見出し画像

Partner Successについて - 1 〜Partner Successとは?(パートナーセールス関連)

はじめに

最近noteの投稿もサボりがちだったのですが、年末近くにAllianceチームのメンバーとのSlackのやりとりで、

スマートドライブが日本一パートナーサクセスしている会社だという状態にしたいですね。
めちゃくちゃ難易度高いですが、市場的な観点では十分可能性があるし、そこを起点に考えるという事を思いもしなかったので、昨日の「決算資料に一枚自分のスライドを差し込む」のと思考実験したい事が増えましたw

Slackより引用

ということを話していたので、まずはスマートドライブのAllianceについて現時点(2023.01.01)で僕が考えている重要だと思っていることや進め方について記載していこうと思います。

目次

  1. 【大前提】パートナー企業様に対する価値貢献について

  2. STEP1_セグメンテーション

  3. STEP2_アプローチ

  4. STEP3_1st-MTGについて

  5. STEP4_パートナー契約締結前に考えておくべきこと

  6. 次回の内容について

【大前提】パートナー企業様に対する価値貢献について

まずはじめに、パートナー企業様に対してスマートドライブとしてどのような価値を届けることを目指しているかというと、

弊社COOが数年前に作成し、今でも頻繁に使っている図

この図に合致していることがパートナー契約締結の大前提になっています。
スマートドライブと一緒に事業を進めることによって
①スマートドライブ製品の拡販による新規売上が見込める
②-1:パートナー企業様の既存(注力)製品がさらに売れるようになる
②-2:営業段階で同時に提案することで既存製品の受注率が向上する
③スマートドライブ製品から収集できるデータをもとにして営業活動が効率化される/販売後のサポートが効率化される

ということを、しっかりと説明できることがそのパートナー企業様の担当として必要不可欠なことだと考えていますし、これを説明できないと「単なるチャネル開拓や営業リソースを目的としたパートナー契約」になってしまい、お互いが本気で協業を進めていこうというモードにはなりにくいと考えています。MTG中にもこの部分が曖昧だと本来話したいトピックがあるけれども中断してこの議論をするというくらい大事にしています。

STEP1_セグメンテーション

次に、価値貢献をしていく際にどのような軸で考えていくとビジネス的な成果も望めそうかというところですが、本業とのシナジー×対象顧客という形で考えています。
当然Quick Win(初期段階における成功)は重要で、いきなり本業収益を伸ばしていくことは難しいので、
販売活動の実施(成果)→販売後のデータをもとに本業収益が伸びる→本業サービスとセットになったパッケージ提供
という流れで考えていきます。

大事なことは、ここでも繰り返しになりますが「パートナー企業様の本業収益が伸びること」で、決して自社の都合で販売をしてもらい、販売実績が出てきたのでOKということではなく、この取り組みを通して両社にとってのシナジーが出る(本業の収益増加×新規収益=スマドラ収益)ことが何よりも重要です。

また、対象顧客のマッチングでは"直販でアプローチしにくい"ということも考慮にいれています。
よくある"本来はアプローチできると刺さる"のに、そもそも自社ではアポイントを取りにくい・入り込みにくいというマーケットへのアプローチが得意なパートナー企業様と一緒に展開することで直販と狙うマーケットが被ることなく営業のカニバリも少なくすることができます。

デジタル・トランスフォーメーションの取組状況(総務省:デジタルで支える暮らしと経済-引用)

これは自社内のデジタルトランスフォーメーションについてのアンケート結果ですが、これに近い結果が購買活動にもあり"デジタルでのリーチが届かない顧客層"が業界や規模によって一定程度は必ず存在しています。
スマートドライブもそうですが、スタートアップでは潤沢に拠点展開をしたり営業担当者の数を増やして人海戦術のアプローチは取りにくいと思いますので、うまく直販との切り分けができるように「どこの業界に対して」「どのような営業アプローチをしているか」というのを正確に把握していき、「実はこの業界はニーズとしても合致していて受注率は高いんだけれどもオンラインで顧客を掴むことが難しいorお客様として潜在ニーズであるので検索もされなく展示会でも情報収集されない」というマーケットを見つけることができた場合には、一気にそのセグメントを開拓するためのコンテンツや営業方法を一緒に考えることに集中して一点突破しにいくのが良いと考えています。
※このあたりはCASMのイノベーター理論とも近いと思いますが、

イノベーター・アーリーアダプターは自身で判断して製品を購入する傾向が強かったり、流行に敏感ということもあるのでオンラインで効率よくリード獲得をすることが可能ですが、アーリーマジョリティに進む段階では購買に慎重なため「これまでの関係性がある企業から購入したい」という意向も強いため、スタートアップが単独で営業活動を行うよりもパートナー企業様の営業リソースを活用させてもらいながら一緒に進める方が導入は進みやすいと考えています。

