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「文字を左から右へ書く」西洋の習慣が記号の認識に与える影響

僕たちが何かしらの記号を見たとき、事前に説明がなくても無意識に理解できる、正しく認識できるのは、前提となる共通認識があるからです。

特に、図や記号で時間軸を表す場合、「左から右へ」という共通認識があり、これは「文字を左から右へ書く」という西洋の習慣が大きく影響しています。

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このように、一直線上に時間軸を表す場合、左から順に並べていくのが自然ですよね。

この共通認識は、もっと簡略化した図や記号にも応用されています。

出発と到着

T字を90度回転させたマークで、出発と到着を表す場合。

下図の左側は出発をイメージさせ、右側は到着をイメージさせます。

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登りと下り

斜めの線に対する認識も同様に「左から右へ」という思考が働きます。

そのため、下図の左側は登りを表し、右側は下りを表します。

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正回転と逆回転

回転の場合は、時計の針の動きに影響されます。

時計の針と同じ向きの回転を正回転、逆向きの回転を逆回転と感じるのが自然かと思います。

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そして、時計の回転の向きも「文字を左から右へ書く」という西洋の習慣からきていると考えられます。

(ヘブライ語を右から左へ書くユダヤ人の間では逆回転の時計が使われているそうです。)


終わりに

これらの法則は、図やインフォグラフィックを制作する際には必ず抑えておくべきものでしょう。

もし、時間軸を右から左へ表現してしまったりすると、その図は相当わかりにくいものになると思います。

このような、人間が無意識に使っている思考パターンを上手く利用することは、情報をわかりやすくデザインする上で重要なポイントですね。

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