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リモートワーク マネジメント Vol.5

この回で5回目になりましたが、今回は、「アドバイス」についてです。ここで、これまでの流れをおさらいすると、テレワーク環境下でのマネジメントにおいて抑えておくことは以下の通り。

・結果コントロールによるマネジメント(Vol.1)
・思い切った権限移譲でサポートにまわり、信頼して気を配る(Vol.2)
・引き算のコミュニケーション。あれこれ言い過ぎない。発信と引き出すコミュニケーション(Vol.3)
・ドキュメントベースでのオフィシャルなレポーティング(Vol.4)
これらのマネジメントスタイルをベースとして、今回は、部下への「アドバイス」についてです。

テレワーク環境では、日常部下の仕事のプロセスは見えません。あくまで結果をもとに、あれこれ判断していかないといけません。
そうなると、結果を出している部下に関しては、極端な話、多くのアドバイスは必要ないとも言えます。何か改善したら良いことに気づいたら教えてあげるぐらいで、どんどん権限移譲するための情報を伝えてあげながら雑談した方がいいです。

結果が出せるようにするためのアドバイス

問題は、結果に届いてない部下の方です。多くはこの部下に対して時間を費やすことになると思います。
ここで、少し当たり前のことを言いますが、結果に届いていない部下に対しては、なぜ未達なのかを分析して、「課題(問題)の原因」を突き止めます。原因が判明すれば、その原因に対しての処方箋として的確に「アドバイス」します。
マネージャーの仕事は、この原因を突き止めることです。突き止めることができれば、解決策を「アドバイス」できますよね。
この際に1点注意することは、曖昧な表現で「アドバイス」しないことです。例えば、
「ここは、もっとテレアポを増やしたらいいよ」とかです。
「いま、1日20件だから50件に増やして」と言いましょう。
自分の「もっと」と部下の「もっと」は違います。ここで認識にズレが出てきます。この例は極端ですが、日本語には、このように「含み」が幅広い表現が多いので注意が必要。「もっと」「一旦」「とりあえず」「少し」「ちょっと」とかです。テレワークだと、一つひとつの会話(もしくは、テキストチャット)の言葉尻しか伝わらないので、とにかく「誤解」が増えるものです。

何をアドバイスするべきかがわからない場合

さて、ここからが本題です。
アドバイスしようにも「課題の原因」が突き止められない時にどうするか??です。

これは、テレワークかどうかとは離れますが、マネージャーとしては、大きな問題ですね。テレワークだと、状況を把握するための情報が少なくなることが、よりマネージャーを悩まします。

これは私の経験ですが、PDCAを「計画的に」「高速で」回していくしかないのかなぁと思います。結局原因を突き止めない限り、問題は解決しませんし、いつまで経っても結果が出ません。
課題は、2つのパターンです。
「部下」自体の問題 → このポジションに適していない状態であろう
目標設定の問題 → 目標設定そのものが間違ってないか?
この両サイドの可能性を検証して、PDCAを回しながら問題を突き止めます。

部下に問題がある場合


「部下」自体に問題がある場合は、スキルが足りなかったり、やり方がよくなかったりと、「部下」と「タスク」にギャップがあります。そこをサポートしてあげながら、結果を達成できるようにしてあげなければなりません。
コーチングとかトレーニングとかに繋がる話です。

目標設定の問題の場合


しかし、時には、目標設定側の問題である場合もあります。
一度、「この目標は、この部下に適した目標設定なのか?」を見直してみる。これは、マネージャー側の設定なので、実は、こちらを変更してみるとうまくいくいったという場合もあります。

極端な例ですが、
年間120万円の売上目標がある部下に対し、「月間10万円を達成する」という目標を与えていたとして、なかなか月の10万円が達成できないで悩んでいる。その部下は、月に10万円に固執してしまうあまり、低額で短期で受注できる商品の販売に固執してしまっていました。
ある時、1件30万円で3ヶ月準備がかかるコンペがあり、この部下が偶然担当となりました。そして見事受注。実は、この部下は、すこし時間はかかるが単価の高い商品の販売のほうが得意だったことが判明。
それ以来、「月間10万円を達成する」という目標ではなく、「半期で60万円を達成する」という目標に変更することで、この部下は、年間目標を達成できるようになりました。
マネージャーとしても、低額の商品すら販売できないのに高単価商品の販売なんてできるわけがないと、思い込んでしまっていました。

ここで大事なことは、「マネージャーの思い込み」のせいで、この部下の能力を最大限引き出せていなかったという例えです。
このように結果コントロールでのマネジメントでは、1回1回の目標設定が非常に重みを持ちます。マネージャーとして日々の部下への目標設定が甘いと、部下は最大限のパフォーマンスが発揮できていないということを肝に銘じておくことです。

以上のように、マネージャーとして「正しい目標設定」を行うことに心がけ、部下が目標まで全力で走れる環境にした上で、目標達成に必要なサポートとして「アドバイス」を行うことが大事だと思います。

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