我が家の全力兄弟が奏でる床ドンドンＬＩＶＥも、休校休園につき、土日だけでなく連日開催になりました。２メートルあれば助走付きでフル加速できる生き物たちが、父親譲りの扁平足でフローリングに響かせる重低音はいよいよハウリングするほどの大音響に。苦肉の防音マットも古いライブハウスの壁に張られたボロ毛布程度の気休めでしかないのでしょう。「忍者の摺り足ってカッコいいよね」という提案の効能も３日で切れました。

最中、マンション、うちの階下のお宅の旦那さんもそりゃ在宅勤務になりまして、奥様から窮状を訴えられていた床ドンドンサラウンドを実際に連日体感することに。なんとZOOMが頭上の音に反応するんですって。オンライン会議で発言していないのに、騒音に苛立つ険しい表情が映し出されて、議案に異議を唱えてますみたいになっちゃうんでしょうか。ということで、憤怒の炎を燃やす旦那様にお呼び出しいただき最後通告を頂戴しました。

そうです。引越しです。これもコロナ禍なるものかと嘆息するも、転居を機会に、息子たちのドンドンに親が金切り声で応戦する修羅場も卒業かと思えば、それもひとつの開放感ですよとポジティブに切り替えるべし。善は急げ！と近隣に一戸建てや１階の物件を探せば、小学校直近の２階建ての空き家を見つけ、いそいそと現地偵察。黄昏に映える赤レンガ風の佇まいもどこか可愛らしく、うちの奥さんも気に入ったよう。「学校に遅刻しそう！ってなったらこの道をダッシュだね！」と夕焼け方面へと駆け出していった彼女の遠くなる背中を眺めながら、あぁこんな展開も悪くないかなぁとほろり安心。人生の転がり方、少しだけ上手になったのかもしれませんねぇ。