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ゆるさの欠片もない土地「ニャフルル」へ再び 2019/06/26

ニャフルルに初めて訪れたのは5年前のこと。
大学を卒業して、社会人になったばかりのことである。


ケニアとは一体どんなところなのだろう
ニャフルルって名前はゆるいけど実際どんなところなのかな


そんな思いでケニア、そしてニャフルルに初めて訪れて随分月日が経つ。
日本からニャフルルまでは、飛行機で20時間、ナイロビ空港から車の移動で約4時間かけて辿り着くことができる。

当時の僕は長時間に渡る移動と、慣れない高地の環境でニャフルルに到着してから、早々に発熱し体調を崩してしまった。
時差ぼけや疲労感の影響からか、広大なケニアの大地に沈む夕陽を移動する車窓から眺めながら、
とんでもないところに来てしまったなと
憂鬱になったことを記憶している。
体調がよくなってからは、ゆるきゃらがいないことを除けば、中々いい場所じゃないかというのが、ニャフルルに対しての個人的な印象である。


そんな思い出の地、ニャフルルに今回再び訪れた。

(赤道がちょうどこの場所を通っていることを表している名物看板)


またこの土地に来ることになるとは
人生なにがあるかわからないな


こんなありふれた言葉を実感しつつも、これから待っている久しぶりのニャフルル滞在に若干の期待を込めている自分がいた。


訪れてみると、

ゆるいのはやはり名前だけ
それは以前も今も変わらない


という思いをまず抱かずにはいられなかった。


多くのひとはまず
ニャフルルについて誤解している。

街にはゆるキャラは存在しない。
(誤解していたのは僕だけ)

ゆるキャラが住む街のような名前で人々を油断させるのがニャフルルの常套手段だ。
(ネコ系のキャラクターがいるはずと思ったのは僕だけ)


ニャフルルにいるのではないかという個人的なゆるキャラのイメージ(漫画「ピューと吹くジャガー」の作中で登場するニャンピョウ を引用)


実際のニャフルルは、野良猫がたまにいるくらいで、どちらかといえば犬が多い。
主に家畜の世話をするために飼われているためだ。(ニャンピョウの姿形はどこにも存在しない)


家畜として飼われている牛、鶏、羊はよく見かけるし、市街地から離れるとシマウマやトムソンガゼルを見かけることもある。

(ニャフルルに向かう途中にいたシマウマ)

さらに稀にカバ、キリン、ゾウも見かけることができるそうだが、
これらを見かけたら、己の生命危機レベルは最高値に達しているので、気をつけたほうがいい。
自撮り棒で撮影している内に背後に迫ってきて、それが最期の1枚になる可能性も決して否定はできない。


今回はニャフルルに来ても
この街の常套手段には乗らない。
なぜならもう5年前の僕とは違うから。

あの頃はイメージばかりが先行していて、ニャフルルに対して自分勝手なイメージを押し付けていた。ゆるキャラのいない街というのは既に理解している。今回の滞在ではニャンピョウの幻影を求めさ迷うことはない。
ゆるいどころか逆に自然の厳しさを肌で感じられるような場所、それがニャフルルである。自然が豊かなケニアらしい場所と言い換えることもできると思う。


ゆるキャラの聖地「にゃふるる」は僕の中だけに留めておいて、
現実の「ニャフルル」ではトレーニングに励みたいと思う。
ここは標高2300~2400mと高度も上がり、かなり酸素濃度が薄い。ケニア選手でもニャフルルはきついと言わしめるほど、ハードな環境である。


今回の滞在ではニャフルル出身のビダン・カロキ選手に色々とお世話になるので、失礼のないようにしたい。
間違ってもゆるキャラ(ニャンピョウ)については聞かないようにしたいと思う。


あと、最後に伝えておきたいのは、今日が僕の28歳の誕生日だということ。
(どうでもいいことですみません)

28歳になってもゆるキャラについて意味不明に語っているとは自分でも予想していなかった。
しかし、こうしてニャフルルにいるのもなにかの縁なので、ニャフルルにあやかって、ゆるくない28歳の年にしていきたい。

(誕生日の前日に夕食をご馳走してくれたカロキ選手 ありがとうございました)

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