上記のように、
・中長期にわたってパートナー企業様の本業を伸ばすことができる
・Quick Winの確率を高めるために対象顧客が類似している
・直販とのカニバリを極力減らすために同じマーケットでもCASMのどこの 
 分類に強みを持っているか

を考えていきながらパートナー企業様の候補先をピックアップしていきアプローチを開始していきます。

STEP2_アプローチ

STEP1で候補先企業のイメージができてきたら、次に実際のアプローチを行います。アプローチをする場合にも、
①過去に面談を実施したことのある企業様
②過去に名刺交換を実施しているが面談には至っていない企業様
③接点はないが対象として有望そうな企業様
という3パターンほどあるかと思いますが、①②に対しては過去の経緯を正確に把握したうえでメールor電話にて今回のご連絡の目的や協業意向の背景を丁寧にご説明していきます。
③は完全なホワイトリストになるので、電話でのアプローチも行いますが並行して郵送DMで今回の提案内容をお送りするということもしていきます。
この際に重要なことは、「今回のAllianceにおける意義」と「弊社として重要な取り組みと捉えている」ということをしっかりと伝えることだと考えています。
ですので、必ずメールでもDMでも下記のような私が自分で文章と取り組みの意義を記載したご案内状を作成してそれを同封しています。

正直にお伝えすると、これはかなり大変な作業になりますが短期的な販売を目指すのではなくて中長期でパートナーとしてしっかりと取り組むために最初の連絡内容がテンプレ的な内容だったり、自社のことを本当に知っているのかな?と思われる内容だと「一緒にやっていきたい!」と思っていただくことはないと思っているので、大変ですが頑張らないといけないところになります。

実際に手紙の内容やターゲットリストの抽出にはFORCASを利用しており、
キーワードで「特色・有報・ウェブサイトに親和性が高いワードがないか」(スマートドライブで貢献のできそうなワードが含まれていないか)や、「ITreview内の訪問データで親和性が高いツールの訪問データがないか」を確認しながら候補先ターゲット-商談(この使い方の場合には面談済=商談と個別定義してデータを出しています)-リード(弊社DB内に存在)としてそれぞれのカバレッジを確認しています。

FORCASのマイリストでの検索とターゲットリストのTier画面

STEP3_1st-MTGについて

アプローチをしていき、アポイントが取れた場合にはSTEP2でも触れたように初回から担当者+役員(基本的には私)で参加するようにしています。
たまにあるのがフェーズが進んだら上席が出てくるということがあると思うのですが、アライアンスに関しては初回に役職者が参加するのが良いと考えていて、理由としては
・自社の本気度を伝えることができる
・この取り組みが販売活動だけを目的にしていない貴社の本業を支援する取り組みだということを訴求しやすい
というところにあります。
どうしても担当者同士の面談だとHowに陥りがちな傾向が出てしまうので、そこを上席の人間が参加することによってWhyを伝え直すということを繰り返していきながら、中長期でのパートナーシップを説明し続けます。
※Why → Howはサイモン・シネック氏の「優れたリーダーはどうやって人を動かすか」をご参照ください。(僕がSalesforceに在籍していた2012年頃から参考動画として社内展開されていたので当時からSalesforceのEnablementチームのアンテナは高かったんだなと再認識。)

STEP4_パートナー契約締結前に考えておくべきこと

パートナーシップ契約の際に考えておくべきこととしては、
①パートナー企業の担当者様が自社サービスの話をしやすい状態か
②直販や他パートナー企業様と営業先が被った場合にどうすべきか
③"今"この商品を提案すべき理由は何か

などをクリアにしておくと販売活動が始まった際にも比較的スムーズに進められることができるようになります。

①パートナー企業の担当者様が自社サービスの話をしやすい状態か
いざ、紹介・提案をしようと思っても新規のサービスをお客様に話をするのは説明も慣れないですし細かい質問が出てきた際に回答できないと、お客様に紹介をした担当者様の評価を下げてしまうことにも繋がりかねません。
ですので、「A4表裏で概要が記載されているチラシ」「少し分量のあるサービス詳細+事例の掲載されている冊子」を準備するとともに、お客様とアポイントが取れないまでも接点を作るためのシカケを合わせてご提供することで話を出してもらいやすくなると考えています。
弊社で具体的に取り組んでいるのは共催でのWebセミナーをかなりの数で実施しています。Webセミナーの導線を準備しておくことで、アポイントまではいかないけど少し気になる、というお客様との接点を確保することができると同時に、パートナー企業の担当者様がチラシを出した際に「詳しくはxx月xx日にWebセミナーがあるので一度参加して聞いてみませんか?」とクロージングのトークがしやすくなります。

