ながら思っていた。
 そして、よくゴキブリが出た。1日に何匹も出てたから、きっと巣窟だったと思う。
 浴室には少し時間を空けると、彼らが歩いている。浴槽の下をみてもいない、一体どこから出てくるのかとても不思議だった。慣れとは怖いもので、最初は驚きながら、生活していたのに、気がつけば簡単に駆除を出来るようになっていた。いまだに、周囲には彼らを苦手だという人もいるが、自分にとってはありがたいことに苦手意識も無くしてくれた良い経験だったと思う。
ネズミは出なくて本当に良かったな。
 義理の家族との生活全然書いてないな。
 ありがとう、ゴキブリ。

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