見出し画像

くすぶってるデザイナーに、「デザイナー」の在り方を再定義したい。

こんにちは、最強のチームを作るためにスラムダンクを読んでいるグラです。
2ヶ月前に25歳を迎え、デザイナーとしてミドルなのかジュニアなのか曖昧な狭間で日々生きています。

ここ3ヶ月間ぐらい、会社の案件獲得のためにコンサル営業に入っているんですが、コンサル営業ってビジネスやデザインの理解から、フロントコミュニケーションにドメイン知識まで、求められるスキルセットが多くて毎日忙しくしてます。

なんでコンサル営業までやろうと思ったかというと、デザイナーって「赤ちゃん」が多いと思ったからなんですよね。
それも含めて、今から本題の話ができればと思います。

※ この記事では主観的な表現がとても多く書かれていますが、あくまで個人の感想と見解になります。

デザインに依存するデザイナー達

赤ちゃんって何かについて説明したいんですけど、デザイナーってものづくり的で職人的な側面が強いし、想像以上にビジネスのことを知らない気がしてるんですよね。P/L・B/Sとか読めない人も全然いると思います。

これって、そもそもデザイナーのビジネス知識が不足しているのもあるんですが、今までデザインを作ってた人から、「ビジネスにも領域を増やして価値を発揮したいけど、結局ものづくり以外で価値発揮できることがない」「自信がないからデザインの殻にこもってる」みたいなことって多いと思うんです。
これをめっちゃ辛辣に表現すると、ビジネスから逃げてデザインというお母さんに頼る人を「赤ちゃん」って僕は呼んでます。

かわいい

多くのデザイナーはビジネスに興味を持たず、デザインの技術に依存して、新しい領域に足を踏み入れることを恐れてるように感じています。もしくは怠慢。

なので今回は、ものづくり以外で価値を発揮することができていないデザイナー向けに、「デザイン以外で活躍できる領域を増やして、創出価値を最大化するにはどうすればいいか?」について考えてみたいと思います。

デザイナーは、事業の売上に寄与する他分野への越境も検討すべきである

結論、自分は上記のように考えてます。
検討すべきと書いてあるのは、「自社の売り上げに最も貢献できる方法が、デザインに専念することである」というのであれば、あえて越境する必要はないと考えているからです。

早速、どうやって越境していくべきかをお伝えしたくはあるんですが、その前に、私の思う「越境するべき目的」について認識を揃えたいと思います。

前提1: 企業とはミッションを実現するために存在している

まず最初に伝えたいことがあって、あなたが所属している企業の存在意義ってなんでしょうか?
企業の存在意義は、「掲げているミッションを達成すること」だと私は考えています。

企業は掲げるミッションを実現させるためにサービスを提供し、そのサービスの価値を享受した人々から、感謝として対価 (売上)をもらっています。
つまり、売り上げとは顧客の感謝と期待の総和。
「ミッション実現のために企業はどれだけ社会に価値を提供できたか」を測る成果指標が「売上」になるわけです。

前提2: あなたも、企業のミッション実現に貢献するために働いている

では次に、あなたは何のためにその企業で働いているのでしょうか?
人によって働く理由は様々ですが、結果的にあなたは「企業のミッション実現に貢献する」ために働いてるのです

企業はミッション実現のために存在しているので、あなたはミッション実現のために貢献する人として、その企業の社員として働き、貢献した対価として給与をもらっているといえます。
あなたも企業の売上と同じく「どれだけ会社のミッション実現に貢献できたか」を測る成果指標が「給与」になるわけです。

つまり、企業とはミッションを実現するために存在し、社員は会社のミッション実現のための活動を担い報酬を得ているということです。

越境するべき目的

先ほど企業の存在価値はミッションの実現であり、その成果指標が売上であると述べました。
また、私たちがデザインをする目的は、企業のミッション実現に貢献することです。意識的でなくとも、私たちのやっているモノづくりによって企業のミッション実現に貢献しているのです。

しかしここで気になるのが、単に「プロダクトデザインをする」「デザインを作る」といった活動だけでは、企業に貢献できている量はあまりに限定的ではないですか?ということです。

