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運命的な出会いを願ったりする

都会のファッションビルのワンフロアをぐるぐる、ぐるぐる回ったのに。
どうして一体全体、見つからないんだろう。
みんなどうして見つけられるのだろう、平気な顔をして笑顔でいるんだろう。

私の足に合う靴は、一体全体どこにあるのだろう。

夏だからさ、可愛いスカートとか素敵なワンピースを買ったんですよ。
でも合わせる靴がなくって。
長年かけてようやく出会ったNAOTの靴は足にぴったりしっくりくるけれど、たまには華奢なパンプスが履きたいこともある。

ところが、まったく、見つからない。
私の足は踵がとても細くて、たいていのパンプスはぱかぱかと脱げてしまう。
ストラップがついていないとだめ。
巻爪治療中だから、あんまり足が縮こまってしまうものはだめ。
個人的な好みだけれど、ポインテッドトゥよりもラウンドトゥが好き。
ヒールはほんの少しだけ。高すぎると腰を痛める。
そんな条件を、絶対に必要なもの以外は外してみても、ひとつも見つからないわけで。
ファッションビルの広いフロアの真ん中で、なんだかもう泣きたくなった。

何度も諦めては、憧れている。
最近はずっとうつむきがちで、それはテンションが低いだけではなくて、みんなの靴をぼんやりと観察していたりする。
私も可愛い靴が履きたいよ。

どこかに転がっている運命というやつを、心から願っている。
最近の切なるお悩み。