②直販や他パートナー企業様と営業先が被った場合にどうすべきか
往々にして直販の営業とパートナー企業様が営業をかけた先が被ってしまうというのは発生すると思います。
その際にパートナー様に商談を譲るということは、あまり良いこととは考えていません。パートナービジネスを立ち上げる上で初期の実績作りは確かに必要ですが今後もパートナー企業様の数を増やしていくことを考えるとカニバってしまう確率は未来になるほど高くなりますし、直販の数字を不用意に減少させることがあっては会社全体の数字がぶれてしまい直販の営業担当者からの協力体制を得られなくなるため、公平性を初期の段階から徹底していくことが重要だと考えています。
ルールは非常にシンプルで、
「接点作りを一番最初に実施していただいた企業様を優先する」というものにしています。
こうすることで、パートナー企業様は自社の注力顧客や攻めたい企業様に対して最初に動き出しを行っていただくことができますし、パートナー企業様が増えてきた場合に過去から契約を結んでいる企業様が販売活動が優先されるということになりにくいため、(本来はこの企業様の場合にはxxパートナー企業様と進めた方が受注確率高そう・・・と感じることはあってもルールを複雑にしすぎると運用できないため、このルールを適用しています。)
補足ですが、営業先が被った場合には「営業しないでください」というアナウンスをパートナー企業様にすることはなく、「スマートドライブとして全面に出て個別提案書の作成や営業同席ができません」ということであって、標準的な資料提供という後方支援は実施をしますので、複数パートナー企業様から弊社のサービス提案がされるということは起こります。
最終的にどこの企業様から購入するのかという点は「お客様が判断されること」と考えていますので、支援に関するルールという形です。

③"今"この商品を提案すべき理由は何か
ここを作るのが一番難しく、逆にここがうまく作り出せると初期段階から営業展開が進みやすくなります。
営業活動でいうところの「コンペリングイベント」をどう作っていくのかというところですが、
・20xx年xx月までに法改正が行われるので対応しないといけない
・パートナー企業様の競合企業がすでに同じような取り組みを始めている(既存顧客が取られるかもしれないリスク)
・パートナー企業様の主要顧客ですでに弊社製品を導入いただいている(機会ロスにつながっているリスク)
・パートナー契約スタートダッシュの特典(営業個人へのインセンティブや初期契約のお客様向けの特別サービスなど)
を組み合わせながら、「今」この商品を提案してもらう機会を増やすことが重要になります。
パートナー企業様は自社のサービスだけをお客様に提案しているのではなく、数あるサービスの中でのOne of Themであるというのを正しく理解し、複数サービスをお客様に紹介できる中で「なぜ」「今」自社サービスをお客様に訴求するのかというのを明確にイメージできることが販売を開始した際には非常に重要になると考えています。

次回の内容について

色々と書いていたら、それなりの文量になってきましたので契約締結後に意識しているポイントは次のnoteに記載していこうと思います。
契約締結後に関しては、
・パートナー企業様とどのような会話を心がけるべきか
・パートナー企業様を知るとはどのようなことを指すのか
・営業支援のいくつかの型
・自社サービスに組み込む/データを活用した自社生産性の向上とは
・パートナー契約における成功とは?
などを記載していければと思っています。
※思いつくままに記載するので変わると思いますw


最重要

弊社ではパートナーサクセスマネージャーを募集しています。
https://www.wantedly.com/projects/1167390
ご興味のある方のご応募お待ちしております!
↓↓↓
弊社クラウド車両管理SaaSのセールスパートナーの新規開拓や既存パートナーのさらなるサクセスに貢献することがミッションになります。パートナー企業と弊社の共通利益の企画設計や、いかに両社の強みや特性を活かしてセールスコラボレーションができるかということ、そしてアクションプランの実行までをお任せします。
【職務内容】
・自社とWin-Winの関係になる新規セールスパートナーの開拓
・セールスパートナー企業におけるマーケティング企画支援
・セールスパートナー企業への営業トレーニングの企画実施
・セールスパートナー企業と共同での営業企画と実施
【必要な経験】
・パートナー向けの営業企画/推進/支援などに携わった経験5年以上
・B2B領域でソリューション営業や営業企画に携わった経験5年以上
【歓迎する経験】
・様々な業種における事業構造の理解に長けている
・協業するパートナー企業との共通便益を見出すことが得意である
【求める人物像】
・決められたことをこなすのではなく、何をなぜやるのかなど自ら課題設定してアクションプランまでブレイクダウンし、それに周囲を巻き込んで仕事を進めていくのが好きな方





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?