デザイナーが転職市場に少ない中で、デザイナーの年収が1000万円もいくかどうか怪しいというのは、それだけデザインという領域に限った貢献度が、限定的であるとされていることを示しているように思います。

サラリーマンデザイナーとして年収1000万を超えるのはかなり困難な印象です。儲かっている会社でシニア以上のデザインレベルとマネジメントを担うには、そもそも枠自体が少なすぎます。

https://note.com/holly/n/nb6b563ff1af4

UI/UXデザイナーで年間転職者は1,800人、月に150人です。それをエージェントやダイレクトリクルーティングなどチャネル別に分解するともっと少ないです。

https://note.com/tommy_career/n/n1c37a74e1810

実際、多くのデザイナーがデザインという領域にこもって出せる価値は、そんなもんだと思います。デザイナーの採用難易度が高いにも関わらず、売上に対する貢献度が少ないからデザイナーの地位も上がらないわけです。

大きな価値を発揮できる存在になるために、デザイナーを辞める

ここからデザイナーが他領域との越境によって、どのようにして創出価値を最大化できるのかについて考えてみたいと思います。

1. デザイナーという肩書きを外す

まず最初に、デザイナーという肩書きを自分の意識から剥がすことが重要だと思います。
ものづくりの人間から、目的を達成するための存在として意識を変えることが最初の一歩です。大前提、自分はデザイナーの前に1人のビジネスパーソンであるという自覚を持った方が良い気がします。

デザイナーはデザイナーであることを理由に、ビジネスパーソンとして必要な知識・経験の習得が遅れているように感じています。
理由は様々ですが、自分はデザイナーという逃げ場があることがそれらの習得の妨げになっている気がしています。

難しいと思うのは、デザイナーの中にはそもそも、スピーディーに対応すること、お金や数字、ビジネスやマネジメント、こうしたことが苦手だけど、デザイナーならやっていけそうだ、という動機で職業選択をしている人が、少なからず存在するからだ。全員がそうというわけではないが、その割合は他の職種よりかなり多いのではないかと思う。

https://baigie.me/nippo/2023/05/23/non-business-designer/

それなりの社会人経験があるにも関わらず、平均的なビジネスの知識がない、一般的な商売感覚が分からない、というビジネスオンチはどんな職種にも存在するが、デザイナーにおいては特に多い印象がある。

https://baigie.me/nippo/2023/05/23/non-business-designer/

あくまで自分はビジネスパーソンという前提の中で、デザインが得意だからデザイナーという仕事をもらっているというだけに過ぎないと考えること。
自分をビジネスパーソンとして捉え直すことで、歳を重ねているのにキャリア相応の商売感覚やビジネス知識が不足していることは、恥ずかしいと思うのでは。

そうすることで、デザイン以外の仕事や知識が必要になった時も、前向きにチャレンジしようと思えるのではないでしょうか。

2. デザインとフィールドの掛け合わせで、組織の売り上げに最も貢献できることをやる

マインドセットを形成したのであれば、デザインという手段を使って、企業の売上に最も貢献できるフィールドを開拓していくことがネクストアクションだと思っています。

例えばコンサル営業であれば、提案時の表現力とデザインの専門知識を使って訴求することですぐに貢献することができます。受注した時の売上に対する影響は大きいです。
色んな事業のビジネスモデルやドメイン知識を知れるし、経営者と対面することも多いので経験値になります。

少しずつ結果を出してデザイン以外の領域も担うことで、単なるモノづくり人間からデザイナーの知見を活かして「案件を引っ張って来れる人」になります。
これって普通にただモノを作ってるより、掛け合わせによってバリュー増えてますよね。

他にも、UIUXデザインの知見を活かして新規事業の立ち上げに挑戦することで、企業の売上の柱を作りにいくことだってできます。
最初はデザイン部分の領域を担うものの、PMやエンジニアリング知識まで領域を拡張すれば、「新規事業の立ち上げを推進できる人」となり、バリューが増えます。(余談:自分はこのケイパビリティも拡張したい)

