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【教育】「いじめ」についての定義ってあるの?

 今回は学校で問題になっていることの一つとして「いじめ」を扱いたいと思います。
 
 いじめというのは、人によって捉え方が異なるから一概にいじめとは何かだなんて言えないのではないか?と思われている人もいるかもしれません。

 しかし今はいじめについての対策を国や自治体としてもするべく、きちんと法律上、定義されています。

 その法律というのは、いじめ防止対策推進法という法律です。

 何のための法律なのでしょうか。

 だいたいの法律において1条を見れば、目的が定められています。
 
 本法律も、1条に目的の定めがあるので以下で見ていきましょう。

 (目的)
第一条 この法律は、

いじめが、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、

その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、

児童等の尊厳を保持するため、

いじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。以下同じ。)のための対策に関し、

基本理念を定め、

国及び地方公共団体等の責務を明らかにし、並びに

いじめの防止等のための対策に関する基本的な方針の策定について定めるとともに、

いじめの防止等のための対策の基本となる事項を定めることにより、

いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする。
いじめ防止対策推進法1条

 まず重要なのは、いじめというものがいじめを受けた児童等の教育を受ける権利という憲法上の権利を著しく侵害するものであることを示しています。

 いじめは憲法に違反する状態なのだから、国及び自治体はそういった違反の状態を解消するよう求めている法律なんだなとわかります。

 そして、①いじめの防止、②いじめの早期発見、③いじめへの対処のための対策に関する基本的な事項を定めたものだとわかります。

 最終的な目的としては、そういったいじめ等の対策を総合的かつ効果的に推進することということです。

 こういった目的がある法律において、いじめというのはどのようなものだと定めているのでしょうか。以下で見ていきましょう。

 (定義)
第二条 この法律において「いじめ」とは、

児童等に対して、

当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う

心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、

当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの
をいう。
いじめ防止対策推進法2条1項

 簡単に言えば、①心理的又は物理的な影響を与える行為で、②心身の苦痛を感じているものです。

 このうち心身の苦痛を感じているというのはその行為の対象となった児童等がということであり、行為に及んだ児童等がそう思ったかどうかではありません。当然ですよね。

 要するに苦痛であればいじめということです。

 いじめかどうかでよく議論されていますが、法律による定義からすると広くいじめを捉えているんだなということがわかります。

 苦痛であればいいわけですからね。

 こういった法律があることも世間一般には知られているわけではないと思いましたので、取り上げてみました。
 
 今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。

 

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