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【香港🇭🇰「修養」日誌61】「テレビ局辞めて香港で何すんの?」という真っ当な質問に答えるならば @紅磡 20220728

夜のサッカー場に忘れた水筒を取りに行く 慌てることはなかったので海沿いの遊歩道をひたひた歩くことにした 日中あれだけ熱を運び続けた南国の風もやっとクールダウンし 汗ばんでいた人々も気化熱が奪われる涼感を味わっている 段ボールと台車で自作の移動テレビ台(時計台)を拵えたおじさんが舞っている 対岸では資本主義のネオンが光っている 波間に映る彩色 僕には関係ないけど綺麗だな

40歳になって香港に流れ着いた 自分なりの合理的な人生選択の行先でもある 幼少期に強烈なトラウマがあるわけでもない 受験戦争で学んだこともテレビ局の経験もそれなりに刺激的だったよ でも「誰のための何だったのだろう?」と自問すれば 感謝と恨み節がまぜこぜの半煮えの残念なおじさんでしかない これはね誰かと比べて恵まれているいないの相対的幸福の話じゃない 絶対的で利己的な生き方の勝ち負けの話 竹原ピストルを借りれば「自分が積み上げてきたものとの戦い」を盛り上げろってこと

そう「<積み上げてきたもの>と戦うために時間を買ったのさ」と答えよう 「テレビ局辞めて香港で何すんの?」という真っ当な質問にはね と言っても僕は遊び暮らしているようにしか見えないでしょう 広東語を覚え内田樹の言葉を書き写しピアノを弾き語り日誌を書き毎晩映画と読書 でも必死なのよ 無職なりにイライラするのよ それはそれで知らないことできないことの多さに 僕は今 猛烈に積み上げている 40年積み上げてきたものを迎え撃つために

「何すんの?」は人生の手段にすぎない 積み上げた高みからの絶景を見たいだけだ