この時の肩書きは何でもよく、「新規事業の立ち上げ責任者」や「デザインができるPM」など、ここにおいて自分がデザイナーである意識は消し去るべきです。役割として明確にしたほうが事が円滑に進むのであれば、その時に初めてデザイナーのロールを担うことを意識すれば良いと思います。

デザインを作るだけでは、一生「デザインができる人」からバリューが増えません。活躍の場はいつになっても「デザインを作る現場」だけです。

あくまでデザインは付加価値・手段です。ふりかけです。
どこにふりかけるかで価値の総和は決まってくるので、どこと掛け合わせるのかは重要です。
そのため、掛け合わせたもの同士で、どれだけシナジーが生まれるかは想定しておく必要があります。

グラフィックデザイン × BtoBプロダクトの新規事業開発
= シナジー生まれづらく、バリューも少ない

グラフィックデザイン × ブランディング案件の提案営業
= シナジーが生まれやすく、バリューも出やすい

必ずしもデザインを作ることだけが、あなたの価値発揮の場ではなく、デザイナーという経験を活かして、新たなフィールドに挑戦することで創出価値を最大化させることができるのではないでしょうか。

3. ROI(費用対効果)の意識を持って、自分の行動に価値があったかを振り返る

あくまで「越境」は売上に繋げるための手段です。
自分のもらっている給与と照らし合わせて、本当に見合うだけの労働だったのか、ROIの観点でやるべきことを決めることが重要だと考えています。
つまり、必要とされてない越境をするのは皆んなが不幸になるので、個人の特性と強みを活かした越境をする必要があります。

必ず越境してゼネラリストを目指せという話ではなく、自分がどのフィールドで活躍できるようになれば一番貢献できるのか?という視座の話です。

あなたがデザインのスペシャリストになることで、企業のミッションを達成に最も近づけるのなら、それはいいことだと思います。
しかし、新しい挑戦に対して「自信がないからやってない」「興味がないからやってない」では、貢献できる余地があるのに不誠実なのではないでしょうか。

企業の目的を捉えた上で、今そのロールに居続けることがベストなのかを再定義する必要があるという話です。

もし仮に、それを検討した上で、「今のロールで良いものを作ることが重要」だと判断したとします。
ここにも注意が必要で、良いものを作るにしても「ROIを意識した上で、良いものを作る」がビジネスの現場においては重要になります。

綺麗なグラフィックを作る、良いプロダクトを作るのも全て会社の経済活動の一部なのです。社内勉強会ですら、成果・目的達成に繋がっていないであれば、会社のお金を使って遊んだだけに過ぎません。
ROIを意識して、良いものを作っていきましょう。

余談ですが、「何となく働いて、どこかからお金が振り込まれるわけではない」ということを頭に入れた上で働くことって大事だなと思っています。
実際は雇用契約なので振り込まれるわけなんですが、その意識があるかないかで、日々のコスト意識も変わだろうなと感じています。
(そういう意味では一回起業・役員・フリーランスを経験するのはアリかも)

大体、越境するために出来そうなことを書きました。
ここから先は、個人的な意見や感想を書いたものになります。
(良かったら読んでください)

デザイナーという肩書きに囚われない

昔から僕はデザインという言葉に色々包括されるのが嫌いです。
なんたらデザインなんたらデザイン、そんなにデザインにこだわりたいのか?とも思う。
(余談:単純に一般の人から見てわかりづらすぎない?)

UIデザイナー、UXデザイナー、デジタルプロダクトデザイナー、サービスデザイナー、デザインストラテジスト、インタラクションデザイナー、UXリサーチャー、UXライター、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、アートディレクター、クリエイティブディレクター、BXデザイナー、コミュニケーションデザイナー、デザインエンジニア...
肩書き大杉…..

https://note.com/tommy_career/n/n1c37a74e1810から引用

僕が他職種から初めてデザイナー採用担当になったとしたら、得体が知れなさすぎるし、言葉として全然浸透してないと思う。
グラフィックが苦手なデザイナーなら「デザイナーだけどグラフィックが苦手です」、エンジニアリングが得意なら「デザイナーだけどフロント書けます」でいいのではとも思う。

もはや「自分はこれだけがやりたい」というエゴや、「自分の存在主張をする」ためのエゴが具体化したものなんじゃないかとさえ思えています。

「私はこれをしたい!」「将来のためにこれを勉強したい!」と自我ベースで考えられているために外部環境適応ができない。
「どうすれば事業は勝てるのか?」という大上段の問いが空洞化し、「自分たちのしたいようにやる!」を追求すると、組織はおかしくなっていく。
「事業が勝つための仕事」ではなく、「人のための仕事」が無限に生成されていく

さかいふうたさんから引用

セルフブランディングが浸透したお陰で「自分はXXデザイナーです」という細かい肩書きまで出てきて、それを目指そうとする人も増えました。
それぞれが都合の良い役割を生み出しまくってる状態だと思います。

しかし、肩書きはあなたの歩みたいキャリアのためにあるわけではなく、「事業成長のためにXXしていた人」「会社に必要なジョブ・ディスクリプション」を言いやすくしたに過ぎなくて、本質を忘れてはいけない。
「自分はUXデザインの専門家です」と言うことで、逆に自分の発揮できる価値を限定的にしていないか?ということを改めて問うべきだと思う。

一端のデザイナーとして終わるか、大きなコトを成せるデザイナーになるか

殻にこもってデザイナーの職責範囲から出ないうちは、一生大きなコトを成せる人にはなれないように感じています。

少なくとも私の憧れていた本当に強いデザイナーとは、職責に縛られず、ビジネス・デザイン・テクノロジーの力を活かして、トータルで大きな価値を創出できる人だったと思います。

https://industry-co-creation.com/special/9284

日本の産業で言うと、ビジネス系の人と、テクノロジー系の人がほとんどです。そして、そのハイブリッドであるBT型の人材が電気産業や自動車産業を牽引してきたのではないかと思います。

https://industry-co-creation.com/special/9284

まだ学習半ばですが、デザインも開発も学んでいて良かったと思うし、何かを動かすには掛け合わせが重要であることも理解できてきました。

また、それなりに社会人歴があるのに全然ビジネスのこと分からない、年相応の思考ができないのは恥ずかしいなと思い、自分自身日々新しいことを学んでいます。

デザイナーの在り方を再定義したい

技術がコモディティ化していく時代を見据えた時に、XXデザイナーという肩書きを捨て、何者でもない自分として一から励むことが必要になっていると思います。

それが遠回りに見えて、実は本当に強いデザイナーになる近道なのではないでしょうか。

それが一端のデザイナーとして終わるか、本当に強いデザイナーになるかの境目であり、デザイナーという居心地の良い殻に逃げてしまうと、中々戻りづらいのではないかと思っています。
殻にこもって着々と成長することはいつでもできるので、今のうちに色々痛い目みて、長期的な目線でレバレッジかけておくのが良い気がしてます。

正直、肩書きなんてどうでもよくて、売り上げに寄与するなら出来る範囲で何でもやればいいし、どの領域を担えば最短かつ効果的に成果を出せるかで自分の範囲を再定義すればいい。

だからこそ私は、本来より大きな価値を発揮できるのに、殻に閉じこもっているデザイナー達に対して、「デザイナー」の在り方を再定義したい

最後に

だいぶ偏った見方にはなったんですが、一つの意見として見てもらえると嬉しいです〜。

もし気軽に話してみたい、キャリアや転職で悩んでるとか思った方はXやPittaで声かけてください。

https://pitta.me/matches/UxDkbShkvSAc

https://twitter.com/guraogr

事業会社に行ったり、クライアントワークの会社にいったり、スタートアップで働いたり、年齢の割に色々経験していると思います笑

アホな失敗もあれば、逆にやってみて良かったこともあったので、実験体から学びとる感じで何かに役に立ててもらえたらと思っています〜。
デザイナー志望、若手デザイナー、無職のおぢさん、誰でも気軽にはなしましょー。

自分のことが分かる記事


この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?